スマートシティ構想をより効果的に進めるため、投資促進内容をさらに充実したものに変更
投資委員会(BOI)は「投資資委員会布告 第Sor.4 / 2565号 スマート工業団地またはスマート工業区への投資促進内容の改訂」を2022年8月8日に発出、即日施行され、同年9月8に官報に掲載されました。
この布告はスマートシティ構想をより効果的に進めることを目的とし、国内のスマート工業団地及びスマート工業区への投資促進内容の改訂をしたものです。
スマートシティ構想とは
この告示のもととなっているスマートシティ構想とは、ICT(Information and Communication Technology、情報通信技術) を用いて都市のインフラ(交通、医療、電力など)の質を向上させ社会問題を解決することで人々に質の高いQOLを提供できる持続可能な社会の実現を目指すもので、2000年代のヨーロッパから始まりこの20年で日本を含め世界各地で注目を集め、実証実験が行われている考えです。
タイにおいてもこのスマートシティ構想は先にタイ政府が国家戦略として掲げた新経済政策「タイランド4.0」実現に繋がる重要なファクターと捉えられ、2018年頃より活動が本格化しており、タイ投資委員会(BOI)ではスマートシティの開発に向けた事業に恩典を付与することを2018年12月28日に制定、「投資委員会布告 第Sor.7/2561号 スマートシティ開発事業奨励について」として発出されています。
上記で述べられている新経済政策「タイランド4.0」は2015年に提示されたものです。タイが高所得国として名を連ねることを念頭に置き、今後20年をかけて目指す長期的な経済社会のビジョンのことを指すもので、最終年を2036年としています。
今回の布告による改訂増補
この布告は2018年12月28日付「投資委員会布告 第Sor.7/2561号 スマートシティ開発事業奨励」で改訂増補された、2014年12月3日付「投資委員会布告 第2/2557号 投資奨励政策および基準」の巻末に添付された投資奨励事業種表の第7類「7.9.3:スマート工業団地または工業区」について、下記改訂増補するものです。
・「業種7.9.3.:スマート工業団地または工業区」については下記改訂増補
・「業種7.32: スマートシステム開発事業」についてはこれを取り下げ、新たに「業種7.32.1:スマートシティシステム開発事業」 及び「業種7.32.2:スマート工業団地、スマート工業区」の2つに分類
■業種 7.9.3.:スマート工業団地または工業区(恩典区分:A2)の条件変更点
| 今回からの条件(変更後) | 変更前の条件 |
| 2.地域内に次の5つのスマートサービスを有すること。 ・スマートファシリティ(Smart Facility) ・スマートIT (Smart IT) ・スマートエネルギー(Smart Energy) ・スマート経済(Smart Economy) ※上記4つのサービスに加え、下記3つのサービスの中から ひとつを選ぶこと。 ・スマート・グッド企業統治(Smart Good Corporate Governance) ・スマート生活(Smart Living) ・スマート労働力(Smart Workforce) |
2.地域内に次の7つのスマートサービスを有すること。 ・スマートモビリティ(Smart Mobility) ・スマート人材(Smart People) ・スマート生活(Smart Living) ・スマート経済(Smart Economy) ・スマートガバナンス(Smart Governance) ・スマートエネルギー(Smart Energy) ・スマート環境(Smart Environment) |
| 3. 投資奨励申請書提出の前に、スマート工業団地またはスマート工業区開発計画として、タイ工業団地公社(IEAT)、投資委員会(BOI)事務局からなる合同委員会の同意を得ること。 | 3.投資奨励申請書提出の前に、スマートシティ開発関係委員会または機関の同意を得ること。 |
| 4.この項目は除外となっており、記載なし。 | 4.バンコクおよびサムットプラカーン県内は奨励対象外とする。 |
| 4.土地面積が250ライ以上あること。 | (前回)5.土地面積が500ライ以上あること。 |
| 6 自身で運営、もしくは提供する場合においてその他の条件は以下の通りとする。 6-1.基幹道路 -路面積が250ライを超え、1,000ライまでの場合は、2車線あり、道幅が最低20メートルで、路面幅が最低7メートルであり、両側にそれぞれ2メートル以上の歩道があり、緊急駐車のための十分な路肩があること。 |
(前回)7.その他の条件は以下の通りとする。 (前回)7-1. 基幹道路 -路面積が500ライを超え、1,000ライまでの場合は、2車線あり、道幅が最低20メートルで、路面幅が最低7メートルであり、両側にそれぞれ2メートル以上の歩道があり、緊急駐車のための十分な路肩があること。 |
