EU|欧州委員会、一般競争規則から特定の契約や慣行を免除する「技術移転契約に関わる一括適用免除規則」の評価に関する意見募集を開始

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EU|欧州委員会、一般競争規則から特定の契約や慣行を免除する「技術移転契約に関わる一括適用免除規則」の評価に関する意見募集を開始

公正な技術競争と技術革新のインセンティブの確保

2022年11月25日、欧州委員会は、EUの一般競争規則から特定の契約や慣行を免除する「技術移転契約に関わる一括適用免除規則」に関する意見募集を開始しました。

同規則については、2026年4月30日に期限切れとなることから、欧州委員会は、同規則及び関連ガイドラインが実際にどのように機能しているかを評価し、同規則の失効、存続或いは改定を行うための判断材料とするための意見募集を開始しました。
意見募集の期間は、2022年11月25日〜2022年12月23日となっています。

背景

EUの機能に関する条約第101条第1項は、競争を制限する事業者間の契約を禁止しています。それが商品、サービス、生産、流通の改善、または技術もしくは経済の進歩の促進に寄与し、かつ消費者がその結果として得られる利益を公正に分配することを可能にする場合はこの限りではありません。条約第101条第3項に基づき、消費者にその結果もたらされる利益を公正に分配することを認めています。

技術移転契約とは、一方の当事者が他方の当事者に対して、商品またはサービスの生産のために特定の産業財産権(特許権、意匠権、ソフトウェア著作権、ノウハウなど)の使用を許諾する契約ですが、このような契約は条約101条1項の適用範囲外となっています。

すなわち条約101条1項の範囲外であるか、あるいは101条1項に該当する場合、消費者に還元され、条約101条3項の条件を満たすような客観的効率を生み出すものでなければなりません。

しかし、技術移転契約や、そのような契約内の特定の条項は、競争に対して悪影響を及ぼす可能性もあります。具体的には、談合を助長したり、競合他社の市場参入や拡大を制限したり、技術革新のインセンティブを低下させるなどして、技術競争に弊害を及ぼす可能性があります。

欧州委員会は、規則第19/65/EEC号により、特定の種類の技術移転契約に対して、規則によって条約第101条3項を適用する権限を与えられています。また、関連する技術移転契約に対する条約第101条の適用に関するガイドラインにおいて、技術移転契約の評価に関する指針を提供しています。

評価の目的及び範囲

本評価の目的は、「技術移転契約に関わる一括適用免除規則」と同ガイドラインの機能に関するエビデンスを収集し、欧州委員会が同規則の失効を認めるべきか、期間を延長すべきか、あるいは2014年以降に発生した市場の発展を考慮するために同規則を改定すべきかの判断に用いることです。

(1)関連性
欧州委員会は、同規則とガイドラインが、条約101条3項の条件の確保ができている技術移転契約を条約101条1項の禁止から除外するというその目的に照らして、現在も適切であるか否かを判断します。

(2)有効性
欧州委員会は、同規則とガイドラインの規定が、条約101条3項の条件を満たすと十分な確証をもって想定できない技術移転契約を特定する上で、どの程度有効であるかが証明されているかを評価します。

これは、特にハードコア制限※1のリストに関するもので、すなわち、契約に使用することで契約全体が一括適用免除の対象から除外されるような厳しい競争制限のリストに関するものです。また、「除外された制限」のリスト、つまり、同規則の対象にはならないが、契約に使用することで他の契約が一括適用免除のセーフハーバールール※2の恩恵を受けることを妨げない制限にも関係します。

ハードコア制限※1:再販売価格の維持行為や、販売対象地域または販売対象顧客の厳格な制限を指します。

セーフハーバールール※2:予め定められた一定のルールのもとで行動する限り、違法ないし違反にならないとされる範囲を指します。

(3) 効率性
欧州委員会は、同規則とガイドラインが、事業者、管轄競争当局が条約101条1項の禁止を遵守するためのコスト削減に寄与しているかどうかを評価します。

(4) 一貫性
欧州委員会は、同規則とガイドラインの整合性、及びEU(反トラスト)法令における欧州委員会の全体的な政策と実務の進展に沿ったものであるかどうかを評価します。

(5) EUの付加価値
欧州委員会は、同規則とガイドラインが、EU加盟国の競争管轄当局と裁判所による技術移転契約への条約101条1項の一貫した適用を確保することにどの程度貢献しているか評価します。

コンサルテーション戦略

コンサルテーションプロセスの目的は、技術移転契約から生じる競争課題について、企業及びEU競争法執行の観点から、詳細な評価を行うことです。また、利害関係者がフィードバックや提案を提供できるようにすることで、評価プロセスの透明性と説明責任を確保します。

本評価は、主に、EU域内で事業を展開し、経済のさまざまな分野で活動する、産業財産権を保有する企業や他の独立企業と技術移転契約を締結している企業、競争課題に関して助言している法律事務所や経済コンサルタント会社が関心を持つと考えられます。

4週間にわたるエビデンス提出の募集に加え、評価プロセスにおいて以下の協議が予定されています。

・ 12週間の公開コンサルテーションを2020 年第 2 四半期に開始する予定です。質問は欧州委員会の3つの公用語(英語、フランス語、ドイツ語)で発表され、回答はEUのどの公用語でも可能です。このコンサルテーションは、欧州委員会の中央パブリックコンサルテーションポータルと、「Have Your Say」プラットフォームの専用ウェブページで公開される予定です。

・ ステークホルダー・ワークショップは第4四半期(2023 年)に予定されています。このワークショップには、すべての利害関係者団体の代表が参加し、「技術移転契約に関わる一括適用免除規則」及び同ガイドラインの見直しに特に関心のある問題に焦点を当てています。

EU加盟国の競争管轄当局とは、欧州競争ネットワークのワーキンググループの枠組みで協議を行う予定です。欧州競争ネットワークのワーキンググループの枠組みでは、EU加盟国の競争当局と協議を行い、協議活動の結果を纏めた概要レポートが評価スタッフの作業文書に添付される予定です。

データ収集と方法論

「技術移転契約に関わる一括適用免除規則及び技術移転ガイドライン」の関連性、有効性及び効率性の評価には、他の分析の中でも、2014年のこれらの文書の採択以降に発生した市場の発展及びEU内の事業者間の協力に与える影響の分析が必要です。

情報は、独立した評価研究と共に、文献調査、公開協議及びステークホルダー・ワークショップにおいて、ステークホルダーから収集される予定です。この関連で、利害関係者には、同規則及びガイドラインに関連するコスト削減額の推定も依頼する予定としています。

同規則及びガイドライン一貫性を評価するためには、これらの制度の内部的な一貫性、欧州委員会の独占禁止法施行に関する政策と実務全般との一貫性、そして、より広いEUの政策と実務との一貫性を評価することが必要です。この目的のために、欧州委員会は、公開協議の中で利害関係者の認識に関する追加情報を収集する予定です。

同規則及びガイドラインのEUにおける付加価値を評価するためには、EU加盟国の競争当局及び裁判所によるその適用を分析することが必要です。この分析は、独立した評価研究を通じて行われ、欧州競争ネットワークのワーキンググループの枠組みで、EU加盟国の競争当局と協議することにより実施されます。

参考情報

  • EU competition rules on technology transfer agreements – evaluation

上記のPDF文書はEU公式Webサイトよりアクセスが可能です。

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