EU|欧州理事会と欧州議会、電池規則案の一部内容について暫定合意

軽輸送手段用電池にも回収目標を設定へ

2022年12月09日、欧州理事会は、3機関での非公式会合が続いてたEU電池規則案の検討について、一部の内容について暫定合意がなされたことを明らかにしました。

携帯型電池の回収目標の設定、廃電池からのリチウムのリカバリー目標、産業用電池や始動用、照明用、点火用電池(SLI)、EV用電池について、リサイクル材料の使用義務、ラベル表示要件の適用時期などについて合意がなされたとされています。

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発表された合意内容の要点:

■ 携帯型電池の回収目標:2027年末までに63%、2030年末までに73%

■ 軽輸送手段用電池に新たに回収目標を設定:2028年末までに51%、2031年末までに61%

■ 廃電池からのリチウムのリカバリー目標:2027年までに50%、2031年に80%

- 目標値は別途委任規則により修正される余地が残る

■ 始動用電池、照明用電池、点火用電池(SLI)(starting, lightning and ignition (SLI) batteries)についての要件(※自動車用電池の要件だった箇所と推察)

■ 産業用電池やSLI、EV用電池のリサイクル材料含有義務-閾値:コバルト16%、鉛85%、リチウム6%、ニッケル6%

- 電池にリサイクル含有量証明書を保持する義務を追加

■ ニッケル・カドミウム電池のリサイクル効率要件:2025年までに80%

■ その他で電池のリサイクル効率要件:2025年までに50%

■ 家電製品に組み込まれた携帯用電池はエンドユーザーが取り外して交換できるようにする必要があるが、猶予期間(事業者に対して設計の適合性を確保するための期間)として、規則発効後42ヶ月を設定

■ 軽輸送手段用電池の交換は、独立した専門業者によりなされるものとする

■ 電池の構成部品やリサイクル材に関する表示や情報提供の要件、「電池パスポート」やQRコードなども導入へ

■ ラベル表示要件が適用されるまでの猶予期間:規則発効後36カ月

■ QRコード要件が適用されるまでの猶予期間:規則発効後42カ月

■ デューデリジェンス要件:中小企業に対する適用除外要件を設定

この後の展開は?

まだ「一部」の「暫定」合意ですので、公布まではまだ必要なステップがございます。

法令として制定されるには、立法機関である欧州議会と欧州理事会が、調整後の同じ修正案の内容に合意する必要があります。大まかなステップとして、その後、両機関の長の署名、官報での公布という流れになります。

文書登録簿や法令データベースなどでも今回の合意文書を確認できませんので、これまでの非公式会合と同様、非公式会合での合意として明らかにはされていないようです。そのため、元々の要件の分量に対して、どの程度が合意されたのか、上に公表されている内容が全てなのかなどが不明瞭です。

次に注目するステップは、欧州議会と欧州理事会の両機関の最終合意がなされるかどうか、という点になります。

ウェビナー案内

ウェビナー|EU電池規則案 続報~暫定合意の意味するところは!?

2023年02月01日(水)13:00~16:00、「EU電池規則案 続報~暫定合意の意味するところは!?」と題するウェビナー(オンラインセミナー, Zoom視聴)を開催します。

検討が続くEU電池規則案について、2022年12月08~09日に明らかになった第一読会における欧州議会と理事会の一部内容の暫定合意。暫定合意の文書は公開されていないにもかかわらず、報じられた内容には多くの示唆が含まれています。

「EU電池規則案はどうなったのか」と気になっていた方が多いと思われるなか、暫定合意の内容とそれに関連する要件の情報を交え、暫定合意が意味するところについて考えを提示します。

ご案内ページはこちら

参考:非公式三機関会合:Trilogue(トライローグ、トリローグ)とは?

以前の記事で紹介した内容を再掲します。
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まず前提として、EU法形成過程では、欧州議会と欧州理事会が同じ内容の修正内容に合意する必要があります。これは、EUだけでなく、例えば米国でも上院と下院が同じ法令案の調整内容に合意した上で、大統領が署名して法律が成立します。

欧州議会の場合、主担当の専門委員会が報告書(修正案付)を採択するとすぐに、交渉開始を決定することができるとされており、このような決定は、第一次読会で、本会議による「チェック」を受けるとのことです。

本会議は、交渉に入るという専門委員会の決定を承認するか、または報告書の内容を修正し、修正後の報告書を交渉のために委員会に差し戻す権限を持っています。また、本会議はいつでも、交渉なしで議会の第一読会を終了させることを決定することができるとも説明されています。

各機関は交渉担当者を指名し、交渉のマンデートを定義するとされ、三機関会合は、立法手続きのどの段階(第一読会、第二読会、第三読会)でも開催することができるものとされています。

つまり、この非公式会合は、「~ヵ月以内に結論を示さなければならない」というような、法形成過程に見られる法的拘束が強いものではなく、必要に応じて開催される、柔軟性の高い非公式会合となります。しかし、その特徴ゆえに、先読みを困難にする要素としても機能しています。

3機関会合で成立した暫定的な合意は非公式なものであるため、2つの機関それぞれに適用される正式な手続きによって承認される必要があるとされています。議会では、仮合意の文章は委員会での投票によって承認され、その後、本会議で確認される必要があります。

会合は、欧州理事会と欧州議会のそれぞれの側が、それぞれの立場を説明し、欧州委員会は、共同立法者間の合意を促進するための仲介役を務めます。

3つの代表団(3つの機関からの代表団)は非公式に妥協の可能性を探り、それぞれの機関の内部規則に従って、つまり交渉団を経由して、議会では専門委員会に、理事会では担当作業部会(またはCoreper)に定期的に報告することになります。

欧州理事会のCoreperとは?

Coreperとは欧州理事会の準備会合組織の一つです。Coreperは「欧州連合加盟国政府常設代表委員会」の略称です。その役割とさまざまな構成については、EU機能条約240条1項で説明されています。理事会の議題に含まれるすべての項目(一部の農業問題を除く)は、理事会が別途決定しない限り、まずCoreperの審査を受けなければならないとされています。

主な任務には、理事会の各組織の作業の調整と準備、EU政策の一貫性の確保、合意や妥協案を作成し、理事会で採択されるよう提出するなどが挙げられています。Coreper自体は意思決定権限がないため、あくまでも理事会としての立場の案の準備組織となります。

Coreper IとCoreper IIがあり、Iは市場競争や環境など6分野、IIは外国関係、司法、総務など4分野を対象としています。会議は毎週行われるものとされています。

参考

■ 欧州理事会の発表

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