EPA、建築材料や自動車のブレーキに使用されていたクリソタイルアスベストの吸入暴露が中皮腫をもたらすという研究結果を公表して、使用をほぼ禁止
2024年03月28日、環境保護庁(EPA)は、有害物質規制法(TSCA)に基づき、特定の使用条件においてクリソタイルアスベストがもたらす健康被害に対処するための最終規則を発表しました。EPAは、クリソタイルアスベストの慢性的な吸入暴露は、中皮腫、肺がん、卵巣がん、喉頭がんなどの健康被害をもたらすと判断しました。そして、化学製造業や加工金属製造業などの事業主に対し、クリソタイルアスベストの使用を禁止するなどの職場管理を義務付けることを最終規則としました。この最終規則は2024年05月28日に発効します。
クリソスタイルアスベストとは
アスベストは、天然に産する鉱物の総称で、繊維状アスベストは建築資材などに幅広く利用されてきました。6種あるアスベストの中の1種であるクリソタイルアスベスト(Chrysotile Asbestos)は白色で、最もよく知られたアスベストの種類です。強度が高く、耐熱性に優れ、柔らかいことから、以下の業種において建築材料や自動車のブレーキ部分の摩擦材などに広く使用されてきました。
- 石油・ガス採掘
- 原子力発電
- 化学製造業
- 加工金属製品製造業
- 輸送機器製造業
- ガスケット、パッキン、シール装置製造
- 自動車および自動車部品・用品商卸売業
- 自動車および部品販売業者
- 自動車修理・整備
しかし、クリソタイルアスベストは、他のアスベストに比べて毒性が低いと考えられているものの、慢性的な吸入暴露は中皮腫、肺がん、卵巣がん、喉頭がんなどの健康被害をもたらすことがわかっていました。米国では、すでにアスベスト全体の使用量が数十年にわたり減少しており、1970年代初頭のピーク時の消費量の0.1%以下となっています。現在では、クリソタイルアスベストを用いて製品を製造しているのは、クロルアルカリ(塩素、苛性ソーダなど)の製造者だけとなっています。そのため、環境保護庁(Environmental Protection Agency、EPA)は、米国に残っているアスベストの総量は比較的少量であると考えています。
本最終規則の内容
EPAは、有害物質規制法(Toxic Substances Control Act、TSCA)に基づき、以下の内容を含んだ規則を最終規則として発行しました。
(i) クロルアルカリ産業におけるクリソタイルアスベスト含有製品の輸入を含む製造、加工、商業流通、商業使用を禁止し、暫定的な職場管理を義務付ける
(ii) クリソタイルアスベスト含有のシートガスケット製品の輸入を含む製造、加工、使用、商業流通、商業利用を禁止し、特定の商業利用については暫定的な職場管理を義務付ける
(iii) 油田用ブレーキブロック、上市後の自動車ブレーキおよびライニング、その他の自動車用摩擦製品やガスケット用のクリソタイルアスベスト含有製品の輸入を含む製造、加工、商業流通、商業使用を禁止する
(iv) クリソタイルアスベスト含有製品である上市後の自動車ブレーキ、ライニング、その他のガスケットの、消費者向け用途での輸入を含む製造、加工、商業ベースでの流通を禁止する
(v) 廃棄および記録管理の要件を定める
この最終規則は2024年05月28日に発効します。
本最終規則では、クリソタイルアスベストの全面的な使用禁止が義務付けられていますが、米国での使用量は比較的少量であるため、EPAはこの最終規則による経済的な影響は少ないと考えています。
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