行政罰の手続き・守秘義務・計算及び徴収方法
2022年07月14日、欧州官報で「行政罰の賦課手続き及びその算定・徴収方法に関して欧州議会及び理事会規則(EU)2018/858を補完する2022年05月05日付欧州委員会委任規則(EU) 2022/1209」が公布されました。
これは、「規則(EC) No 715/2007及び(EC) No 595/2009を修正し、指令2007/46/ECを廃止する、自動車及びそのトレーラー、並びに当該自動車を対象とするシステム、コンポーネント及び個別の技術ユニットの承認及び市場監視に関する2018年05月30日付欧州議会及び理事会規則(EU) 2018/858」を補完する位置づけのものであるため、タイトルからは把握しづらいですが、自動車分野についてのものとなります。
指摘点
■ 行政罰の賦課を意図していることに関連して、経済事業者に関連情報へのアクセス権及び当該意見を裏付けるのに必要な証拠とともに意見を提出する権利を付与することにより、意見を聞く権利及びファイルにアクセスする権利を保証することがとりわけ重要。
■ 経済事業者が機密と考えるデータの適切な保護を確保するための規則を定める必要がある。
■ 違反の重大性に応じた行政罰の計算方法を規定する必要があり、経済事業者が事前に知っている必要がある。
■ 行政罰は、不適合車両、システム、コンポーネントまたは個別の技術単位ごとに課されるため、罰金の計算基準もそれに応じて検討されなければならない。
■ 行政罰の算定にあたっては、規則を遵守する他の経済事業者に対して競争を歪める可能性のある、非適合車両の販売または流通を通じて得られた不当な経済的利益を考慮する必要がある。
■ また、不適合により、車両の性能の変化など消費者が被る損失も、当該規則が求める消費者の健康と安全の保護を損なう可能性があるため、違反の重大性を評価する際に考慮されるべきである。
■ さらに、行政罰の額は、域内で登録された不適合車両の数、または域内市場で入手可能となった不適合システム、コンポーネント、個別の技術ユニットの数に比例すべき。
■ 行政罰の算定にあたっては、違反の重大性、影響、加重要因、緩和要因を十分に考慮し、違反の抑止、比例、違反による利益の相殺と認識されなければならない。加重要因には、安全、健康、環境への影響を含めるべき。
■ 経済事業者が行った是正措置を含む経済事業者の協力の程度は、行政罰金を計算する際の緩和要素として考慮される。
■ 行政罰の支払いを容易にするために、その徴収方法を定めることが必要。
補完規則概要
手続きについて
第1条では、手続きについて規定されています。
■ 行政罰金を課す前に、欧州委員会は、行政罰金を課す意図を経済事業者及び関係加盟国に書面により通知し、その意図を示す理由を記載する。
■ 経済事業者および関係加盟国には、第1項に基づく通知後30日以上、欧州委員会に対して書面で意見を提出する期間が与えられる。期間以降の意見は考慮されない。提出の際、その見解を支持するための証拠を添付することができる。
■ 欧州委員会は、書面による意見受領後、15日以上の期限内に、理由を付した要請により、さらなる情報を要求可能。
守秘義務について
第2条では、守秘義務についての規定が設けられています。
■ 情報を提出する経済事業者は、提出した情報のうち機密であると考えられるものを理由を付して特定し、必要な場合には、その情報を含む文書の非機密版を委員会の定める期日までに別途提供する必要がある。
行政罰の計算方法について
第3条では、行政罰の計算方法について規定されています。
■ 欧州委員会は、次の金額を見積もる:不遵守の結果、経済事業者が得た経済的利益またはその他の便益、可能であれば、違反の結果として消費者に生じた損失。このように評価された利益と損失は、行政罰の計算の基礎を形成する位置づけとなる。
■ 行政罰は、EU市場に登録された不適合車両の数または連合市場で入手可能となった関連する不適合システム、コンポーネントまたは個別の技術ユニットの数を考慮して計算される。
■ 行政罰の金額を算出する際、加重要因または緩和要因およびその他の要素を考慮する。
<加重要因>
- 自動車の性能要件の引き下げによる人の健康及び安全に対する影響又は環境に対する悪影響
- 経済事業者による不遵守を立証するための関連情報を隠蔽または隠蔽しようとする試みを含む、経済事業者の過失または意図の程度
- 委員会が要求した情報または証拠の提供を経済事業者が不当に拒否した場合
<緩和要因>
- 不遵守の発見における経済事業者の努力と協力
- 経済事業者が行った自主的な是正措置(その迅速性を含む)
- 経済事業者が適切な証拠を用いて証明した、その他の合理的かつ関連性のある緩和要因
行政罰の徴収方法について
第4条では、徴収方法について規定されています。
■ 過料は、債務者が欧州委員会の決定を通知された日から3ヶ月以内に支払わなければならない(通知書を受領した日から起算)。
参考
■ 欧州委員会委任規則(EU) 2022/1209/欧州官報
■ 規則(EU) 2018/858
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