EU|飲料水指令を補完する複数の法令案を採択

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EU|飲料水指令を補完する複数の法令案を採択

人による消費を意図する水に接触する材料および製品に関する新たな最低衛生基準の設定が目的

2024年01月23日、欧州委員会は以下の飲料水の規制に関する3つの実施決定と3つの委任規則を採択しました。

  1. 欧州ポジティブリストに含まれる出発物質、組成物及び成分の試験方法及び承認方法に関する規定を定める実施決定
  2. 人による消費を意図した水と接触する材料又は製品の製造において使用が許可される出発物質、組成物及び成分の欧州ポジティブリストを確立する実施決定
  3. 人による消費を意図した水と接触する製品に使用される最終材料を試験し、承認する手順と方法に関する実施決定
  4. 出発物質、組成物、及び成分の欧州ポジティブリストへの包含または削除に関する手順を定める手順を定める委託規則
  5. 人による消費を意図した水と接触する製品の適合性評価手続き及びその手続きに関与する適合性評価機関の指定に関する規定を定める委任規則 
  6. 人による消費を意図する水と接触する製品の表示に関する統一仕様の確立に関する委託規則

採択された委任規則に対して、欧州議会と欧州理事会は異議表明に2ヶ月の猶予が与えられています。異議がない場合、2ヶ月後に発効します。採択された6つの法令は、2ヶ月後に官報に公布が見込まれ、2026年12月31日から適用となります。

いずれも、EU安全基準システムを構築するための一連の取り組みの一部で、飲料水指令、(EU) 2020/2184を補完する位置づけのものです。

背景

2021年01月12日に発効したEU飲料水指令2020/2184は、飲料水と接触することを目的とした製品に対するEU域内の均一安全基準を確立することが目的です。  

飲料水指令は、欧州グリーンディールで発表された汚染ゼロの目標に沿って、微生物の増殖を防ぎ、有害物質が飲料水に浸出するリスクを軽減するよう基準を設けることで、汚染された飲料水の有害な影響から市民と環境を保護し、欧州の全ての人々に安全な飲料水へのアクセスを保証することを目的としています。 

更に、飲料水指令は、各国の管理庁によって今まで行われていた承認プロセスを簡素化することで、関連する材料や製品を生産する企業の管理負担を軽減します。

飲料水指令の第11条は、飲料水と接触する材料の最小衛生要件の枠組みを定めています。この第11条に基づいて、今回採択された一連の法令が作成されました。

概要

欧州ポジティブリストに含まれる出発物質、組成物及び成分の試験方法及び承認方法に関する規定を定める実施決定

欧州ポジティブリストに含まれる出発物質、組成物及び成分の試験方法及び承認方法に関する規定を定める法令です。

リストにある承認された出発物質、組成物および成分のみが、飲料水と接触する最終材料/製品の製造に使用できます。

人による消費を意図した水と接触する材料又は製品の製造において使用が許可される出発物質、組成物及び成分の欧州ポジティブリストを確立する実施決定

■ 最終材料または製品の製造に使用できる物質、組成物、構成要素の欧州ポジティブリストを確立するための規定を定める法令です。

■ 有機材料、セメント材料、金属材料、エナメル材料、セラミック材料、その他の無機材料など材料の種類ごとに、物質、組成、成分の欧州ポジティブリストの制定が規定されています。

人による消費を意図した水と接触する製品に使用される最終材料を試験し、承認する手順と方法に関する実施決定

■ 製品に使用される最終材料を試験し、受け入れるための方法論を定める法令です。

■ 飲料水と接触する製品には、試験され承認された最終材料のみを使用できます。

■ 製品に使用される最終材料の試験及び承認の手順と方法は、附属書1から6に規定されています。

出発物質、組成物および成分の欧州ポジティブリストへの包含または削除に関する手順を定める委託規則

■ 飲料水と接触することを目的とした材料または製品の製造に使用される出発物質、組成物、または成分に関する欧州ポジティブリストを修正する手順を定める法令です。

■ ポジティブリストへ含めるまたは削除するための申請、およびこれらのリストからの出発物質、組成物または成分のレビューを目的とした申請は、欧州化学庁 (ECHA) に提出されます。

人による消費を意図した水と接触する製品の適合性評価手続き及びその手続きに関与する適合性評価機関の指定に関する規定を定める委任規則 

■ 製品に適用される適合性評価手順と適合性評価機関の指定に関する規則を定める法令です。

■ 飲料水と接触する製品のうち、適合していると宣言された製品のみが市場に出すことができます。

人による消費を意図する水と接触する製品の表示に関する統一仕様の確立に関する委託規則

■ 飲料水と接触して使用される製品の表示に関する統一仕様を策定する法令です。

■ 文書および製品のパッケージ上のマークには、「飲料水に適しています」というテキストを市場となるメンバー国の公用語で含める必要があり、また附属書には、マークのデザインがあります。

飲料水指令とは

飲料水指令は、その名の通り、人が飲むことを意図した水の管理に関する法令です。
もともとは、指令98/83/ECとして知られていましたが、新たに指令(EU) 2020/2184として整備され、新たな内容が多々盛り込まれています。

概要

■ 指令の主な目的は、人の健康を飲料水の汚染から守るための改正規定を導入すること、人による消費を意図した水へのアクセスの改善、費用対効果の高いリスクベースの水質監視手法の導入が挙げられている。

■ 「人による消費を意図した水」とは、次のものをいう。

  • 原水の状態または処理後の状態で、公共施設および民間施設の両方において、飲用、調理用、食品準備用、またはその他の家庭用として使用されるすべての水で、起源や湧水を含む、配給網からの供給、タンクローリーからの供給、ボトルや容器に入れられた水かどうかに拠らないもの、および
  • 製品または物質の製造、加工、保存、販売のために食品事業で使用されるすべての水

■ 適用外:ナチュラルミネラルウォーター(湧水は除く)(指令2009/54/ECの対象)、医薬品である水(指令2001/83/ECの対象)
 EU加盟国は、次のものを免除することもできるとされている。

  • 水質が直接・間接を問わず消費者の健康に影響を及ぼさないと当局が確信する目的のみに使用される水
  • 1日平均10m3未満、または50人未満にしか供給されない個別供給による消費用水

■ 指令では、最低限の水質基準を設けている。微生物学的パラメータや、化学的パラメータ、指標パラメータなど、各種閾値が設けられている。

■ さらに、指令では、水と接触する取水、処理、貯蔵、流通に使用される材料が、次のことをしないように規制している。

  • 直接的または間接的に人の健康を損なう
  • 水の色、におい、味に悪影響を与える
  • 微生物の増殖を促進する
  • 汚染物質が、その物質の意図された目的に必要なレベルよりも高いレベルで水中に溶出する

関連して、認可された出発物質と最終物質を受け入れるための追加の試験方法と手順(2024年01月12日まで)、および認可された出発物質のリスト(2025年01月12日まで)を段階的に導入される旨も規定している。

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