2022.12.15
EU|欧州委員会、デジタルの公正性に関するEU消費者保護法令の適合性チェックについて意見募集を開始
高水準の権利保護に向けた法整備
2022年11月28日、欧州委員会は、デジタルの公正性に関するEU消費者保護法令の適合性チェックについて意見募集を開始しました。欧州委員会は、「新消費者課題」の中で、オンラインとオフラインで均等な公正性を確保するために追加措置が必要であるかどうかを分析すると発表しました。この適合性チェックは、消費者保護法令について、それらがデジタル環境において高いレベルの保護を確保しているかどうかを判断するものです。適合性チェックは3件の指令を対象としています。
・ 不公正取引方法指令 2005/29/EC
・ 消費者権利指令 2011/83/EU
・ 不公正契約条項指令 93/13/EEC
意見募集は2022年11月28日〜2023年2月20日の期間でなされます。
背景
欧州委員会は、2020年11月13日の「新消費者アジェンダ」で、2022年までに、不公正取引方法指令と消費者権利指令に関するガイダンス文書を更新した後、中期的に、オンラインとオフラインの均等な公正性を確保するために追加の法律やその他の措置が必要かどうかを分析することを発表しました。
指令の解釈と適用に関する新しい欧州委員会告示は、2021年12月29日に官報に掲載されました。そのフォローアップとして、欧州委員会は現在、デジタル環境における高水準の消費者保護を確保するために、既存の主要な水平消費者法制度が引き続き適切かどうかを判断するため、デジタルの公正性に関するEU消費者法の適合性チェックを開始しようとしています。
欧州委員会は、2017年に実施したEU消費者法令の適合性チェックの結果を踏まえ、一般的に、同法令の原則に基づく規則は依然として目的に適っていますが、デジタル分野を含め、既存の枠組みを強化するために的を絞った法改正の必要性を確認します。過去5年間におけるデジタル市場の急速な発展を考慮すると、消費者保護の観点から問題を引き起こす可能性のあるデジタル慣行に特定の焦点を当てた、新たな目標のある適合性チェックを実施することが必要かつ適切としています。
適合性チェックの実施時期が予定されていることにより、欧州委員会は、消費者法のより良い施行と現代化指令により、2022年5月28日にこれらの指令の最新の変更が適用されることを考慮に入れた、包括的でエビデンスに基づく評価を完了することができます。現代化指令、及びデジタルサービス法、デジタル市場法、人工知能法、データ法など、今後予定されている関連法制の進展に配慮することができます。
目的と範囲
デジタル化は、企業と消費者の実務に改善と課題の両方をもたらしています。新しい技術やデータ主導の慣行は、消費者の選択肢を損ない、消費者の利益に反する決定を下すよう影響を与えるために利用される可能性があります。
これは、特に不公正な商慣行や契約条件から、デジタル環境における消費者を保護するために策定された現行の規則の有効性を制限する可能性があります。
最近採択された現代化指令とデジタルコンテンツ指令は、例えば、個人向け価格の透明性、消費者レビュー、無料デジタルサービス、検索結果のランキング、オンラインマーケットプレイスの義務などに関して、こうした課題の幾つかに対処しています。技術の進歩の速さとそれが消費者体験に与える影響を考慮すると、現在及び将来のニーズによりよく対応するための追加措置が必要となる可能性があります。
適合性チェックは、水平的な消費者法制度が、デジタル環境における高水準の消費者保護を確保するために適切であり続けるかどうかという疑問に答えることを目的としています。
消費者の脆弱性、ダークパターン(悪意のあるユーザーインタフェース)、パーソナライゼーション(個人向けの最適化)、インフルエンサーマーケティング、契約解除、サブスクリプションサービス契約、仮想アイテムのマーケティング、デジタル製品の中毒的使用などの消費者保護問題に対処するための既存のEU規則が適切であるかどうかを検討します。既存の法的枠組みが、今後予定されている法律との整合性を考慮、確保しつつ、的を絞った強化や合理化によって利益を得ることができるかどうかを評価し、負担軽減、コスト削減、簡素化の余地も検討します。
この適合性チェックは、新たな立法案や、より良い施行とガイダンス、或いはさらなるモニタリングを通じて実施を改善するための措置につながる可能性があります。
コンサルテーション戦略
欧州委員会は、以下の活動を通じて、一般市民と協議を行います。2022年の第4四半期に、欧州委員会はすべてのEUの言語で公開コンサルテーションを開始する予定です。アンケートは、欧州委員会の中央パブリックコンサルテーションのウェブページ「Have your say」で最低12週間利用可能となっています。欧州委員会は、協議の終了後すぐに、協議の結果に関する概要報告書を公表します。
協議の予定は以下の通りです。
・ 加盟国の当局や消費者団体、企業団体などの欧州の利害関係者を対象とした協議
・ 欧州委員会の専門家グループ(消費者政策アドバイザリーグループ)との協議
・ 消費者法及びマーケティング法に関する加盟国専門家グループとの協議
・ 評価対象となる指令の影響を受ける利害関係者との二者間会合
すべての協議活動の結果は、適合性チェックの附属書として発行される総括報告書にまとめられる予定です。
EUの消費者がデジタル移行において積極的な役割を果たせるようにするためには、強力な消費者保護の枠組みが不可欠です。欧州委員会は、現行のEU消費者法がデジタル環境における高水準の消費者保護を確保するために適切であるかどうかを判断するため、適合性チェックを開始しました。欧州委員会は、この分野における主要な問題点、可能な解決策、簡素化と負担軽減の余地について意見と情報を収集しています。
本協議では、一般市民及び加盟国当局、学識経験者、消費者団体、企業組織、オンラインプラットフォーム、デジタルコンテンツやサービスを提供する企業、その他デジタル環境で事業を行う企業など、すべての関係者を対象としています。
データ収集と方法論
このエビデンス募集と上記の協議で収集されたデータに加え、適合性チェックは、外部委託業者が実施する調査によってサポートされる予定です。
参考情報
- Fitness Check of EU consumer law on digital fairness
上記のPDF文書はEU公式Webサイトよりアクセスが可能です。
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