EU|欧州理事会、航空輸送排出権のオフセット要求事項(CORSIA)に関する決定を採択

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EU|欧州理事会、航空輸送排出権のオフセット要求事項(CORSIA)に関する決定を採択

CO2の排出量削減と排出枠の購入による地球規模での環境保全

2022年12月19日、EU理事会は、気候ニュートラルに向けた地球規模の目標に貢献することを目的とした、CORSIA(航空輸送排出権のオフセット要求事項)のオフセット要件の通知に関する決定を採択しました。

背景

CORSIAは、国際航空からの温室効果ガス排出量をCOVID 2019-2020以前のレベルで安定化させることを目的として、2018年にICAO(国際民間航空機関)で合意されたものです。これは、航空機技術及び運用の改善、持続可能な航空燃料を含む、より広範な措置を補完するものになります。

CORSIAの義務については、国際線からのCO2排出に関連する監視、報告、検証(MRV)要件が2019年1月1日から適用され、これらの義務については二次法によって既にEU法に導入済みです。また、CORSIAのオフセット要件については、2021年1月1日から適用されています。

CORSIA パイロットフェーズ(2021-2023年)及びファーストフェーズ(2024-2026年)への各国の参加については任意となっています。

CORSIAの概要

CORSIAは、2018年にICAOが採択した国際航空からのCO2排出量をオフセットするための地球規模の目標であり、EU加盟国は2021年1月に始まったパイロットフェーズから参加することを約束しています。

採択された決定により、加盟国はICAOでの国際的な協定に基づき、EUに拠点を置く事業者にCORSIAオフセット要件を通知する最初の年次義務を履行することになります。

CORSIAの決定により、加盟国は、航空に関するCO2排出権取引制度の改正に基づく新しい規則が共同立法者によって採択され、加盟国の法律に反映されるまで、ICAOが定めた規則に従って国際公約を守り、届出義務を履行することができるようになります。

ICAOのCORSIAは、CO2排出量の監視、報告、検証に関して2019年から運用されており、2021年1月1日から国際航空の同排出量が一定のレベルを超えても一定の相殺クレジットで相殺することを目指している世界共通の市場ベースの措置となっています。

経緯

気候変動枠組条約(UNFCCC)に基づき2015年12月に採択されたパリ協定は、2016年11月に発効しました。その締約国は、世界平均気温の上昇を産業革命前と比べて2℃より十分に低く抑えること、及び気温上昇を産業革命前と比べて1.5℃に抑える努力を追求することに合意しています。

そのコミットメントは、2021年11月のグラスゴー気候条約の採択によって強化され、締約国会議では、気温上昇が2℃に比べて1.5℃では気候変動の影響がはるかに小さくなることを認識し、気温上昇を1.5℃に抑える努力を追求することを決議しました。

EUは、EUの法令とCORSIAの環境保護に関する国際基準及び推奨慣行(CORSIA SARPs)を定めた「国際民間航空に関する条約-国際航空のためのカーボンオフセット及び削減スキーム」の附属書16における規定との差異、及び理事会決定(EU)2018/2027の採択を受けてICAOに通知された、欧州議会及び理事会指令2003/87/ECを通じてCORSIAを実施する意向であることを表明しました。

航空機排出量の監視、報告、検証に関するCORSIAの規則を適切に実施するため、2019年に委員会委任規則(EU) 2019/1603が採択されました。

CORSIA SARPsの意味でのオフセットは、同委任規則に従って検証されたCO2排出量に基づいて計算されます。

COVID-19の流行により2020年の航空排出量が大きく減少したため、ICAO理事会は2020年6月の第220回会合で、2021年から2023年にかけて航空機運航会社が実施すべきオフセットを算出するためのベースラインとして、2019年の排出量を使用すべきと決定しました。その決定は、2022年10月のICAO第41回総会で承認されています。

