国際|バーゼル条約、第15回実施・遵守委員会会合(ICC-15)

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国際|バーゼル条約、第15回実施・遵守委員会会合(ICC-15)

2024-2025年の作業計画案を作成

2022年11月14日から17日まで、有害廃棄物の越境移動管理に係わるバーゼル条約のもと、実施・遵守委員会の第15回会合(ICC-15)が開催されました。

概要

■ 委員会は、8 件の特定提出文書、実施と遵守の一般問題、および2024-2025年作業計画案を検討

■ 委員会は、14の既存提出物のうち、クック諸島ガボン、リベリア、モーリタニア、ナウル、シリア・アラブ共和国による国家報告の困難さに関する事務局による6つの提出物と、中央アフリカ共和国とトーゴによるバーゼル条約実施法的枠組みの開発の困難さに関する2つの当事者自己提出物を含む8つを引き続き検討

■ 提出文書を検討した後、委員会は8件の決定を採択し、そのうちの1件は、リベリアの国別報告書遵守の困難さに関する懸念事項が解決されたと決定

■ 追加の6件の提出文書は、会議中に検討の優先順位が付けられず、作業が継続されている(ブルキナファソ、チャド、赤道ギニア、ニジェール、セントビンセントおよびグレナディーン、スーダン)

■ 委員会は事務局に対し、まだカントリーコンタクトを指定していないグレナダとの協議を開始するよう促した

■ 委員会は、特に以下の点について、第 16 回締約国会議までの作業の指針となる結論に合意

-国別報告書による遵守実績の分類
-違法な交通に関連するものを含め、条約を実施する法律のレビュー
-国別報告、違法な交通の防止と対策、法整備の面で締約国を支援することを目的とした活動の監視
-締約国の協力枠組みに実施ニーズの統合を組み込む

■ 第16回締約国会議で検討するための勧告と、2022-2023年の作業計画に基づく2024-2025年の作業計画案を作成

Basel条約とは?

Basel条約とは、有害廃棄物の越境移動(輸出入)を国際的に管理・規制するための枠組みです。1989年にバーゼルで行われた会合で採択されたことで「バーゼル条約」として知られています。1992年05月に発効し、締約国は180ヵ国以上となっています。

有害廃棄物とは?

条約の中では「廃棄物」の一般的な定義を設けていますが、特に焦点となるのは第1条で規定している「有害廃棄物(hazardous wastes)」です。附属書I「管理される廃棄物カテゴリー」に特定されているカテゴリーに属し、附属書III「有害特性リスト」に含まれるいずれかの特性を有するものが「有害廃棄物」とみなされます。

また、それに該当しなくても各国国内法で有害廃棄物と定義されてているものも含まれることが明記されています。有害廃棄物のほかに、「その他の廃棄物(other wastes)」も規定されており、附属書II「特別な考慮を必要とする廃棄物カテゴリー」に特定されているカテゴリーに含まれ、越境移動するものが該当します。

バーゼル条約の規制対象はこの「有害廃棄物」と「その他の廃棄物」となります。

■ 有害廃棄物|附属書Iに特定されているカテゴリーに属し、附属書IIIに含まれるいずれかの特性を有するもの

■ その他の廃棄物|附属書IIに特定されているカテゴリーに含まれ、越境移動するもの

何が規制対象になるのか、あるいはならないのかの明確化のために、附属書VIIIとIXではそれぞれリストとして整理されています。

■ 附属書VIII| 第1条第1項(a)で規定する有害廃棄物に「該当する」廃棄物リスト


■ 附属書IX|第1条第1項(a)で規定する有害廃棄物に「該当しない」廃棄物リスト

規制内容は?

主な規制内容としては、

・有害廃棄物およびその他の廃棄物の輸出には輸入国への事前の通達と同意が必要(第6条)

・締約国に国内における 有害廃棄物およびその他の廃棄物の発生を最小限に抑え、 有害廃棄物およびその他の廃棄物の環境上適正な処分のために可能な限り国内の処分施設が利用できるようにする措置を求める要件(第4条)

・非締約国との 有害廃棄物およびその他の廃棄物 の輸出入を原則禁止(第4条)

・有害廃棄物およびその他の廃棄物 の運搬及び処分は、許可された者のみが行うことができる仕組み(第4条)

・有害廃棄物およびその他の廃棄物の越境移動の際は適切な書類の添付が必要(第4条)

