EU|タバコのない環境と世代を達成するための欧州市民イニシアチブの登録

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EU|タバコのない環境と世代を達成するための欧州市民イニシアチブの登録

タバコ排除による環境の改善と社会生活の向上

2022年8月24日、欧州委員会は、欧州議会及び理事会規則(EU)2019/788に基づく「2030年までにタバコのない環境と欧州初のタバコのない世代を達成するための要請」と題する欧州市民イニシアチブとしての登録について承認しました。

背景、経緯

2022年6月29日に、「2030年までにタバコのない環境と欧州初のタバコのない世代を達成するための呼びかけ」と題する欧州市民イニシアチブの登録要請が欧州委員会に提出されました。

このイニシアチブでは、タバコによる悪影響と改善のための目的が以下の通り明記されています。

タバコについては、回避可能な死因であり、海岸の吸殻が海とその野生生物に環境破壊をもたらし、森林では火災を引き起こし、土壌と水を汚染します。新しい世代をタバコ中毒から救うためには、吸殻による環境破壊や禁煙のために力強く行動することに加え、(EU)2022/1430で示される次の目的が必要と考えています。

本イニシアチブの目的

本イニシアチブの目的を(EU)2022/1430から仮訳して以下に示します。

(1) 2028年までにヨーロッパで初めてタバコのない世代を作り、2010年以降に生まれた市民へのタバコやニコチン製品の販売を中止する。

(2) タバコや吸殻のないビーチや川岸をヨーロッパ中に作り、これらのスペースをより健康で環境的に持続可能にする。

(3) タバコや吸殻のない国立公園をヨーロッパに作り、より健康的で汚染や火災の危険性を減らす。

(4) 屋外の煙や蒸気のない空間、特に未成年者が頻繁に訪れる場所(公園、プール、スポーツイベントセンター、ショーやレストランのテラス)を拡大する。

(5) 視聴覚作品やソーシャルメディアにおけるタバコの広告や存在を排除し、特にインフルエンサーやプロダクトプレイスを通じた広告に取り組む。

(6) タバコの使用によって引き起こされる疾病の予後を改善し、治癒可能にするための研究開発(R&D)プロジェクトに資金を提供する。

                                        (EU) 2022/1430より一部引用・仮訳

欧州市民イニシアチブの登録の採択に関する根拠

イニシアチブの登録の採択に関する根拠としては、下記が挙げられています。

1.  2028年までにタバコのない世代を作ること、及び視聴覚作品におけるタバコの広告と存在をなくすこと、というイニシアチブの(1)と(5)の目的を実施するための行動の要請に関して、欧州委員会は条約第114条に基づき、特定のタバコ製品の販売と広告を禁止する法的行為のための提案を提示する権限を有している。

2.  このイニシアティブの(2)、(3)、(4)の目的、すなわち、タバコや吸殻のない海岸の整備、タバコや吸殻のない国立公園の設置、屋外の禁煙・無煙空間の拡大を実施するための行動の要請に関しては、欧州委員会は条約第192条に基づき、法的行為のための提案を行う権限を有している。

3.  イニシアチブ(6)の目的である、タバコの喫煙が原因となる疾患の研究開発(R&D)プロジェクトへの資金提供を実施するための行動の呼びかけに関して、「がんに関するミッション」は、研究・イノベーションのための欧州枠組み計画「ホライゾン2021-2027」に関連したEUによるがんの研究・イノベーションへの投資の主要な構成要素となっている。

4. これらの理由から、この構想のいずれの部分も、条約の実施を目的とした欧州連合の法律行為に関する提案を提出する欧州委員会の権限の枠外にあることは明らかである。

(略)

                                        (EU) 2022/1430より一部引用・仮訳

以上から、規則(EU)2019/788の第5条(1)及び(2)に定める要件を満たし、同規則の第5条(3)第1号に従って適切な証拠を提出したこと、明らかに濫用的、軽薄または難しいものではなく欧州連合の価値及び欧州連合基本権憲章に明記された権利に明らかに反していないこと、等を考慮してこのイニシアチブは登録されるべきものとして、欧州委員会は採択の決定を下しました。

欧州市民イニシアチブとは

欧州市民イニシアチブ(European Citizens’ Initiative=ECI)とは、EUが権限を持つ政策分野について、加盟国7カ国から計100万人以上の署名を集めれば、欧州委員会に対して立法を提案することができる制度です。

これは、2009年12月に発効したEU基本条約「リスボン条約」でEU市民に新たに付与された権利として導入されました。

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