中国市場へ製品を出荷・販売する際には、各種法規制への対応が不可欠であり、その中でも重要な制度がCCC認証です。CCC認証は、中国国内で流通する特定製品に対して義務付けられている強制的な製品安全認証制度であり、未取得の場合は通関や販売が認められないだけでなく、行政指導や罰則の対象となる可能性もあります。
当記事では、CCC認証の制度概要から申請手続き、最新動向などを整理し、実務に役立つポイントを分かりやすく解説します。
1. CCC認証とは?
CCC認証とは、中国において特定の製品を出荷・販売・輸入する際に取得が義務付けられている強制的な製品安全認証制度です。正式名称はChina Compulsory Certificationで、国家の安全確保や人体の健康保護、環境保護を目的に運用されています。
ここでは、CCC認証について詳しく解説します。
(出典:日本貿易振興機構「中国の強制製品認証制度について」/https://www.jetro.go.jp/world/qa/C-160101.html)
1-1. 中国の強制製品認証制度の概要
中国の強制製品認証制度は、製品の安全性や品質を確保し、消費者の生命・財産を保護することを目的とした法定制度です。
主な法的根拠は「中華人民共和国認証認可条例」および「強制製品認証管理規定」で、対象製品は認証取得とCCCマーク表示を行わなければ、中国国内での出荷、販売、輸入、使用が認められません。制度は2001年に旧来の安全認証制度を統合して取り決められ、現在は家電、自動車、低電圧電気機器など幅広い分野を対象としています。
製造業者や輸入業者には、法令遵守の観点から制度理解が不可欠です。
1-2. CQCの役割とCCC認証との関係性
CCC認証は制度全体の枠組みを指し、実際の認証業務は指定された認証機関が担当します。その中核を担うのが中国品質認証センター(CQC)です。CQCはCCC認証の主要実施機関として、多くの製品分野で審査・証明書発行を行っています。
一方、CQCはCCCとは別に任意制度である「CQCマーク認証」も提供しています。CQCマークは品質や性能、電磁両立性などを示す自主認証で、法的義務はありませんが、中国市場での信頼性向上に寄与します。
1-3. CCC認証対象の種類と製品例
CCC認証の対象品目は、中国国家市場監督管理総局と国家認証認可監督管理委員会が連名で公布する「強制製品認証目録」に記載されています。この目録は不定期に更新され、最新情報は両機関の公式サイトで確認できます。
対象製品は2026年2月段階で104項目となっており、具体的には下記の品目が記載されています。
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・電線・電気ケーブル ・低電圧電気機器 ・家電 ・玩具 ・自動車部品 等 計104品目 |
なお、個人使用目的の持ち込み品や補修用製品などは、規定に基づき認証免除や免除申請が可能です。
1-4. CCC認証の対象判断に用いられる実施規則
CCC認証が必要かどうかを判断する際の根拠となるのが、国家認証認可監督管理委員会が制定・公布する実施規則です。実施規則には、対象となる製品範囲、適用規格、認証方式などが明記されています。
近年は一部製品で自己証明方式も導入され、条件を満たせば従来とは異なる手続きが選択可能です。品質保証担当者は、製品が目録と実施規則のどちらに該当するかを確認することで、認証要否を判断できます。
1-5. CCC認証に関わる主な関係部門と役割
CCC認証には、複数の関係部門が関与します。認証部門は製品ごとの審査や証明書発行を担当し、CQCなどの指定認証機関が該当します。検測部門は、指定試験所として型式試験や性能評価を実施します。
さらに関係部門として、国家レベルでは国家認証認可監督管理委員会や市場監督当局が制度全体の監督管理を行い、地方当局が現場での法執行を担います。各部門の役割理解は円滑な申請に直結します。「中国の強制製品認証制度について」/https://www.jetro.go.jp/world/qa/C-160101.html)
2. CCC認証申請から証明書発行までの主な流れ
CCC認証の申請から証明書発行までの流れは、下記の通りです。
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1 |
認証申請を行う |
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申請者は、製品がCCC認証対象であることを確認した上で、認証機関に申請します。申請者は生産者、販売者、輸入業者が該当し、必要に応じて代理人による申請も可能です。申請時には、製品仕様書、図面、主要部品リスト、品質保証体制に関する資料などを準備します。申請先として中心的な役割を担うのが中国品質認証センターです。 |
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2 |
書類審査と型式試験 |
