EU|RoHS指令附属書IV改正-ビスマス・ストロンチウム・カルシウム・銅酸化物超電導ケーブル・電線における鉛およびその電気接続部における鉛の使用、特定の磁気共鳴画像装置における鉛の使用に関する免除
特定の鉛用途の免除追加-2027年06月30日まで
2022年09月22日、RoHS指令(電気電子機器中の特定有害物質に関する指令)において特定の規制要件からの免除項目を定める附属書IVを改正する2つの欧州委員会委任指令が公布されました。
いずれについても、各加盟国はこれにより、遅くとも2023年2月28日まで国内法に反映し、2023年03月01日より適用することが求められています。免除には期限が設けられています。
対象となる有害物質、用途、免除期限は次の通りです。
改正概要
以下、それぞれについて要点を概説します。
ビスマス・ストロンチウム・カルシウム・銅酸化物超電導ケーブル・電線における鉛およびその電気接続部における鉛の使用
改正指令(EU) 2022/1631では、附属書IVのエントリー48を次の内容に代替することが規定されています。
Lead in bismuth strontium calcium copper oxide (BSCCO) superconductor cables and wires and lead in electrical connections to these wires
Expires on 30 June 2027.’ビスマス・ストロンチウム・カルシウム・銅酸化物(BSCCO)超電導ケーブルおよび電線に含まれる鉛と、これらの電線への電気接続部に含まれる鉛
改正指令(EU) 2022/1631 附属書より引用・仮訳
2027年06月30日に失効
【背景】
鉛を添加したBSCCOは、医療機器や監視・制御機器用の超電導磁気回路に使用することができるとされています。超電導線およびケーブルを他の EEE コンポーネントに接続するために、鉛を含むはんだが使用され、低温での延性、低電気抵抗などの特性が要求される用途において、十分な信頼性を確保できる鉛フリーの代替材料は現在市販されていないと評価されました。
また、BSCCOへの鉛の添加は、鉛を使用しなければ達成できない技術的・機能的利点をもたらすと結論づけています。つまり、現状すぐには代替不可能であるとして、免除の延長が規定された形になります。
特定の磁気共鳴画像装置における鉛の使用
他方、改正指令(EU) 2022/1632では、附属書IVのエントリー27に特定されている免除用途に、(c)と(d)として新たな免除用途を2つ加える内容が規定されています。
‘(c) MRI non-integrated coils, for which the Declaration of Conformity of this model is issued for the first time before 23 September 2022, or
(d) MRI devices including integrated coils, which are used in magnetic fields within the sphere of 1 m radius around the isocentre of the magnet in medical magnetic resonance imaging equipment, for which the Declaration of Conformity is issued for the first time before 30 June 2024.
Expires on 30 June 2027.’‘(c) 2022年9月23日以前に初めてこのモデルの適合宣言書が発行されたMRI非一体型コイル、または
(d) 医療用磁気共鳴画像装置において磁石のアイソセンタの周囲半径1mの球状の磁場で使用され、2024年06月30日以前に初めて適合宣言書が発行された一体型コイルを含むMRI装置。
2027年06月30日に失効
改正指令(EU) 2022/1632 附属書より引用・仮訳
【背景】
免除項目の更新申請に係る評価では、新規に設計された非一体型MRIコイルと、今後発売される一体型コイルの鉛フリーMRI装置における鉛の使用は、特定の日付で免除の対象外とすべきであるとされました。他方、古い設計のMRI装置は鉛を含むMRIコンポーネントに依存しており、新しい鉛フリーMRIコンポーネントとの互換性は非常に限られていると結論付けられています。
申請による更新を認めない場合、互換性のある部品や再設計のオプションがないため、MRI装置が早期に廃棄される可能性があり、MRI装置の供給ギャップが生じ、患者の医療に悪影響を及ぼす可能性があることも指摘されています。
つまり、代替は不可能ではないが、医療サービス用の互換性のあるMRI機器を提供し、鉛を含まない代替品の開発のための時間を確保する必要があると判断され、今回の免除規定の追加がなされている形になります。
RoHS指令附属書IVとは?
RoHS指令(電気電子機器中の特定有害物質に関する指令)として知られるDirective 2011/65/EUについては、既に多くの日本語概説資料が公表されているため、情報に困ることは少ないでしょう。
同指令により、附属書IIに特定されている鉛、水銀、カドミウム、六価クロム、PBB、PBDE、DEHP、BBP、DBP、DIBPの10種の有害物質について、電気電子機器の均質材料中に指定割合(0.1%, Cdは0.01%)以上含んで上市することが禁じされています。
また、遵守していることを広く周知・証明するために、内部管理・適合性評価・認証・CEマーキング表示・適合宣言書の作成・保持など、多くの遵守用件があります。スペアパーツやケーブルも含め、電気電子機器という対象範囲の広さや要件の厳しさから、古くより注目されている法令です。
さて、そのような厳しい要件を設けている法令ですが、いきなり規制されても対応できないケースが存在します。技術的に代替不可能である場合、費用面から現状は実質代替不可能である場合(影響が大きすぎる場合)などです。
このようなケースに対応するため、法令では規制要件からの免除規定を設けており、事業者は対象物質と用途、その免除が妥当な理由などを文書して申請することができる形になっています。
申請が社会経済的な分析により評価され、妥当性が認められると、附属書III「Applications exempted from the restriction in Article 4(1)」や附属書IV「Applications exempted from the restriction in Article 4(1) specific to medical devices and monitoring and control instruments」に収載され、期限付きではありますが、特定用途について規制要件からの免除が認められます。
附属書IIIとIVでは最大免除期間に関する若干の規定の違いがありますが、いずれも第5条のもと、科学的・技術的進歩への適合という名目で一時的な免除を与える仕組みとなっています。
参考
■ 改正指令(EU) 2022/1631
■ 改正指令(EU) 2022/1632
■ RoHS指令 2011/65/EU
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