| 7.(今回追加の項目) 同意を得た事業は最初に収入を得た日から5年以内に完了しなければならない。 |
7.前回記載なし。 |
| 8.(今回追加の項目) EEC(東部経済回廊、Eastern Economic Corridor)内に立地する場合は、法人税免除期間終了後、さらに5年間にわたり法人所得税を50%減税する。 |
8.前回記載なし。 |
またこの布告では、既存の一般事業でまだスマート工業団地、もしくは工業区の業種区分に入っていない事業、あるいは以前法人税の優遇措置を受けていたものの、すでにその期限が切れている事業などが業種 7.9.3.:スマート工業団地または工業区として投資促進を受けたい場合の条件についても言及されています。
■業種 7.32:スマートシティのシステム開発事業(恩典区分:A2、A3)の条件変更点
今回の布告で「業種7.32:スマートシティのシステム開発事業」の業種の区分がさらに分類され、「業種7.32.1スマートシステム開発事業、スマートシティシステム開発事業」「業種7.32.2スマートシステム開発事業、スマート工業団地、スマート工業区」の2つとなっています。詳細、条件の変更点は以下の通りです。
| 今回からの条件(変更後) | 変更前の条件 |
| 業種7.32: スマートシステム開発事業 業種7.32.1:スマートシティのシステム開発事業(恩典区分:A2) 業種7.32.2: スマート工業団地、スマート工業区(恩典区分:A2) |
業種7.32: スマートシティのシステム開発事業 |
| 1.委員会が指示した以下のスマートシティサービスなどのうち、適切なサービスを一つ以上開発、設置、提供すること。 ・スマートモビリティ(Smart Mobility) ・スマート人材(Smart People) ・スマート生活(Smart Living) ・スマート経済(Smart Economy) ・スマートガバナンス(Smart Governance) ・スマートエネルギー(Smart Energy) ・スマート環境(Smart Environment) 2. 7.32.1: 委員会またはスマートシティ開発機関が同意したスマートシティ開発の一部として見做されていること。 7:32.2: タイ工業団地公社(IEAT)、投資委員会(BOI)事務局からなる合同委員会が同意したスマート工業団地、スマート工業区の一部として見做されていること。 ※右記第3項目は削除、第4項目が第3項目(下記)となっており、どのスマートサービスを有するかにかかわらず恩典はA2となっています。 3.EEC(東部経済回廊、Eastern Economic Corridor)内に立地する場合は、法人税免除期間終了後、さらに5年間にわたり法人所得税を50%減税する。 |
1.委員会が指示した以下のスマートシティサービスなどのうち、適切なサービスを一つ以上開発、設置、提供すること。 ・スマートモビリティ(Smart Mobility) ・スマート人材(Smart People) ・スマート生活(Smart Living) ・スマート経済(Smart Economy) ・スマートガバナンス(Smart Governance) ・スマートエネルギー(Smart Energy) ・スマート環境(Smart Environment) 2. 委員会またはスマートシティ開発機関が同意したスマートシティ開発の一部として見做されていること。 3.以下の恩典を付与する。 ・スマートシティ開発事業の一部と見做され、7つのスマートサービスが揃っている場合:恩典A2 ・スマートシティ開発事業の一部と見做され、7つのスマートサービスが揃っていない場合:恩典A3 4.EEC(東部経済回廊、Eastern Economic Corridor)内に立地する場合は、法人税免除期間終了後、さらに5年間にわたり法人所得税を50%減税する。 |
上記の表中にある「EEC(東部経済回廊、Eastern Economic Corridor)」とはチャチュンサオ、チョンブリ、ラヨーンの東部3県に最先端技術産業を中心とした産業を誘致、経済特区を整備する事業を指し、スマートシティ構想と共に前述の新経済政策「タイランド4.0」の中核を担っているものです。
各関係事業者はこの布告にご留意ください。
参考
投資資委員会布告 第Sor.4 / 2565号 スマート工業団地またはスマート工業区への投資促進内容の改訂
スマートシティ構想とは Digital Platform and Service Promotion Department (depa)
タイランド4.0とは Royal Thai Embassy, Washington D.C.
注目情報一覧
新着商品情報一覧
調査相談はこちら
概要調査、詳細調査、比較調査、個別の和訳、定期報告調査、年間コンサルなど
様々な調査に柔軟に対応可能でございます。
- ●●の詳細調査/定期報告調査
- ●●の他国(複数)における規制状況調査
- 細かな質問への適宜対応が可能な年間相談サービス
- 世界複数ヵ国における●●の比較調査 など