環境基本法に基づく告示の一部改正
2021年10月07日、環境基本法の第16条に基づいて定められている告示を改正する「水質汚濁に係る環境基準についての一部を改正する件」と「地下水の水質汚濁に係る環境基準についての一部を改正する件」告示が公布されました。六価クロムと大腸菌数の環境基準の見直しが焦点となっています。
水質汚濁に係る環境基準についての一部を改正する件
六価クロムの環境基準改正
| 項目名 | 新たな基準値 | 現行の基準値 |
| 六価クロム | 0.02 mg/L以下 | 0.05 mg/L以下 |
六価クロムの測定方法の改正
新たに規定された測定方法は次の通りです。
日本産業規格 K0102(以下「規格」という。)65.2(規格65.2.2 及び 65.2.7 を除く。)に定める方法(ただし、次の1から3までに掲げる場合にあつては、それぞれ1から3までに定めるところによる。)
1.規格 65.2.1 に定める方法による場合 原則として光路長 50mm の吸収セルを用いること。
2.規格 65.2.3、65.2.4 又は 65.2.5 に定める方法による場合(規格 65.の備考 11 の b)による場合に限る。) 試料に、その濃度が基準値相当分(0.02mg/L)増加するように六価クロム標準液を添加して添加回収率を求め、その値が 70~120%であることを確認すること。
3.規格 65.2.6 に定める方法により汽水又は海水を測定する場合 2に定めるところによるほか、日本産業規格K0170-7の7の a)又は b)に定める操作を行うこと。
大腸菌数の環境基準改正|河川
| 類型 | 利用目的の適応性 | 大腸菌数環境基準値[90%水質値] |
| AA | 水道1級自然環境保全及びA以下の欄に掲げるもの | 20 CFU/100ml以下 |
| A | 水道2級水浴及びB以下の欄に掲げるもの | 300 CFU/100ml以下 |
| B | 水道3級及びC以下の欄に掲げるもの | 1,000 CFU/100ml 以下 |
備考:
1 大腸菌数に係る基準値については、90%水質値(年間の日間平均値の全データをその値の小さいものから順に並べた際の 0.9×n番目(nは日間平均値のデータ数)のデータ値(0.9×nが整数でない場合は端数を切り上げた整数番目の値をとる。))とする(湖沼、海域もこれに準ずる。)。
2 水道1級を利用目的としている地点(自然環境保全を利用目的としている地点を除く。)については、大腸菌数 100CFU/100ml 以下とする。
3 水産1級、水産2級及び水産3級については、当分の間、大腸菌数の項目の基準値は適用しない(湖沼、海域もこれに準ずる。)。
4 大腸菌数に用いる単位はCFU(コロニー形成単位(Colony Forming Unit))/100ml とし、大腸菌を培地で培養し、発育したコロニー数を数えることで算出する。
大腸菌数の環境基準改正|湖沼
| 類型 | 利用目的の適応性 | 大腸菌数環境基準値 [90%水質値] |
| AA | 水道1級自然環境保全及びA以下の欄に掲げるもの | 20 CFU/100ml以下 |
| A | 水道2、3級水浴及びB以下の欄に掲げるもの | 300 CFU/100ml以下 |
備考:
1 水道1級を利用目的としている地点(自然環境保全を利用目的としている地点を除く。)については、大腸菌数 100CFU/100ml 以下とする。
2 水道3級を利用目的としている地点(水浴又は水道2級を利用目的としている地点を除く。)については、大腸菌数 1,000CFU/100ml 以下とする。
3 大腸菌数に用いる単位はCFU(コロニー形成単位(Colony Forming Unit))/100ml とし、大腸菌を培地で培養し、発育したコロニー数を数えることで算出する。
大腸菌数の環境基準改正|海域
| 類型 | 利用目的の適応性 | 大腸菌数環境基準値 [90%水質値] |
| A | 水浴自然環境保全及びB以下の欄に掲げるもの | 300 CFU/100ml以下 |
| A | 水道2、3級水浴及びB以下の欄に掲げるもの | 300 CFU/100ml以下 |
備考:
1 自然環境保全を利用目的としている地点については、大腸菌数 20CFU/100ml 以下とする。
2 大腸菌数に用いる単位はCFU(コロニー形成単位(Colony Forming Unit))/100ml とし、大腸菌を培地で培養し、発育したコロニー数を数えることで算出する。
大腸菌数の測定方法の改正
1 試薬
(1) 水
日本産業規格K0557 に規定するA1、A2、A3又はA4のもの
(2) 特定酵素基質寒天培地
酵素基質5-ブロモ-4-クロロ-3-インドリル-β-D-グルクロニド(X-GLUC)を含む特定酵素基質寒天培地(注1)
(3) 水酸化ナトリウム
日本産業規格K8576 に定めるもの
