国際|UNECE、交通弱者の安全性を向上させる2つの新たな国連規則を採択-2023年6月までに発効予定

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WP.29の一般安全規定に関するWP

2022年11月28日、国連欧州経済委員会(UNECE)は、自動車規制調和化世界フォーラム(WP.29)において、交通弱者の安全性を大幅に向上させることを目的とした2つの新たな国連規則の採択について明らかにしました。

■ 乗用車と小型トラックの交通弱者への配慮に関する規則
■ 大型車・重量車に対するドライバーの直視に関する規則

新たに採択された2つの規則は、2021年06月と2018年10月に採択された、大型トラックやバスの歩行者や自転車との衝突を伴う死角や低速度操縦に関する国連の規定に基づくもので、対象車両タイプ別に分かれています。

乗用車と小型トラックの交通弱者への配慮に関する規則

新規則は、従来のミラー、前方・側方カメラシステム、検知システムなどの装置を使って、ドライバーの前方・側方の交通弱者への認識を高めるための規定を導入しています。

背景には、ドライバーは、窓越しや従来のミラーでは、乗用車や軽トラックの周囲を完全に見ることはできないことが挙げられています。特に、停止状態から発進する場合や、低速(時速20km以下)で直進する場合は、その傾向が顕著であることが指摘されています。

新たな規定は、9人乗り以下のすべての乗用車と、3.5トン以下の新型トラックに適用される予定とされており、施行後は、メーカーは、バス、コーチ、大型トラックなど、あらゆる車両についてこの規制に対する型式承認を申請する可能性があると説明されています。

既に日本はこの国連規則を適用することを表明していると報じられています。

大型車・重量車に対するドライバーの直視に関する規則

新しい規則は、従来のミラーやフロント・ラテラルビュー・カメラシステムでカバーされる領域と、ドライバーの直視する領域との間の移行帯に存在する、車両の前方および側方の死角を最大限減らすことを目的としています。これは、車両前方周辺に視認可能な最小限の容積を設定することで実現されています。

この方法は国連の規制の中でも新しいもので、必要最小限の視界を提供するために、業界が革新的な技術を導入できるよう、より柔軟性を持たせています。

背景には、大型車や重量車(large and heavy vehicles)では、ドライバーの位置が高いため、死角がさらに広くなり、車両の前方や側方の直視が難しくなることが挙げられています。

容積の高さは、欧州で最も背の高い人の肩の高さによって決定されます。この評価体積から、運転者の目から見て見えない部分を差し引いたものが評価容積となります。新しい規則では、都市部、建設現場、長距離走行の用途で典型的または一般的に使用されるさまざまな車両構成に必要な最小可視体積を規制することになっています。

既にEUと日本はこの国連規則を適用することを表明していると報じられています。

自動車基準調和世界フォーラム(WP.29)

後述の国際協定に基づき、規則の制定・改正作業を行う組織が「自動車基準調和世界フォーラム(WP.29)」です。国連欧州経済委員会(UNECE)のもとに設けられているこの組織は、次の専門部会を有しています。

-安全一般(GRSG)

-衝突安全(GRSP)

-自動運転/自立走行/コネクテッド・ビークル(GRVA)

-排出ガスとエネルギー(GRPE)

-騒音とタイヤ(GRBP)

-灯火器(GRE)

WP.29会合

■ 2021年03月09~11日|WP.29 第183次会合(スイス)

■ 2021年06月22~24日|WP.29 第184次会合(スイス)

■ 2021年11月23~25日|WP.29 第185次会合(スイス)

■ 2022年03月08~11日|WP.29 第186次会合(スイス)

国連協定規則(UN Regulation)と世界統一技術規則(UNGTR)、国連規定(UN Rule)とは?

「国連協定規則(UN Regulation)」と「世界統一技術規則(UNGTR)」とは、1958年や1998年の協定に基づくものです。1958年の協定に基づくものが 「国連協定規則(UN Regulation)」 、1998年の協定に基づくものが 「世界統一技術規則(UNGTR)」 として知られています。

国連協定規則(UN Regulation)

国連協定規則には、車両、そのシステム、部品および機器に関する安全および環境面の規定が含まれおり、性能を重視した試験要件や行政手続きも含まれています。後者は、車両のシステム、部品および装置の型式承認、生産の適合および締約国によって付与された型式承認の相互承認について規定しています。

1958年の協定は第3版となりますが、締約国には欧州各国をはじめ、日本、ロシア、オーストラリア、ニュージーランド、南アフリカ、タイ、マレーシア、韓国、トルコなどが確認できます。他方、中国と米国の名前は締約国の中に確認できません。(参考

車両や車両に装備され又は使用される機器及び部品に関する調和技術国連規則の採択並びにこれらの国連規則に基づいて与えられる承認の相互承認の条件に関する協定(改訂3版)

Agreement concerning the Adoption of Harmonized Technical United Nations Regulations for Wheeled Vehicles, Equipment and Parts which can be Fitted and/or be Used on Wheeled Vehicles and the Conditions for Reciprocal Recognition of Approvals Granted on the Basis of these United Nations Regulations (Revision 3)

世界統一技術規則(UNGTR)

UNGTRには、世界的に調和された性能関連の要求事項と試験手順が含まれており、世界の自動車産業、消費者およびその団体に対して、予測可能な規制の枠組みを提供しています。国連協定規則とは異なり、UNGTRには、型式承認及びその相互承認に関する管理規定は含まれていません。

1998年の協定では、米国、カナダ、中国、インドなどが締約国に含まれております。(参考

車両、車両に搭載可能な機器および部品に関する国際的な技術規則の制定に関する合意

AGREEMENT CONCERNING THE ESTABLISHING OF GLOBAL TECHNICAL REGULATIONS FOR WHEELED VEHICLES, EQUIPMENT AND PARTS WHICH CAN BE FITTED AND/OR BE USED ON WHEELED VEHICLES

国連規定(UN Rule)

国連規定(UN Rule)とは、使用中の自動車の定期的な技術検査に関するものです。締約国は、国連規定に基づいて付与された国際検査証明書を、一定の条件下で相互に承認するものとされています。 これは1997年の協定に附属するものとなります。

車両の定期的な技術検査のための統一条件の採用及びその検査の相互承認に関する協定

Agreement Concerning the Adoption of Uniform Conditions for Periodical Technical Inspections of Wheeled Vehicles and the Reciprocal Recognition of Such Inspections

UN Regulation・UNGTR・UN Rule

規則・規定は各協定に附属するものとしての位置づけとなります。

■ 国連協定規則(UN Regulation)|Regulation 0 ~ 180

■ 世界統一技術規則(UNGTR)|No. 1 ~ No.21

■ 国連規定(UN Rule)|Rule 1 ~ 4

参考

■ Working Party on General Safety Provisions (GRSG) of WP.29
■ 新たな2つの規則 規則1 規則2

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