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提出書類の内容確認後、中国の指定試験機関により型式試験が実施されます。試験は中国国家規格(GB)に基づいて行われ、製品が安全・性能要件を満たしているかを確認します。製品特性によっては、抜取試験や工場内試験が認められる場合もあります。 |
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3 |
初期工場検査 |
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型式試験に合格すると、製造工場に対する初期工場検査が行われます。検査では、量産品が試験サンプルと同等であるかという製品一致性と、品質保証体制が規則を満たしているかが確認されます。海外工場の場合、日本など現地へ検査員が訪問します。 |
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4 |
証明書発行 |
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すべての審査・検査に合格すると、CCC認証証明書が発行されます。原則として証明書の有効期間は5年間で、CCCマークを表示した製品の製造・輸出が可能になります。内容変更時には別途変更申請が必要です。 |
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5 |
フォローアップ検査 |
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証明書取得後も、原則年1回のフォローアップ工場検査が実施されます。不適合が是正されない場合、証明書の効力が制限されることがあります。 |
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認証取得までの標準期間は、原則として申請受理から約90日とされていますが、製品内容や是正対応の有無により前後します。早期取得には、事前準備と規則理解が必要です。
(出典:日本貿易振興機構「中国の強制製品認証制度について」/https://www.jetro.go.jp/world/qa/C-160101.html)
3. CCC認証に関する最新動向(2024年以降)
2024年以降のCCC認証を巡る動きとして、リチウムイオン電池関連製品の規制強化と、モバイルバッテリーに対する運用面での新たな制限が重要なポイントです。いずれも安全事故の増加を背景とした措置であり、製造業・輸出企業にとって無視できない動向です。
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・リチウムイオンバッテリ等の製品がCCC認証対象に(2024年8月~) 国家市場監督管理総局は、リチウムイオン電池および電池パック、モバイルバッテリー、通信端末用充電器などを新たにCCC認証の対象に含めることを決定しました。2023年8月から認証申請の受付が開始され、2024年8月1日以降は、CCC認証証書および認証マークのない製品は製造、販売、輸入などの事業活動に使用できません。 (出典:深圳市市场监督管理局「市场监管总局关于对锂离子电池等产品实施强制性产品认证管理的公告」/https://amr.sz.gov.cn/xxgk/qt/ztlm/jljcrz/hyzx/content/post_10782243.html) ・モバイルバッテリー規制(2025年6月〜) 中国民航局は、中国国内線においてCCC認証ロゴが表示されていない、または不鮮明なモバイルバッテリーの機内持込みを禁止すると発表しました。リコール対象製品も対象となり、空港での検査は一層厳格化されています。輸出製品が流通後に使用制限を受ける可能性もあるため、認証表示の適正管理が必要となります。 (出典:外務省「中国国内便におけるモバイルバッテリー機内持込みの注意点」/https://www.anzen.mofa.go.jp/od/ryojiMailDetail.html?keyCd=158219) |
近年の動向から、CCC認証は単なる通関要件にとどまらず、市場流通や実使用に直結する規制へと位置づけが強まっています。
まとめ
CCC認証は、中国における製品安全規制の中核を成す制度であり、対象製品の製造・輸出・販売を行う企業にとって避けて通れない要件です。近年はリチウムイオン電池やモバイルバッテリーを巡る近年の規制強化から、CCC認証が単なる認証取得にとどまらず、市場流通や実使用段階にも影響を及ぼす制度へと変化しています。実務においては、最新の実施規則や運用動向を継続的に把握し、適切に対応しましょう。
株式会社先読では、CCC認証に関する法令調査や最新動向のモニタリング、適用解釈の整理、対応方針の検討支援まで幅広くサポートしています。CCC認証対応でお困りの際は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
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