航海上の危険や環境へ影響を及ぼす恐れのある船舶内での火災や爆発を防止するため
この告示は「港湾局告示第184号 / 2565 海洋タンカーの安全と事故防止対策について(液化ガス、真水、アスファルトを運ぶ船舶を除く)」として2022年10月3日に官報に掲載され、官報公布180日後より施行されるものです。
告示の背景
タイでは今年に入ってからも下記3件のタンカー事故が発生していますが、この告示は航海上の危険や環境への影響を及ぼす恐れのある、船舶内での火災や爆発を防止するためのタンカーの安全と事故防止対策を目指すものとして公表されました。
2022年タイで起こった海洋タンカー事故
1月25日:ラヨーン県で石油タンカーの係留所から油漏れが発生し40万リットルの大規模な石油流出。
3月9日:サムットプラカーン県にある国営石油会社の石油化学メーカー、IRPCの埠頭で停泊中のタンカーで爆発が起き火災が発生。
3月27日:チャオプラヤ川の河口付近を航行していたタイ船籍のタンカーの船首部分で爆発、火災が発生。
この告示のもととなった法律と条例
この告示は下記の法律と条令に則り発出されました。
・仏暦2456年(西暦1913年)タイ水域航行法 改訂増補版 第139条、第 158 条、第160条、第170条、および第291条
・仏暦2528年(西暦1985年)船舶検査条例(第15版)海洋船舶検査規定 第C項 第18.1条(1)(5)、第20条
・仏暦2559年(西暦2016年)船舶検査条例 海洋生物の安全性に関する証明書発行方法と条件の原則
告示の内容
今回対象の海洋タンカーからは 液化ガス、真水、アスファルトを運ぶ船舶は除外するもので、内容は下記になります。
■ 総重量500トン以上の海洋タンカーに設置が求められるガス検知器:
・ガス、可燃性蒸気(Flammable vapour)、酸素(Oxygen)を検知できる携帯ガス検知器を少なくとも2台設置。定期的に検査、メンテナンスを行うこと。
・ガス、可燃性蒸気(Flammable vapour)、酸素(Oxygen)を検知できるパーソナルガス検知器を少なくとも2台設置すること。
■ 総重量500トン未満の海洋タンカーに設置が求められるガス検知器:
ガス、可燃性蒸気(Flammable vapour)、酸素(Oxygen)を検知できる携帯ガス検知器、もしくは同等の検知が可能で、代替品として使用できるパーソナルガス検知器のうち少なくとも2台設置すること。
■ タンカー会社は適合証書(Document of Compliance: DOC、※1)を用意すること。また、総重量500トン以上の油送船の場合はIMSコード(※2)の強制適用を義務付けているSOLAS条約(海上人命安全条約)第9章「船舶の安全運航管理」に則り、安全管理証書(Safety Management certificate: SMC※3)を用意すること。
■ タンカー船舶管理会社は集中的な船舶検査を行うための船舶手配を速やかに行う。
■ この告示に違反する船舶は、運航するための安全性、適性がない状態である、もしくは、船舶に装備されている器具設備が正しく装備されていないか、適切に使用できる状態でないものとみなし、仏暦2456年(西暦1913年)タイ水域航行法 改訂増補版第139条及び第160条に則り、港湾管理者がその運航を審議する。
港湾局告示第184号 / 2565 海洋タンカーの安全と事故防止対策について(液化ガス、真水、アスファルトを運ぶ船舶を除く)」より抜粋、仮訳
今回の告示内の文言についての補足
※1:適合証書(Document of Compliance: DOC)
船級協会から発行された、タンカー会社がISMコードを遵守していることを証明する証書のこと。
(船級協会とは船舶の船体・機関等の構造や状態が良好であることを検査し、公式に証明する機関で、各国で設立されている機関のこと)
※2:IMSコード
SOLAS条約に付属する強制コードのひとつで、船舶の安全運航・汚染防止の為の国際安全管理コードのこと。その目的は海上における安全、傷害または人命の損失並びに環境と財産の損害回避を確実に行うことにある。
※3:安全管理証書(Safety Management certificate: SMC)
船級協会から発行された証明書で、船舶がISMコードを遵守していることを証明するもの。
参考
港湾局告示第184号 / 2565 海洋タンカーの安全と事故防止対策について(液化ガス、真水、アスファルトを運ぶ船舶を除く) 2022年8月17日発出、10月3日官報公布
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