航空機の排出量は、2021年に集団で2019年のレベルを超えなかったため、2022年10月31日、ICAOは、2021年排出量のSGF(セクター成長係数)がゼロに等しいと決定しました。SGF は、年間事業者のオフセット要件を計算するために使用される CORSIA 方法のパラメータになります。

CORCIAのオフセット要件

以下にCORCIAのオフセット要件の概要を示します。

各国は、加盟国及び加盟国によって発行された会員運航者証明書を、航空機運航者に通知することにより、CORSIAを実施することになります。

2022年11月の決定書の目的については加盟国では十分に達成できないものの、その規模や効果から、EUレベルで達成できるため、EUは、EU条約5条に規定される補助金の原則に従い、措置を採用することができます。

同条に定める比例の原則に従い、本決定はこれらの目的を達成するために必要な範囲を超えないものとしています。

2022年のできるだけ早い時期に、2021年のCORSIAオフセットに関して、各国当局及び航空機運航会社にとって法的確実性があることを確認することが重要であるため、本決定は遅滞なく発効されるべきとしています。

経済全体の排出削減目標に対する航空の貢献に関して、指令2003/87/ECを修正する欧州議会及び理事会指令の採択と、国際市場ベースの措置の適切な実施を妨げることなく、本決定は、その指令の移行期間が終了するまでのみ適用する純粋な暫定措置とすることを意図しています。

2023年11月30日までに移行期間が終了せず、ICAOが2022年排出量のSGFがゼロと判断した場合、加盟国は、2022年に関するオフセット要件がゼロとなることを航空機運航者に通知することになります。

2022年排出量のSGFがゼロと異なる場合、欧州委員会は、適切な場合には、これらのオフセット要件の計算及び通知に関する新たな提案を提出することができるものとします。したがって、指令2003/87/ECは適宜修正されるべきとしています。

CORCIAに関する各加盟国の航空機運行事業者への通知義務(要件)を以下に示します。

■ 2022年11月30日までに、加盟国は、2021年に関して、ICAOの「国際航空におけるカーボンオフセット及び削減スキームのための環境保護に関する国際基準及び推奨慣行」(CORSIA SARPs)の3.2.1項にいうオフセット要件がゼロとなることを航空機運航事業者に通知すること。

■ 加盟国は、以下の条件を満たす航空機運航事業者に通知すること。

(a) 航空機運航者が加盟国によって発行された運航者証明書を保持しているか、または加盟国(当該加盟国の最外周、従属国及び領土を含む)において登録されていること。

(b) 本指令の附属書I及び欧州委員会委任規則(EU)2019/1603の2条(3)に該当するフライトを行う、最大認定離陸質量5,700 kgを超える航空機の使用により、年間10,000トンを超えるCO2排出を生じていること。2021年1月1日から、同一加盟国(その加盟国の最外周を含む)を出発、到着するもの以外のもの。

上記(b)の目的において、以下の種類の飛行からのCO2排出量は除外すること。

(i) 国家飛行、
(ii) 人道的飛行、
(iii) 医療飛行、
(iv) 軍事飛行、
(v) 消火飛行、
(vi) 人道、医療、消火飛行の前後の飛行、

但し、これらの飛行は、同一の航空機で行われ、関連の人道、医療、消火活動を行うため、または次の活動のために航空機を再配置するため必要だった場合に適用されること。

2023年11月30日までに、EUの経済的な国際市場が、幅広い排出削減目標に対する航空の貢献と、それに基づく措置を適切に実施することを検討し、当該立法行為の移行のための期間が満了しない場合、SGF及びICAOが公表する2022年の排出量のセクター成長因子がゼロとなる場合、加盟国は2023年11月30日までに、航空機運航事業者に、2022年に関して、オフセット要求がゼロであると通知すること。

ICAOのCORSIA SARPsの2.1項の意味におけるオフセット要件がゼロになることを2023年11月30日までに航空機運航事業者に通知すること。

                              DECISION (EU) 2022/…(CORSIA) Article 1より引用・仮訳

参考情報

上記のPDFファイルはEUプレスリリースよりアクセスが可能です。

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