フッ素系ガス(F-gas)とオゾン層破壊物質(ODS)による温室効果ガスの排出削減について
2023年10月05日、欧州委員会は欧州議会と欧州理事会が地球温暖化を阻止するためにオゾン層を破壊する物質の使用の段階的廃止に関する暫定的な合意に達したことに対する歓迎を公表しました。今後、正式な採択を経た後に発効します。
背景
1987年に採択されたモントリオール議定書は、約100に及ぶオゾン層を破壊する物質の段階的廃止スケジュールを定めました。
その後、2016年には冷蔵、空調、電力供給など日常生活で用いられており、オゾン層破壊を引き起こさないフッ素系ガスであるヒドロフルオロカーボン(HFC)が、新たに規制の対象として設定されています。気候への影響に対する懸念に応えるためです。
既存のEU法において、温室効果ガスの使用及び排出は制限されています。しかし、EUの2030年気候変動目標である55%の排出量削減に寄与し、2050年までの気候中立の達成をより確実に達成するためには、さらに厳格な施策を行う必要があります。
概要
欧州議会と欧州理事会がオゾン層を破壊する物質の使用の段階的廃止に関して暫定的な合意に達したのは、2023年10月05日です。その内容は以下の通りです。今回の暫定的合意が規則として施行されれば、2050年までに約5億トンの温室効果ガス排出を予防できます。
■フッ素系ガス
ヒドロフルオロカーボン(HFC)の消費は2050年までに廃止され、生産は2036年から15パーセントまで削減されます。一方、半導体の廃止は、2040年に技術的進歩と代替品の利用可能性に基づいて評価される予定です。
家庭用冷蔵庫や冷却装置などを含む、ヒドロフルオロカーボン(HFC)を含む製品および設備の市場への出荷を禁止します。ただし、安全面に懸念がある場合は禁止が除外されるケースもあります。
地球温暖化係数(温室効果ガスの温暖化能力を示す指標)が150以上のフッ素系温室効果ガスを使用する12kW以下のモノブロックヒートポンプとエアコンに対して2027年から出荷禁止を適用し、2032年の完全な廃止を目指します。
フッ素系温室効果ガスを使用する中圧スイッチギア(外部から受電した電気の電圧を変え、施設内に配電する設備)を2030年までに出荷禁止し、高圧スイッチギアについては2032年までに完全な禁止を実現します。
また、各国が規則の違反に対して、罰金、製品の没収、一時的な貿易禁止などの効果的な罰則を設定する必要性が明記されています。
■オゾン層破壊物質
研究室での使用、軍事機器や航空機など特別な用途における火災保護など、厳格に制限された例外を除いてオゾン層破壊物質(ODS)の使用は禁止されます。
他の物質を生産するための原料としてオゾン層破壊物質(ODS)を使用する際の例外規定が設けられます。また、その内容は、委員会によって定期的に更新されます。原料代替品の入手可能性に関する評価はモントリオール議定書に基づき、国際レベルで行われますが、一定期間の間に国際的な評価が行われなかった場合、欧州委員会が評価を行います。
■次のステップ
暫定的な合意が採択されるには、理事会の各国代表および議会の環境委員会に承認が必要です。承認後に欧州議会と欧州理事会に採択されます。その後、EUの欧州官報に掲載され、発効されます。
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