蓄電器及び電動車両に関するEU・英国間取引への関税0%が適用される緩和措置が延長
2023年12月28日、欧州官報にて蓄電器および電動車両に関する製品固有の原産地規則の経過措置に関するEU・英国パートナーシップ評議会の決定 No 1/2023が公布されました。
この決定は2023年12月21日に採択され、即日発効しています。
この決定により蓄電器および電動車両に関する原産地規則の経過措置の適用が2023年12月31日から2026年12月31日まで3年間延期されました。
背景
2021年01月01日付けで、英国のEU脱退に伴う移行期間が終了し、英国は欧州連合(EU)の単一市場、関税同盟、およびEU法の総体系から離脱しました。
これによってEUと英国間の「人、モノ、サービス、資本」の自由な移動は終了し、英国はEUの国際協定の枠組みから外れることとなりました。
混乱を可能な限り抑えるため、2020年12月24日、EUと英国は「通商・協力協定(TCA)」に合意し、TCAの適切な履行するための監督・決定機関としてEU・英国パートナーシップ協議会が設立されました。
TCAは、物品・サービスの貿易に加え、投資、競争、補助金、透明性、輸送、漁業、データ保護、エネルギーと持続可能性、社会保障など幅広い分野をカバーする自由貿易協定で、原産地規則を満たすことを要件に、全品目で関税、割り当てが撤廃されました。
英国はEUの関税同盟から離脱したため、英国・EU間の貿易に関しては、英国及びEUの全輸出業者は、相手側と取引する際に物品の原産地を申告する必要があります。
EU・英国通商協力協定の締約国で生産された製品のみが、協定で確立された優遇制度の恩恵を受けることができるため、TCAには、製品がEUまたは英国原産と指定する原産地規則が含まれています。
TCAの原産地規則には、特定の製品として蓄電器およびハイブリッド車(HV)、 プラグインハイブリッド車(PHV)、電気自動車(EV)を含む電動車両に関しての経過措置としての緩和措置が附属書5に明記されています。
TCAに基づく電気自動車と蓄電器の原産地規則の緩和措置は、現状でアジアから主に輸入されている状況を鑑み、欧州連合および英国の製造能力への投資を奨励するために策定されたものです。
しかし、それ以降ロシアのウクライナ侵略、新型コロナウイルス感染症のサプライチェーンへの影響、新たな国際補助金支援制度との競争激化など、予見できなかった状況により、欧州の電池エコシステムの拡大が当初の予想よりも遅れる状況が生じたため、蓄電器および電動車両に対する緩和措置を延長することが決定されました。
概要
本決定は、2023年12月31日から2026年12月31日までTCAの附属書5:蓄電器および電動車両に対する特定製品に対する経過措置を延長するものです。
附属書5の経過措置の内容は付加価値基準:最終製品の工場渡し価格に占める非原産材料の価額の上限(MaxNOM)の緩和で、以下のようになっています。
蓄電器:MaxNOM 70% (EXW)
蓄電器に組み込まれることを目的としたバッテリーセル、バッテリーモジュールおよびその部品:MaxNOM 70% (EXW)
電動車両:MaxNOM 60% (EXW)
2026年以降は附属書3にあるようにMaxNOMが引き下がります。
蓄電器:MaxNOM 30% (EXW)
蓄電器に組み込まれることを目的としたバッテリーセル、バッテリーモジュールおよびその部品:MaxNOM35% (EXW)
電動車両:MaxNOM 45% (EXW)
この延長は1回限りの延長と明記され、再度延長することができないように、2032年01月01日まで、蓄電器および電動車両の製品固有の原産地規則がさらに変更される可能性が排除されることを含む改正案が予定されています。
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