米国|モデルイヤー(MY)2032までの大型車の温室効果ガス排出基準である、第3段階温室効果ガス(GHG)規則を最終決定
EPA、MY2027までの第2段階GAG規則と比較してより厳しい大型車の第3段階GHG排出基準を最終規則とする
2024年04月22日、環境保護庁(EPA)はモデルイヤー(MY)2032年までの大型高速道路用車両に対する新たな温室効果ガス(GHG)排出基準を公布しました。この最終規則では、EPAの中型および大型エンジン車両に対する温室効果ガス排出量および燃費基準である「HDの第2段階GAG規則(HD GHG Phase 2)」において策定されたMY2027GHG基準が改訂され、先進技術を搭載した車両への税額控除(クレジット)の利用が制限され、また平均化バンキングおよび取引プログラムの個別の要件も更新されています。
この最終規則は2024年06月21日に発効します。
最終規則の対象
今回の規則の対象となっている大型高速道路用(Heavy-Duty、HD)車両には、商用ピックアップトラックから、地方や地域の輸送、建設、ごみ収集、配送作業をサポートする職業用車両、貨物を全国に運ぶラインホールトラクター(セミトラック)などが含まれます。そのため、これら自動車やそのエンジン、さらにそれの主要部品を製造する製造者や販売に関わる事業主に影響が及びます。
最終規則の背景と概要
米国において、運輸部門は最大の温室効果ガス(greenhouse gas、GHG)の排出源であり、GHG総排出量の29%を占めています。運輸部門の中で、HD車両を含む大型車は、GHG排出の2番目に大きな原因であり、排出量の25%を占めています。一方で、大型車からのGHG排出を防止または制御する技術は大きく進歩しており、今後も進歩が見込まれています。環境保護庁(Environmental Protection Agency、EPA)では、モデルイヤー(Model Year、MY)2020に約400台、MY2021に1,200台、MY2022に3,400台のバッテリ電気(electric vehicle technologies、BVE)のHDを認証しています。
BVE自動車や水素燃料電池電気自動車(fuel cell electric vehicles、FCEV)も含む、車両の排気管からの排出を伴わない技術を動力源とする、いわゆるゼロエミッション車(zero-emission vehicle、ZEV)のHDの増加が今後見込まれています。
以上の事からEPAは、米国全土のHD車両とそのエンジンから排出されるGHGを削減するため、今回の規則内容を最終決定しました。最終規則では、EPAの中型および大型エンジンとその車両に対するGHG排出量基準および燃費基準で、第2段階規則(HD GHG Phase 2)と呼ばれるMY2027 GHG基準より、さらに厳しい二酸化炭素排出量の基準を2027年モデルイヤーの車種から段階的に導入しています。その他、「平均化、バンキングおよび取引(Averaging, Banking and Trading、ABT)プログラム」の個別要素の更新、などが最終決定されています。
最終規則の内容
第2段階規則(HD GHG Phase 2)と呼ばれるMY2027 GHG基準を更新し第3段階規則(HD GHG Phase 3)を最終決定しました。
①新たなCO2排出量の基準が2027年モデルイヤーの車種から段階的に導入されます。表ES-1と表ES-2において、MY2027~2032年以降の規制サブカテゴリー別商用車の二酸化炭素排出量基準の詳細な数値が記載されています。
②EPAは、本基準で新規技術に対して柔軟に対応するため、適合車両に特定の技術の使用を義務付けていません。適合車両には、多様な HD自動車技術、例えば変速機技術、空力改善、エンジン技術、ハイブリッド技術、バッテリ電気パワートレイン、水素燃料電池パワートレイン、低炭素燃料の使用技術などが含まれると予想しています。表ES-3と表ES-4では、適合車両が搭載する技術パッケージの例が更新されています。
③HD GHG Phase 2において以前に策定されたMY2027GHG基準が改訂され、先進技術を搭載した車両へのABTプログラムにおいて、プラグインハイブリッド車(plug-in hybrid electric vehicles、PHEV)、BEV、FCEVなどに搭載された先進技術に対する優遇措置の更新を確定しました。具体的には、先進技術の搭載によって得た税額控除(クレジット)を製造者が使用できる期間が制限されました。
④EPAは第3段階規則においてコンプライアンスの関与、監視要素へのコミットメント、技術・インフラ開発の支援などを更新しました。EPAは、第3段階規則の期間中に、製造事業者の準拠や大型車技術、それを支えるインフラ整備などを監視し、定期報告書を作成することになります。
④ゼロエミッション車のバッテリおよび他の構成部品に対する保証要件の追加、プラグインハイブリッド車およびバッテリ電気自動車のバッテリ状態監視装置の義務付けが最終決定されました。
⑤HD車両規定とHDエンジンの特定の試験方法の明確化、編集修正を含む追加修正なども行われています。
参考情報
注目情報一覧
新着商品情報一覧
調査相談はこちら
概要調査、詳細調査、比較調査、個別の和訳、定期報告調査、年間コンサルなど
様々な調査に柔軟に対応可能でございます。
- ●●の詳細調査/定期報告調査
- ●●の他国(複数)における規制状況調査
- 細かな質問への適宜対応が可能な年間相談サービス
- 世界複数ヵ国における●●の比較調査 など