食品成分の特定香料に関する安全性確保の強化
2022年9月5日、欧州委員会は、欧州食品安全機関(EFSA)のデータに基づく食品成分の特定香料に関して、評価の要件を修正する規則として欧州議会・理事会規則(EU)2022/1465及び(EU)2022/1466を公布しました。
規則(EC)No 1334/2008の附属書Iに定められた香料及び原料のEUリスト(EUが特定した香料物質のリスト)には、実施規則(EU)No 872/2012の採択時に、EFSAが入手したデータに基づく消費者の健康に対する安全リスクを排除できず、評価を完了するには追加データが必要とされる香料物質が特に多く含まれていることが判明しました。
これを受け、当該の香料物質はEUリストに含まれましたが、規則(EC)No 1334/2008の附属書IのパートAで定められた特定の期限が切れる前に、EFSAが懸念している安全データの提出が要求されることになりました。
規則(EC)No 1334/2008の概要
食品に使用される香料及び香料としての性質を持つ、特定の食品成分に関わる規制である欧州議会及び理事会規則(EC)No 1334/2008は、様々なタイプの香料の定義と、香料の安全な使用のための要件を定めています。
人体の健康に害を及ぼす懸念のある特定物質の食品への添加を禁止するとともに、使用が認められる物質の使用上限を定めています。
同規則のもと、香料とその原材料については安全性評価と認可が必要となっており、これまでに、香料としての使用が認められる認可リスト(EU リスト)が規則(EC)No 1334/2008 の 附属書Ⅰパート A として作成され 2013 年 4 月 22 日から適用されています。
規則(EU)2022/1465の条項
本規則は、欧州連合の機能に関する条約を考慮し、食品に使用する香料及び香料特性を有する特定の食品成分に関する規則(EC)No 1334/2008、(EC)No 1601/91、(EC)No 2232/96、(EC)No 110/2008等、指令2000/13(1)の第11条(3)を修正することに同意するものとして制定されています。
(EU)2022/1465の条項の一部は以下の通りです。(一部を引用・仮訳)。
・ 規則(EC)No 1334/2008 の附属書 I は、食品中及び食品への使用が承認された香料及び原料のEU リストとその使用条件について規定している。
・ 規則(EU)No 872/2012 (3) は、香料物質のリスト(EUリスト)を採択し、同リストを規則 (EC) No 1334/2008 の附属書 I、パート A に挿入した。
・ 当該リストは、規則 (EC) No 1331/2008 の第 3 条(1)項で言及されている共通手順に従い、欧州委員会の主導で、または加盟国もしくは利害関係者から提出された申請に従って更新される場合がある。
・ 2015年6月24日の科学的見解において、EFSAは提出されたデータを評価し、グループの代表物質であるp-mentha-1、8-dien-7-al(FL no 05.117)は生体内で遺伝毒性があり、したがって、香料としての使用は安全性の懸念が生じると結論付けた。この意見を受けて、欧州委員会は規則(EU)2015/1760(5)により、この物質を香料のEUリストより削除した。
(中略)
・ 規則(EC)No 1334/2008 に基づく評価の結果として、hexa-2(trans)、4(trans)-dienal (FL No 05.057) 及びdeca-2(trans)、4(trans)-dienal (FL No 05.140)はこの物質群の代表物質として使用され、毒性データが提出された。
・ 2014年3月26日の科学的意見において、EFSAは提出されたデータを評価し、グループの代表的な両物質について安全性の懸念を排除することはできないと結論づけられた。したがって、EFSAは、FGEグループ203に属する物質の評価を完了することができなかった。
・ これらの物質の申請者は、EFSAが2014年3月26日の意見で表明した懸念に対処し、本グループの物質について様々な具体的な毒性試験を開始したことを公表した。
・ EFSAは、これらの物質の安全性を十分に評価するために、適切な曝露評価を可能にするために、同定及び特性に関する追加データ、及び摂取量に関するデータを要求した。
・ 申請者は、要求された新しいデータを2016年9月30日までに提出することを約束した。追加データの提出、EFSAによるこれらの物質の遺伝毒性評価、EFSAのパネル手順による最終的な完全評価、その後の規制プロセスの完了を待って、欧州委員会は、評価中物質のスタンスを維持しながら、これらの香料の用途を制限する規則(EU)2017/378(14)を採択した。
(中略)
・ 2018年6月5日の意見(15)において、EFSAは提出されたデータを評価し、これらの物質の遺伝毒性に関する懸念を排除し、規則(EC)No 1565/2000で言及されている既存香料の評価手順で評価することができると判断した。この目的のために、EFSAはそれらの物質のうち16種類を香料グループ評価70(FGE.70)に4種類を香料グループ評価05(FGE.05)に割り振った。
2019年6月5日及び6月26日に採択された意見において、香料グループ評価70、改訂1(FGE.70 Rev1)及び香料グループ評価05、改訂3(FGE.05 Rev3)の物質について、それぞれ評価を更新した。FGE 70 Rev.1 の 16 物質については、EFSAは安全性の懸念はないと結論付け、そのうちの一部の物質について名称と規格を変更するよう勧告した。
また、FGE.05 Rev.3 の 4 物質についても安全上の懸念はないと判断し、その一部について名称と仕様の変更を勧告した。
(EU)2022/1465より一部引用・仮訳
規則(EU)2022/1466の条項
本規則は、欧州連合の機能に関する条約を考慮し、食品に使用する香料及び香料特性を有する特定の食品成分に関する規則(EC)No 1334/2008、(EC)No 1601/91、(EC)No 2232/96、(EC)No 110/2008等、指令2000/13(1)の第11条(3)を修正することに同意するものとして制定されています。
(EU)2022/1466の条項の一部は以下の通りです。(一部を引用・仮訳)。
・ 規則(EC)No 1334/2008 の附属書 I は、食品中及び食品への使用が承認された香料及び原料のEUリストとその使用条件について規定している。
・ 規則(EU)No 872/2012 (3) により、香料物質のリストが採択され、規則 (EC)No 1334/2008 の附属書 I のパート A に導入された。
・ 当該リストは、規則(EC)No 1331/2008 の第 3 条(1)に言及する共通手順に従い、欧州委員会の主導で、または加盟国もしくは利害関係者の申請に基づき更新することができる。
・ 以下の物質を香料として責任を負う事業者は、必要なデータを提出しなかったため、それぞれの申請を取り下げた。
すなわち、1-(4-Methoxyphenyl)pent-1-en-3-one (FL No 07.030)、 Vanillylidene acetone (FL No 07.046)、1-(4-Methoxyphenyl)-4-methylpent-1-en-3-one (FL No 07.049)、4-(2,3,6-Trimethylphenyl)but-3-en-2-one (FL No 07.206)、6-Methyl-3-hepten-2-one (FL No 07.258)、5,6-Dihydro-3,6-dimethyl-benzofuran-2(4H)-one (FL No 10.034)、等である。
(中略)
・ これらの物質は、香料物質のEUリストからの削除が必要になる。
・ 規則(EC)No 1334/2008を適宜修正する必要がある。
・ 当該物質が添加された食品で、EU域内で流通されたもの、または第三国から発送され本規則の発効前にEUに輸送中のものは使用期限までEU域内での流通を許可されるべきである。この経過措置は、当該物質のいずれかが添加された調剤で消費されることを意図していないものには適用されるべきではない。
・ この規則に定める措置は、植物、動物、食品及び飼料に関する常設委員会の意見に基づくものである。
(EU)2022/1465より一部引用・仮訳
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