(4) 水酸化ナトリウム溶液(1mol/L)
水酸化ナトリウム約 40gを水に溶かして 1,000ml としたもの
(5) 塩酸
日本産業規格K8180 に定めるもの
(6) 塩酸(1mol/L)
塩酸約 85ml を水に溶かして 1,000ml としたもの
(7) ペプトン
微生物試験用のもの
(8) 滅菌ペプトン水
ペプトン 1.0gを水約 950ml に溶かした溶液を、水酸化ナトリウム溶液(1mol/L)又は塩酸(1mol/L)で高圧蒸気滅菌(121℃で 15 分間行う高圧蒸気滅菌をいう。以下同じ。)後のpH が 6.9~7.1 になるよう調整した後、水を加えて全量を 1,000ml とし、高圧蒸気滅菌したもの
(9) りん酸二水素カリウム
日本産業規格K9007 に定めるもの
(10) 滅菌りん酸塩緩衝希釈水
りん酸二水素カリウム 42.5gに溶かした溶液を、水酸化ナトリウム溶液(1mol/L)で pHを 7.2 に調整し、水を加えて全量を 1,000ml とした後、この溶液の1ml を水に溶かして 1,000mlとし、高圧蒸気滅菌したもの
(11) 塩化ナトリウム
日本産業規格K8150 に定めるもの
(12) 滅菌生理食塩水
塩化ナトリウム 8.5gを水に溶かして 1,000ml とし、高圧蒸気滅菌する。
(13) 希釈水
滅菌ペプトン水、滅菌りん酸塩緩衝希釈水、滅菌生理食塩水のいずれかとする。
(注1) 大腸菌数試験用の特定酵素基質寒天培地として以下の組成の培地が市販されている。ここで示す培地の組成は、この測定試験法使用者の便宜のために、一般に入手できるものとして例示したが、この組成の培地を推奨するものではなく、これと同等以上の品質、性能を有すると確認された培地を用いてもよい。培地の組成(培地1Lあたり)
ペプトン
ピルビン酸ナトリウム
L-トリプトファン
D-ソルビトール
塩化ナトリウム
りん酸二水素ナトリウム
りん酸一水素ナトリウム
硝酸カリウム
ラウリル硫酸ナトリウム
5-ブロモ-4-クロロ-3-インドリル-β-D-グルクロニド(X-GLUC)
5-ブロモ-6-クロロ-3―インドリル-β-D-ガラクトピラノシド(MAGENTA-GAL)
寒天10g
1.0g
1.0g
1.0g
5.0g
2.2g
2.7g
1.0g
0.20g
0.10g
0.10g
15g2 器具及び装置(注2)
(1) 計量器具(メスピペット、有栓シリンダー、希釈瓶等)
高圧蒸気滅菌したもの又は同等の性能で滅菌したもの
(2) メンブランフィルターろ過装置
ファンネル及びフィルターホルダーは高圧蒸気滅菌したもの又は同等の性能で滅菌したもの
(3) メンブランフィルター
直径 47mm、孔径 0.45μm の円形のメンブランフィルターで高圧蒸気滅菌したもの
(4) ペトリ皿
ガラス製で、約 170℃で約1時間乾熱滅菌したもの、又は日本産業規格K0950 に定めるプラスチック製滅菌シャーレ
(5) 恒温装置
装置内の温度を 37℃付近に調節できるもの
(6) 拡大鏡
2倍程度の拡大倍率をもつもの
(注2) 市販の滅菌済みの器具及び装置を用いてもよい。3 試料の採取及び保存
試料は、滅菌した密封できる容器に採取し、速やかに試験する。試料採取後直ちに試験ができないときは、0~5℃(凍結させない)の暗所に保存し、9時間以内に試験することが望ましく、12 時間以内に試験する。
なお、希釈に用いる検水の量を考慮し、十分な採水量を確保するように努める。4 試験操作
(1)培地の調製
(a) 培地の粉末を三角フラスコ等に量りとり、かき混ぜながらゆつくり水を加え分散させる。
(b) 沸騰水中で寒天が完全に溶けるまで加熱を繰り返す(注3)。
(c) 寒天が溶解した後で速やかに 50℃程度に冷却し、培地の厚さが5mm 程度になるようにペトリ皿に分注し、寒天を凝固させる。
(注3) 培地の種類によつて培地調整時に滅菌操作が必要となる場合は、高圧蒸気滅菌を行う。(2)検水の調製
検水量は 100ml とし、メンブランフィルター上のコロニー数が 100 を超えると予想される場合は希釈し、メンブランフィルター上のコロニー数を 20~100 個程度とする(注4)。希釈の操作は次の例による。
(a) 希釈瓶(注5)に希釈水を 90ml 入れる。
(b) 10 倍希釈の場合は、希釈水 90ml が入つた希釈瓶に検水 10ml をメスピペットで採り、十分に振り混ぜる(注6)(注7)。
(c) 100 倍希釈する場合は(a)(b)に従つて操作し、(b)から 10ml 採り、希釈水 90ml が入つた希釈瓶に入れ、十分に振り混ぜる。
(d) さらに希釈する場合は、同様な操作を行つて希釈を繰り返す。
(注4) 10 倍や 100 倍など 10 倍ごとの数段階の検水を調製する。
(注5) 使用する元の検水量が少ない場合は試験管を用い、9ml の希釈水に1ml の検水を加えてもよい。
