EU| 国のエネルギー・気候計画に関する報告要件詳細を定める実施規則案

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エネルギー・気候計画に関する新たな報告要件

2022年07月12日、欧州委員会は、「エネルギー同盟 – 国のエネルギー・気候計画に関する新たな報告要件」と題するイニシアチブについて、実施規則案を公表し、意見募集を開始しました。期限は2022年08月09日です。

この実施規則は、統合された国家エネルギー・気候進捗報告書に含まれる情報の構造、形式、技術的詳細、プロセスを定めるもので、EU諸国は、エネルギー・気候国家計画で定義された目標に対する進捗状況について、2年ごとに報告書を提出する必要があります。

また、このイニシアティブは、エネルギーと気候に関する報告のための単一のゲートウェイとなる、報告に関するe-Platformに提供される情報を定義しています。

背景

エネルギー同盟のガバナンス及び気候アクションに関する規則(EU) 2018/1999は、加盟国に対し、10年間をカバーする統合国家エネルギー・気候計画を欧州委員会に提出し、第一にエネルギー同盟の5つの次元すべてについて国家の目的、目標、貢献を設定し、第二にそれらを達成するための関連政策と措置を計画するという2段階アプローチに依拠することを求めています。

加盟国は、2019年12月31日までに、2021年から2030年までの最初の最終的な統合国家エネルギー・気候計画を提出することが義務付けられていました。

2021年から2030年の期間については、加盟国は2023年6月30日までに更新された統合国家エネルギー・気候計画のドラフトを、2024年6月30日までに最終的なものを提出することが求められています(第14条)。

また、各加盟国は2年ごとに、エネルギー同盟の5つの次元すべてを網羅する統合国家エネルギー・気候進捗報告書により、その国家エネルギー・気候計画の実施状況を欧州委員会に報告しなければならないとされ(同規則第17条(1))、EUレベルではエネルギー同名の目標および目的に向けて、また各加盟国ではその目的、目標、貢献の達成および統合国家エネルギー・気候計画に示された政策や措置の実施に向けて行われている進捗の双方について、委員会が評価するための重要な資料となるものという位置づけとされています。

さらに、規則(EU)2018/1999の第18条に従い、加盟国は、2021年3月15日までとその後2年ごとに、温室効果ガスの政策・措置および予測に関する統合報告書を欧州委員会に提出しなければならないとされています。

今回の動き

今回の実施規則では、上述規則(EU) 2018/1999の第17条及び20条から25条に言及する情報に関係して、隔年進捗報告書の構造、形式、技術的詳細及びプロセスを定めています。今回の実施規則案では次の点が指摘されています。

■ プロセスは不必要な事務負担を回避しつつ、構造的な方法で完全な報告を保証するものでなければならない。

■ 加盟国は、義務的な要素を補完するために、任意の情報を提供できるようにすべき。

■ 複数の側面に関係し、政策・措置の資金調達と実施について報告する場合、加盟国は、適宜、個々の政策・措置あるいは政策・措置のグループについて報告する必要がある。加盟国は、そのような政策・措置の大気の質への定量的影響と大気汚染物質の排出量の報告についても、同じアプローチを適用すべき。

■ 加盟国は、再生可能エネルギーとエネルギー効率に関して、国家計画に含まれる他の関連情報についても報告するよう要求されるべき。

本実施規則の要件は、主に加盟国の行政当局をターゲットにしたものですが、当局が要件を遵守するには、市場、つまり企業等から情報を吸い上げる必要があります。

したがって、当局をターゲットとする規制の動きであるからと安心できるものではなく、各加盟国の行政当局にどのような情報要件が課されているのかを把握することは、企業コンプライアンスのリスク管理の一環と考えるべきだと考えます。

エネルギー同盟(Energy Union)

エネルギー同盟は、EUのエネルギー政策において長年にわたって確立されてきた3つの目標、供給安定性、持続可能性、競争力に基づいており、これらの目標を達成するために、エネルギー同盟は次の5つの相互支援的な側面に焦点を当てています。

■ エネルギー安全保障
■ 域内エネルギー市場
■ エネルギー効率
■ 経済の脱炭素化
■ 研究・イノベーション・競争力

欧州委員会は2015年2月25日、エネルギー同盟に関する通達[COM (2015) 80 final]を発表しています。

この通達は、欧州のエネルギーシステムを根本的に変革することを求めており、特に、持続可能な低炭素で気候に優しい経済を構築すること、競争と資源の最善の利用に基づいて、エネルギーが国境を越えて自由に流れること、市民を中核として、エネルギー移行を市民が所有し、新しい技術の恩恵を受けて料金を下げ、市場に活発に参加し、脆弱な消費者が保護されることなどに触れています。

通達を受けて、欧州委員会は、例えば関連するすべてのエネルギー効率に関する法令を見直し、2030年目標を支えるために、必要であれば、改正を提案するとしていました。

2015年の発足以来、欧州委員会は、エネルギー同盟戦略の達成を確実にするため、この主要優先事項の実施状況を監視するいくつかの施策パッケージと定期的な進捗報告書を発表しています。

2021年10月26日に発表された第6次エネルギー同盟状態報告書には、EUにおけるエネルギー補助金に関する附属書のほか、クリーンエネルギー技術の競争力、燃料品質、炭素市場の機能、気候変動対策進捗報告書に関する詳細な進捗報告書が添付されました。

上述のエネルギー同盟のガバナンスと気候アクションに関する規則(EU)2018/1999は、クリーンエネルギー・パッケージの一部として、2018年12月24日に発効したものです。

参考

■ 意見募集ページ/欧州委員会
■ エネルギー同盟(Energy Union)/欧州委員会

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