などが挙げられます。

条約と締約国

条約の締約国は、各国の国内法令に条約の内容を反映させる形で履行する形になります。日本の場合は廃棄物処理法やバーゼル法などに反映され、EUでは有害廃棄物移動規則などに反映されます。

企業コンプライアンス上、関心が高いのは、規制対象になる廃棄物は何か、新しく何が追加されるのか、という点だと思われます。附属書への新たな廃棄物の追加は、開放型ワーキンググループ(OEWG)での事前検討や締約国会議での検討を通じて決定されます。

決定(Decision)という形で公表され、条約の改訂がなされれば、それまでの決定が条約に反映されます。最新改訂版以降の決定については、個別に決定を確認しなければなりません。

ここ数年で広く知られることとなった例としては、「汚れたプラスチックごみ」が規制対象の廃棄物に追加されたこと、そしてのその詳細な解釈については締約国に委ねられたことが挙げられます。

追加自体は2019年の第14回締約国会議(COP14)でなされましたが、日本を例にあげると、その解釈について公的文書が発行されたのは2020年10月となっています(【参考】プラスチックの輸出入に係るバーゼル法該非判断基準)。

なお、日本政府では、経済産業省や環境省が事前相談窓口を設けており、日本から輸出する場合、日本へ輸入する場合など、企業が事前にバーゼル法および外為法関連事項について相談できるようになっています。相手国への通達は企業ではなく、国(当局)から国(当局)へ行われるため、企業は国へ申請し承認を得る形になります。

他方で、もし相手国や取引先の国、製品を上市している国や工場操業している国などの有害廃棄物規制に関心がある場合には、当社で規制調査対応が可能ですのでお気軽にご相談ください。

条約とOECD

バーゼル条約は1995年に禁止改正(Ban Amendment)が採択され、第4a条と附属書VIIが追加され、最終処分、再利用、リサイクルおよび回収を目的とした附属書VII収載国から、その他すべての国へのの有害廃棄物の輸出が禁止されることなり、2019年12月に発効しています。

ここで附属書VIIで特定されている国に、経済協力開発機構(OECD)加盟国が含まれています。

但し、バーゼル条約とは別に、OECD理事会決定 [OECD/LEGAL/0266] により、加盟国間の回収作業を目的とした廃棄物の越境移動は、OECD内の特定の管理システムのもとで監督・管理する仕組みもあります。1992年に採択され、2021年01月01日版が公表されている理事会決定では、加盟国間の廃棄物越境移動の管理について規定しています。

具体的には廃棄物を「グリーン管理手続き」対象廃棄物と「アンバー管理手続き」対象廃棄物に分類し、それぞれの要件を定めています。

■ グリーン管理手続き対象廃棄物|付録3収載廃棄物 (懸念の程度:低)⇒ 要件:少

■ アンバー管理手続き対象廃棄物|付録4収載廃棄物 (懸念の程度:高)⇒ 要件:多

(アンバー管理手続き対象廃棄物の要件例)

- 輸出前に輸出者は所管官庁へ事前通達(必要情報は付録8.A等で指定)
- 必要に応じて取引契約書(回収施設との契約等)の提出
- 同意期間中の越境移動
- 回収施設は受領後3日以内に移動文書の署名入り写しを輸出者並びに輸出国、通過国及び輸入国の管轄当局に返送
- 回収施設は、移動文書の原本を3年間保管
- 回収施設は、回収完了後30日以内、かつ廃棄物受領後1暦年以内に、回収証明書を輸出者および輸出入国の所管当局に郵送、デジタル署名付き電子メール等で提出 など

バーゼル条約・OECD理事会決定・各国国内法

上記に見るように、有害廃棄物の越境移動に係る規制は非常に複雑です。バーゼル条約締約国かどうか、OECD加盟国かどうかに加え、各国国内法の規定などが様々に絡み合っています。例えば、OECD理事会決定に基づく管理は、OECD非加盟国には適用されません。

しかし、バーゼル条約の締約国でないOECD加盟国(例:米国)にはOECD理事会決定は適用されることになる点に注意が必要です。

これらの関係性を整理した内容が経済産業省より公表されているため、参照を推奨いたします。

■ バーゼル条約・バーゼル法の規制対象物、仕組み、手続き等/経済産業省

参考

■ ICC-15/UN

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