2023~2027年の5年間を対象
2022年11月15日、国連環境計画(UNEP)は、COP27において、「UNFCCC技術メカニズムの共同作業計画(2023~2027年)」が発表されたことを報じました。途上国での気候技術ソリューションを推進するための新しい5年間の作業計画であるとしています。
これは、国連気候変動枠組み条約(UNFCCC)とパリ協定に基づく技術メカニズムの2つの機関である技術執行委員会(TEC)と気候技術センター・ネットワーク(CTCN)が、気候変動に取り組むために緊急に必要とされる変革的気候技術の展開を加速させるために立ち上げたものと説明されています。
概要
■ 技術メカニズムの新しい共同作業計画は、2023年から2027年までの作業を対象としています。
■ TECとCTCNは、技術ロードマップ、ジェンダーと技術、技術とNDC、デジタル化に関する作業、国家イノベーションシステム、産業、水・エネルギー・食糧ネクサスを含む両機関の共通作業分野など、特定の共同活動を実施することが予見されています。
目次
I. Introduction
A. Technology Mechanism
B. Technology framework and the Glasgow climate pact
C. Scientific context
D. Activities of the Technology Mechanism
II. Purpose
III. Joint activities and common areas of work of the Technology Executive Committee and the Climate Technology Centre and Network
A. Joint activities
1. Technology roadmaps
2. Digitalization
3. Continuing joint activities
A. Common areas of work
1. National Systems of Innovation
2. Water-Energy-Food systems
3. Energy systems
4. Buildings and resilient infrastructure
5. Business and Industry
6. Technology Needs Assessment
B. Other areas
IV. Rolling Workplan of the Technology Executive Committee
V. Programme of Work of the Climate Technology Centre and
Network
気候変動枠組条約 とは?
国連気候変動枠組条約(UNFCCC)とは、大気中の温室効果ガスの濃度を安定化させることを目標に様々な取り組みをするための枠組みです。1992年に合意され、1994年03月に発効しました。190ヵ国以上の締約国を有しています。
条約では全ての国を一律に扱うのではなく、途上国と先進国、資金協力に関連した区分を設けています。
■ 附属書 I 国=温室効果ガス削減目標に言及のある国(先進国及び市場経済移行国)
■ 非附属書 I 国=温室効果ガス削減目標に言及のない途上国
■ 附属書 II 国=非附属書I国による条約上の義務履行のため資金協力を行う義務のある国(先進国)
1995年から開始されている締約国会議(COP)において、国際的に拘束力を有する合意(約束事)が採択されることがあります。それぞれ議定書や協定という形で示され、その中で取り組むべきことや目標、そのための仕組みなどが設けられています。
代表的なものには次のものがありますが、それぞれについて、条約とは別に批准するかどうか、参加するかどうかは国毎の判断に依拠します。即ち、それぞれについて締約国の整理がなされています。
■ 京都議定書|1997年のCOP3で採択(2005年発効)
-1990年比の温室効果ガス排出削減目標を設定|第一約束期間(2008~2012年)と第二約束期間(2013~2020年)で設定
-京都メカニズムの導入
> 排出量取引制度|先進国間での排出枠の取引
> 共同実施|先進国間の共同プロジェクトで生じた削減量を国家間でやり取り
> クリーン開発メカニズム|先進国と途上国の間の共同プロジェクトで生じた削減量を当該先進国が獲得
■ パリ協定|2015年のCOP21で採択(2016年発効)、2018年のCOP24では実施指針が採択
-世界全体の平均気温の上昇を工業化以前よりも2℃高い水準を十分に下回るものに抑える目標
-世界全体の平均気温の上昇を工業化以前よりも1.5℃高い水準までのものに制限するための努力継続
-京都議定書に代わる、2020年以降の温室効果ガス排出削減等のための新たな国際枠組み
-主要排出国を含む全ての国が削減目標を5年ごとに提出・更新
-全ての国が共通かつ柔軟な方法で実施状況を報告し,レビューを受ける
-適応の長期目標の設定,各国の適応計画プロセスや行動の実施,適応報告書の提出と定期的更新
-5年ごとに世界全体としての実施状況を検討する仕組みの創設(グローバル・ストックテイク)
「国が決定する貢献(NDC)」
パリ協定で合意された「全ての国が削減目標を5年ごとに提出・更新」するという約束事は、各国が「国が決定する貢献(NDC)」文書をUNFCCC事務局へ提出する、という形で実施されます。(パリ協定第4条)
日本の例では、地球温暖化対策推進本部においてNDCが策定されており、2020年03月30日に決定された内容では、「我が国は、2030年度に 2013年度比-26%(2005年度比-25.4%)の水準にする削減目標を確実に達成することを目指す。
また、我が国は、この水準にとどまることなく、中期・長期の両面で温室効果ガスの更なる削減努力を追求していく。」ことが明記されています。その後、新たな政策目標として打ち出された2050年カーボンニュートラル、2030年度に温室効果ガスを2013年度から46%削減目標などを考慮して、2021年10月22日に新たなNDCが提出されています。
NDCは、その国がどのように地球温暖化対策に取り組むのかを示す長期目標であり、その内容には具体的な取り組み、目標が含まれています。そのため、中長期的にどのような法制化・法改正がなされるかを予想する一つの参考資料として有用です。
参考
■ UNFCCC技術メカニズムの共同作業計画(2023~2027年)/UNFCCC
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