米国|船舶の偶発的排出に関する国家基準の補足通知を発表

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米国|船舶の偶発的排出に関する国家基準の補足通知を発表

EPA、米国水域内で船舶から排出される水の排出基準に関する情報を通知

2023年10月18日、米国環境保護庁(EPA)は、2020年10月26日に発表された、「船舶の偶発的排水法に基づいた海洋汚染防止装置の国家性能基準」の規則案に対する補足通知を発表しました。本通知では、規則案発表以降にEPAが米国沿岸警備隊(USCG)から受け取ったバラスト水管理システム(BWMS)の型式承認情報が新たに示されています。また、バラストタンク、船体およびニッチ部、ならびに雑排水システムからの排出についてEPAが検討中の、一般の意見も参考にした補足的規制選択肢が追加されています。この追加通知の内容に関して2023年12月18日まで意見が募集されています。

背景

バラスト水とは、船舶のバラスト、つまり船底に積む重しとして用いられる水のことを差します。貨物船が空荷で出港するとき、港の海水を積み込み、貨物を積載する港で船外へ排出される水のことです。含まれている水生生物が外来種として生態系に影響を与える可能性があることから、国際条約による規制が進められています。

2020年10月26日、米国環境保護庁(Environmental Protection Agency、EPA)は、船舶の偶発的排水法(Vessel Incidental Discharge Act、VIDA)に基づき、主に全長79フィート以上の非軍事・非レジャー用船舶から、通常運航において米国水域または連続水域に排出される海洋汚染を防止する装置の国家性能基準を提案しました。その際に、EPAは、バラスト水排出基準の一部として、2013年船舶一般許可(2013 Vessel General Permit、VGP)および 2012年3月23日に公布された米国沿岸警備隊(U.S. Coast Guard、USCG)規則に示されている生物学的パラメータの数値排出基準(瞬間最大値で表される)を以下の通りとして、継続することを提案しました。

  • 最小寸法が50マイクロメートル(μm)以上の生物に関しては、排出されるバラスト水に含まれる生物は、1 立方メートル(m3)あたり10個未満でなければならない。
  • 50μm未満で10μm以上の生物に関しては、排出されるバラスト水に含まれる生物は、1mLあたり10個未満でなければならない。
  • 指標微生物用として、毒性を有するコレラ菌(O1およびO139型)が100mLあたり1cfu未満の濃度、大腸菌が100mL当たり250cfu未満、腸球菌が100mL当たり100cfu未満でなければならない。

規則案においてEPAは、2013年のVGP要件とUSCGの型式承認手続きは効果的であり、システムの設置、運転、維持、監視に関連する継続的な課題を解決し、さらなる高性能のシステムや高い検出技術の開発を促進すると評価していました。

しかし、一方で、この時、USCGは現行のバラスト水管理システム(ballast water management system、BWMS)が上の基準を満たすことができることを実証する情報を持っておらず、また規則案で要求されている性能基準を評価するための技術および試験プロトコルが実施できていないという課題もありました。そこで、EPAは海洋汚染を防止する装置の型式承認試験情報の品質に関する懸念と、バラスト水試験方法およびモニタリングに関連する課題があることを説明し、一般からの意見募集を行いました。

今回の通知では、2021年8月から11月にかけて実施された、第 1 回の意見公募期間中に寄せられた意見と、その後の関係する州、部族、およびその他の関係者との会合から得られた情報を公開し、EPAが持つ型式承認試験情報の懸念事項、試験方法の制限、モニタリングの課題を補足説明しています。

注目すべき内容

EPAは、バラスト水排出基準数値案に関する3つの懸念事項を説明しています。

  1. 国際海事機関(IMO)およびUSCGのバラスト水管理システムにおける型式承認データ規則案の未だ検討している事項
  2. バラスト水試験方法はより厳しい、または「検出可能な生物なし」の基準を確立することを認めることができない
  3. バラスト水内の生物の測定に関連するモニタリングの課題

そして、本通知において、EPAは、規則案以降に入手した新規データ、および特定の排出物またはシステムに関する少数の補足選択肢について、一般意見を求めています。具体的には、「バラスト水排出基準の数値について」「バラスト水の取水方法への対応について」「レイカーからのバラスト水排出についてレイカーに機器基準を義務付けるかどうか」などに加え、「検討中の多くの改定が、2023年07月に採択された「外来水生生物の移入を最小化するための船舶の生物汚濁の制御及び管理のための改定ガイドライン」と整合しているか」について、意見を求めています。また、排水システムに関して、EPAは排出基準を満たすという要件の適用を400総トン数(Gross Ton、GT)以上のすべての新規船舶ではなく、最大定員15名以上で宿泊施設を提供する400GT以上の新規船舶のみに限定する補助的な選択肢も検討しているため、その点においても意見を募集しています。今回、EPAは、通知された補足に関する事項に限定して一般意見を募集しており、提出された意見および規則案に対する意見はすべて最終規則の策定時に考慮されるとしています。

EPAは、補足通知の紹介、EPAが最終規則について検討している補足規制選択肢の紹介、および一般意見提出手続きに関する情報を提供するために、2回の仮想公開会議を開催する予定です。ただしこの仮想公開会議では、意見を提出することはできません。

参考情報

船舶の偶発的排出に関する国家基準の補足通知を発表

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