米国、ニース協定の締結国として、ニース協定最新版を採択し、最終規則とする
2023年08月02日、商務省の米国特許商標庁(USPTO)は、「標章の登録のため商品及びサービスの国際分類に関するニース協定(ニース協定)」によって採用された分類変更を組み込むために、最終規則を発行しました。今回の変更により、世界知的所有権機関(WIPO)によって発行され、2024年01月01日より発効する「商標登録のための商品およびサービスの国際分類(ニース分類)」に記載された内容が、より正確に英語に反映した形で規則に盛り込まれました。この規則は2024年01月01日より発効されます。
概要
米国はニース協定の締結国として、世界知的所有権機関(World Intellectual Property Organization、WIPO)が2024年01月01日より発効するニース協定の改定内容を採択し、最終規則としました。
注目すべき内容
米国特許商標庁(United States Patent and Trademark Office、USPTO)は、2024年01月01日に発効するWIPO発行のニース分類(第12版、2024年版)に記載されている分類の変更及び修正を取り入れるため、「商標法に基づく商品およびサービスの分類」を改訂しました。具体的には、分類表の第3類の商品について説明する項目名の「化粧品、せっけん類及び歯磨き(医療用のものを 除く。);歯磨き(医療用のものを除く。);香料、薫料及び香水類、精油;洗濯用漂白剤その他の洗濯用剤;洗浄剤(煙突用化学洗浄剤を除く。)、つや出し 剤、精錬、擦り磨き剤及び研磨剤」という文言から「精錬」という単語が取り除かれました。この変更により、WIPOにより2024年01月01日に発効される「商標登録のための商品およびサービスの国際分類(ニース分類)」はその日時を合わせて、米国でも2024年01月01日より採用・発効されます。日本も締結国であるため、ニース協定の概要や分類については、日本の特許庁からも日本語の対訳などがついた上で多くの場合年末に紹介・公表され、年始より発効されています。
参考情報
WIPO、ニース協定、ニース分類とは
世界知的所有権機関(World Intellectual Property Organization、WIPO、フランス語ではOrganisation mondiale de la propriété intellectuelleとなりOMPIとなる)は、全世界的な知的財産権の保護を行う国際連合の専門機関です。WIPOは、保護活動以外に、知的財産権に関する条約、国際登録業務の管理・運営を行っています。
標章の登録のため商品及びサービスの国際分類に関するニース協定(Nice Agreement Concerning the International Classification of Goods and Services for the Purposes of the Registration of Marks、ニース協定)は、商標の国際分類について定める多国間の国際条約です。ニース協定は、商標およびサービスで使用されるマークの登録を目的として、商品およびサービスについて国際的な分類を定めています。1973年09月01日以降、この国際分類システムを米国は使用しており、この日以降に提出されたすべての出願及びその登録に適用されています。この協定に基づいて定められる国際分類はニース分類(Nice classification)と呼ばれています。
ニース分類は、商標やサービスで使用するマークを各国で登録する際には、それがどのような商品やサービスに対して用いられるのかを特定する国際的な分類です。ニース協定の各締約国は、この国際分類制度を使用しなければならないとしており、日本も1989年に締約して使用しています(発効は1990年)。2022年12月において、米国、日本、ヨーロッパ諸国や中国を含め92か国が締約・使用しています。ニース分類では、商品については第1類から34類、サービスについては第35類から45類に分類されています。このニース分類の変更を行う提案は、締結国の権限のある官庁、国際事務局、専門家委員会にオブザーバーを出席させた政府間機関及び専門家委員会から、提案を行うようにと要請された機関又は締結国によって行われます。その後、提案はWIPOウェブサイトの電子フォーラムに提出され、年次専門家委員会会議でさらなる議論が行われた後、投票のために、議論でのコメントが追加されるなどの修正と編集が行われます。提案は、毎年1回ある会合で各締結国の投票により採用か否かが決定されます。2023年1月1日現在、ニース分類の最新版は3年ごとに電子的に発行されることとなっています。この最新版では、直前の版以降に採用されたすべての変更、分類から別の分類に移された商品またはサービス、さらには直前の版の発行以降に新設された分類が反映されます。
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