2019年に施行された「仏暦2562年(西暦2019年)有害物質法(第4版)」に則り、既出の告示を取り下げ、新たに発出したもの
保健省は「仏暦2565年(西暦2022年)保健省告示 食品医薬品委員会事務局(FDA)が主管する有害物質の製造、輸入、輸出、通過、保管につき労働者が従事するための規則と方法」 を発出、2022年10月21日、官報にて公布されました。この告示は官報公布日の翌日より施行されます。
告示の背景
この告示は
「仏暦2535年(西暦1992年)有害物質法(Hazardous Substance Control Act, HSCA)」 第5条 第3段落、及び「仏暦2562年(西暦2019年)有害物質法(第4版)」
によって改訂増補された
「仏暦2535年(西暦1992年)有害物質法」
第20条(1)及び第44条(1)に則り保健省長が2022年05月17日に開催された2022年第5-1回/有害物質委員会会議の承認を得て発出されたもので、
2012年05月15日付で発出された保健省告示「食品医薬品委員会事務局が所管する有害物質の生産、輸入、輸出、保管につき労働者が従事するための規則と方法について」が廃止され、この告示に代わるものです。
有害物質法とは、1992年に制定されたタイにおける有害化学品管理の核となる法律で、その製造、輸入、輸出、保管という全ての活動を規制、管理したものとなっており、その有害性のレベルに応じて有害物質を4つ種類に分類し、その手続きを指定(下記表1)しています。
また、有害物質は工業省工場局を中心に、4省の6部局が主管しています(下記表2)。その性質ごとに求められる管理法が異なるため、有害化学物質は主管部門別に6つの付属書に分けられ、それぞれの物質を管理するための詳細は下位法令(省告示、局告示等)で規定されています。
表1:有害物質の種別と義務付けされている手続き
| 有害物質の種別 | 義務付けされている手続き |
|---|---|
| 第一種 | 製造・輸出入・所有の事前届出 指定された規則、手続の遵守 |
| 第二種 | 生産・輸出入・所有の事前届出 製品の登録の届出 指定された規則、手続きの遵守 |
| 第三種 | 生産・輸出入・所有の事前届出 製品の登録申請とその許可 指定された規則、手続きの遵守 |
| 第四種 | 製造、輸入、輸出、保管全てを禁止 |
表2:表1. タイにおける化学物質管理に関わる主管機関及びその管理範囲
| 所轄機関 | 省庁 |
|---|---|
| 工場局(DIW) | 工業省 |
| 農業局(DOA) | 農業・協同組合省 |
| 水産局(DOF) | 農業・協同組合省 |
| 畜産振興局(DLD) | 農業・協同組合省 |
| 食品医薬品局(FDA) | 保健省 |
| エネルギー事業局(DOEB) | エネルギー省 |
有害物質法は、有害化学品の製造・輸入・輸出・保管を規制するものでしたが、2019年に施行された「仏暦2562年(西暦2019年)有害物質法(第4版)」により、「輸入」の章に含まれていた「通過」が新たに定義されました。
今回の告示も2012年5月15日付発出の「仏暦2555年(西暦2012年保健省告示 食品医薬品委員会事務局が主管する有害物質の生産、輸入、輸出、保管につき労働者が従事するための規則と方法」を廃止し、改めて「通過」の項目をを独立させた「仏暦2565年(西暦2022年)保健省告示 食品医薬品委員会事務局が主管する有害物質の製造、輸入、輸出、通過、保管につき労働者が従事するための規則と方法」として発出されたものです。
「仏暦2562年(西暦2019年)有害物質法(第4版)」における「通過」の定義は下記の通りです。
「通過」とは、有害物質がタイ王国を通過することで、その起点と終点はタイ王国外にあるものとする。貨物の積み下ろしや車両交換の有無にかかわらず、該当の有害物質がタイ王国内で商業的利益を目的とした、いかなる利用行為にも使用されてはならない。
「仏暦2562年(西暦2019年)有害物質法(第4版)」より引用、仮訳
告示の内容
この告示は以下の通り、6つの章と巻末添付から構成されています。
告示の構成
第Ⅰ章 生産
第Ⅱ章 輸入
第Ⅲ章 輸出
第Ⅳ章 通過
第Ⅴ章 作業に従事するために手配するべきこと
第Ⅵ章 保管
巻末添付
・有害物質生産量届出フォーム(Wor Or./ Sor Thor 13)
・有害物質輸出量届出フォーム(Wor Or./ Sor Thor 14)
・有害物質輸入量届出フォーム(Wor Or./ Sor Thor 23)
・第Ⅵ章「保管」にて述べられている警告文章
今回の告示内における主な改訂増補点
■第Ⅲ章「輸入」、第6項に関し、その手続きについてより詳細に規定
第1種、第2種、第3種の有害物質の輸入をする者は下記の手続きをすること。
6-1 有害物質を輸入する度にその旨を届けること。また、その届け出は食品医薬品委員会事務局の食品・薬品担当官の検査を通らなければならない。
6-2 年間を通じた有害物質の輸入量をこの告示の巻末に添付された届出フォームWor.Or./ Sor.Thor23により翌年1月31日までに担当員に届け出ること。方法は下記の中から一つ選ぶこと。
・食品医薬品委員会事務局窓口、もしくは書留郵送での届出。書留郵送の場合は郵便局で押された書留受領の日付印を届出日と見なす。
・食品医薬品委員会事務局の電子ネットワークシステムを通じた届出。■第Ⅳ章「通過」を追加
第1種、第2種、第3種の有害物質の通過をする者は下記の手続きをすること。
9-1.有害物質がなくなったり、悪用されたりしないように、監督管理すること。
9-2.有害物質の行き先が、担当官が発行した通行証に記載されていない場所に変更されないよう、監督管理すること。
10.有害物質の通過をする者は、通過中に有害物質が加工されたり、他のものに変化したり、もしくは容器や梱包を変更しないよう、監督管理すること。容器や梱包の破損により元の状態に戻すか、同等の状態に戻すようにする場合はこれに該当しない。
■第Ⅵ章「保管」における有害物質の保管場所付近に設置する告知板について、より細かく指定。(今回新たに追加されたのは12-4.の項目)
12-4.有害物質の保管場所付近には、その旨が容易にはっきりとわかるよう、タイ語で書かれた告知板を設置すること。少なくとも「喫煙、飲食、食料保管の禁止」の旨記載すること。
12-5.有害物質の保管場所付近には、この告示の巻末に添付した「第Ⅵ章「保管」の中の警告文章」の内容を記した警告用の告知板を設置すること。また、腐食性物質、可燃性物質、毒物のシンボル等、有害物質の危険を知らせる一般的に知られたマークを表示すること。
「仏暦2565年(西暦2022年)保健省告示 食品医薬品委員会事務局が主管する有害物質の製造、輸入、輸出、通過、保管につき労働者が従事するための規則と方法」より抜粋、仮訳
関係事業者は上記の告示にご留意ください。
参考
「仏暦2535年(西暦1992年)有害物質法(Hazardous Substance Control Act, HSCA)」(第4版による改訂増補を織り込んだもの)
注目情報一覧
新着商品情報一覧
調査相談はこちら
概要調査、詳細調査、比較調査、個別の和訳、定期報告調査、年間コンサルなど
様々な調査に柔軟に対応可能でございます。
- ●●の詳細調査/定期報告調査
- ●●の他国(複数)における規制状況調査
- 細かな質問への適宜対応が可能な年間相談サービス
- 世界複数ヵ国における●●の比較調査 など