EU|EPO(欧州特許庁)、欧州単一特許の経過措置を2023年1月1日から開始

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EU|EPO(欧州特許庁)、欧州単一特許の経過措置を2023年1月1日から開始

特許保護の追加選択肢

2022年11月14日、欧州特許庁(EPO)は、統一特許裁判所(UPC)が最近公表した実施ロードマップに合わせ、欧州単一特許の経過措置の開始日を2023年1月1日で調整することを決定しました。特許出願人は、同日から欧州単一特許の事前申請と欧州特許の付与決定の遅延申請を行うことができます。

この措置は、2023年4月1日に予定されている欧州単一特許の保護制度の運用開始まで適用されます。この2つの措置は、ユーザーによる欧州単一特許の早期導入を支援するために導入されました。

欧州単一特許(European Patent with Unitary Effect):欧州特許庁(EPO)により付与される欧州特許であり、特許が付与される時点で統一特許裁判所協定(UPCA)を批准している国で有効な単一特許になります。

背景

従来の欧州特許は、各EPC(欧州特許制度)加盟国ごと、すなわち侵害訴訟または取消手続はその欧州特許が移行した(有効化された)各EPC加盟国で個別に提起しなければなりませんでした。

一方、欧州単一特許は、UPCA批准国(以下、批准国)において一括して有効な特許権であり、批准国全体においてのみ単一の特許権として効力を有します(言い換えれば、単一特許の特許権が取り消されると全批准国において特許権は無効)。

欧州単一特許に関する侵害訴訟及び取消手続については、統一特許裁判所で提起することができ、これまで欧州特許のような各国での個別提起は必要ありません。

現在、EUでは、従来の欧州特許とUPCA発効前の欧州単一特許が併存した状態になっています。欧州特許については、統一特許保護に関する規則に基づき、欧州単一特許の請求を欧州特許庁に提出し、遅くとも欧州特許公報に付与に関する記載を公表してから1ヶ月以内に提出しなければなりません。

欧州特許の出願人は、欧州特許の付与決定の発行を延期して、UPCAの発効日またはその直後に欧州特許公報の付与の記載を公表することにより、当該欧州特許について事前申請した欧州単一特許を登録できるようにする必要があります。今回のEPOの決定は、UPCA発効前における過渡期の欧州単一特許の申請手続きを可能としています。

申請方法の概要

欧州単一特許に関する侵害訴訟や特許取消訴訟等は、統一特許裁判所の管轄となります。統一特許裁判所の判決は、同特許について全批准国に効力を及ぼします。

従って、単一特許の特許権が取り消されると、全批准国において特許権が無くなります。単一特許は、全批准国に対して一括で取得し、一括で取り下げることはできますが、一部の批准国のみに対してのみの取得や取り下げは許容されていません。

欧州単一特許に関しては、出願から許可通知(EPC規則71条3項)までの手続きは、従来の欧州特許と同じになります。許可通知の発行後、単一特許と従来の欧州特許の何れか一方を選択することができます。

UPCA批准国以外の非批准国については、単一特許は利用できませんが、従来の欧州特許のように国ごとの有効化が可能です。単一特許を選択する場合には、特許公報の公開(登録日)後、1か月以内(延期不可)に単一特許の申請を欧州特許庁(EPO)へ行う必要があります。

単一特許の申請は、単一特許の登録がなされるまで取り下げることができます。なお、従来の欧州特許制度(EPC)もそのまま併存しますので、許可通知後、従来の欧州特許を選択して各移行国への有効化手続きを行うことも選択できます。

EPOの決定事項

2022年11月11日付けの欧州特許庁長官の決定事項として、近々導入される欧州単一特許と、EPC規則71条3項に基づく欧州特許付与決定の発行の遅延請求の可能性に関して、以下の対応とすることになりました。

第1条 欧州特許付与決定の遅延手続き

(1) 出願人の請求により、欧州特許庁は、統一特許裁判所に関する協定の発効日またはその直後に欧州特許公報に付与の記載が掲載されるように、欧州特許の付与の決定の発行を延期するものとする。

(2) 第1項に基づく請求は、出願人が許可通知(EPC規則71条3項に基づく通信)よって付与を意図する本文を通知されたが、その本文をまだ承認していない欧州特許出願についてのみ有効に行うことができる。この請求は、欧州特許庁が提供する専用の請求書を使用して行わなければならない。

(3) 第2項に規定する要件を満たさない第1項の請求、またはこの決定の発効前に提出された請求は、提出されなかったものとみなされる。

第2条 発効及び終了

(1) 本決定は、許可通知に対して、近々導入される欧州単一特許及び欧州特許付与決定の発行の遅延を請求する可能性に関する2021年12月22日付けの欧州特許庁長官の決定を欧州特許庁官報に掲載した日付で終了させる。

(2) 本決定は、第3項に従い、2023年1月1日に発効し、係属中のすべての欧州特許出願に適用されるものとする。

(3) 第1項は、本決定が欧州特許庁の官報に公告された日に効力を生ずる。

(4) 本決定は、統一特許裁判所に関する協定の発効日に効力を失う。

A. 遅延請求の様式

遅延請求は、EPOが提供するFORM2025を使用して提出しなければならない。そうでない場合は、提出されていないものとみなされる。FORM2025はオンラインで提出することが望ましい。

B. 遅延請求の可否

欧州特許付与決定の延期請求は、EPC規則71条3項に基づく通信によって出願人が付与を意図する文章を通知されたが、まだその文章を承認していない欧州特許出願に関してのみ有効に行うことができる。これらの要件を満たさない請求は、行われなかったとみなされる。

(5) EPC規則71条3項に基づくその後の連絡の場合、同項に基づく先の連絡に関して有効に行われた請求は引き続き有効である。

(6) 審査部は、付与決定が遅延している間、第三者からの指摘があった場合などには、いつでも審査を再開することができる。

(7) なお、遅延請求は、2023年1月1日以降にのみ行うことができる。それ以前に提出された請求は、提出されなかったものとみなされる。

(8) 遅延請求を有効に行うことで、規則(EU)No 1257/2012の適用日以降に欧州特許が付与されることが保証され、付与された欧州特許は、その後、欧州単一特許として登録することができる。

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