(注6) メスピペットはその都度、滅菌済みのものを用いる。
(注7) 希釈した後の検水は微生物が増殖や死滅を起こすことがあるため、調製後は速やかに操作を行う。(3) ろ過
(a) 滅菌済みのフィルターホルダーを吸引瓶に取り付け、ピンセットを用いてメンブランフィルターをフィルターホルダー上に置き、ファンネルをつけて固定する。
(b) 検水を振り混ぜて均一化し、適量(注8)を有栓シリンダー等(注9)に採り、ファンネル内に注いで吸引ろ過する。
(c) ろ過した後に希釈水を用いて有栓シリンダー及びファンネルの内壁を2~3回洗浄し、吸引ろ過する。
(注8) 1枚のメンブランフィルターで吸引ろ過する検水量は 40ml 以上を基本とするが、土粒子による濁りに起因するコロニーの滲みにより、計数が困難となることが予想される場合は、1枚で吸引ろ過する検水量を 40ml 未満とし、複数のメンブランフィルターを用いて吸引ろ過の回数を増やすこととする。
(注9) 検水量に応じて適切な器具を使用する。(4) 培養
(a) 検水をろ過したメンブランフィルターを、ろ過面を上にして培地上に気泡ができないように密着させる。
(b) ペトリ皿に上皿を被せて、倒置する。
(c) 37℃付近の恒温装置に倒置した状態で 24 時間程度培養する(注 10)。
(注 10) 培養温度と時間は使用する培地の使用説明書を参照する。(5) 菌数の計数
(a) 培養後、拡大鏡を用いてフィルター上の青色のコロニーを数える(注 11)。
(b) 次の式から試料中の大腸菌数を算出する (注 12)(注 13)(注 14)。
a=(m/V)×P×100
a 試料 100ml 中の大腸菌数
m フィルター上の大腸菌コロニー数
V ろ過に用いた検水量(ml)
P 希釈倍率
(注 11) 大腸菌が特異的に保有・産生する酵素β-グルクロニダーゼと、培地の成分である酵素基質 X-GLUC とが反応して青色を呈するため、大腸菌は青みを帯びた色のコロニーとなる。一方、大腸菌群が保有・産生する酵素β-D-ガラクトシダーゼと反応して赤色を呈する酵素基質5-ブロモ-6-クロロ-3-インドリル-β-D-ガラクトピラノシド (MAGENTA-GAL)又は6-クロロ-3-インドリル-β-D-ガラクトピラノシド(Salmon-β-D-GAL)が含まれている培地については、大腸菌群は赤みを帯びた色のコロニーとなつて両者の識別が可能となる。培地の組成によりコロニーの色調が異なることがあるため、コロニーの色調や識別に際しては使用する培地の使用説明書を参照する。
(注 12) 1つの試料につき(3)~(5)の操作を2回以上繰り返し試験として行い、得られた全ての結果(希釈試料の場合には、原則としてコロニー数が 20~100 個のもの)を算術平均する。ただし、粒子や大きなコロニーが重なり合うなど計数しにくいときは、状況に応じてより計数しやすいフィルターを適宜選択する。
(注 13) 数値の丸め方は日本産業規格Z8401 のとおりとする。
(注 14) 試験結果の単位はCFU(コロニー形成単位(Colony Forming Unit の略))/100mlとする。(6) 空試験
ろ過に用いた検水量と同量の希釈水を用い、(3)~(5)の操作を1回行い、結果を整理しておくことが望ましい。
地下水の水質汚濁に係る環境基準についての一部を改正する件
六価クロムの環境基準改正
| 項目名 | 新たな基準値 | 現行の基準値 |
| 六価クロム | 0.02 mg/L以下 | 0.05 mg/L以下 |
六価クロムの測定方法の改正
上述の改正内容を参照。
参考|環境基本法 第16条
第十六条 政府は、大気の汚染、水質の汚濁、土壌の汚染及び騒音に係る環境上の条件について、それぞれ、人の健康を保護し、及び生活環境を保全する上で維持されることが望ましい基準を定めるものとする。
2 前項の基準が、二以上の類型を設け、かつ、それぞれの類型を当てはめる地域又は水域を指定すべきものとして定められる場合には、その地域又は水域の指定に関する事務は、次の各号に掲げる地域又は水域の区分に応じ、当該各号に定める者が行うものとする。
一 二以上の都道府県の区域にわたる地域又は水域であって政令で定めるもの 政府
二 前号に掲げる地域又は水域以外の地域又は水域 次のイ又はロに掲げる地域又は水域の区分に応じ、当該イ又はロに定める者
イ 騒音に係る基準(航空機の騒音に係る基準及び新幹線鉄道の列車の騒音に係る基準を除く。)の類型を当てはめる地域であって市に属するもの その地域が属する市の長
ロ イに掲げる地域以外の地域又は水域 その地域又は水域が属する都道府県の知事
3 第一項の基準については、常に適切な科学的判断が加えられ、必要な改定がなされなければならない。
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