EU|液体状の水銀廃棄物の一時保管に関する改正規則を公布

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EU|液体状の水銀廃棄物の一時保管に関する改正規則を公布

専用設備のある埋立地における一時保管の期間延長

2022年12月22日、欧州委員会は、液体状の水銀廃棄物の一時保管に関する欧州議会及び理事会規則(EU)2017/852を改定、欧州議会及び理事会指令(EC)No 1102/2008を廃止し、委員会規則(EU) 2022/2526 として公布しました。

EUにおける水銀に関する規制動向

水銀は、水産資源、生態系、野生生物に含まれるメチル水銀の形で、人間の健康に対する世界的かつ大きな脅威となる非常に有害な物質です。水銀汚染には国境を越える性質があるため、EUにおける水銀の総沈着量の40%から80%はEU外からもたらされています。

したがって、地方、地域、国、国際レベルでの対策が必要とされています。水銀の排出とそれに伴う暴露リスクのほとんどは、一次水銀採掘、加工、製品や工業プロセスにおける水銀の使用、小規模な金採掘、加工、石炭燃焼、水銀廃棄物の管理などの人為的活動に起因しています。

欧州議会及び理事会決定1386/2013/EUにより採択された第7次環境行動計画は、無害な環境という長期目標を設定し、そのために2020年までに化学物質の人の健康及び環境に対する著しい悪影響を最小化するための行動が必要と規定されています。

EUと26の加盟国は、2013年の水銀に関する水俣条約に署名しています。条約に署名しなかった2つの加盟国であるエストニアとポルトガルは、条約を批准することを表明しており、EU及びすべての加盟国は、その締結、転嫁および実施にコミットしています。

EUによる条約の迅速な承認と加盟国による批准は、条約に加盟している世界の主要な水銀使用、排出国の批准と実施を促すことになっています。

規則(EU)2017/852の概要

2017年5月24日に公布された規則(EU)2017/852の要件の一部を以下に示します。

・ EUの機能に関する条約(TFEU)93条に基づき、本規則は、加盟国がより厳しい保護措置を維持または導入することを妨げないとしています。

・ 規則(EC)No 1102/2008 に定める水銀の輸出禁止は、水銀の供給源、使用目的、原産地により異なる水銀の輸入制限により補完されるべきとし、水銀廃棄物の輸入に関しては、欧州議会及び理事会規則 (EC) No 1013/2006を引き続き適用すべきとしています。

・ 水銀及び水銀混合物の輸入に関する本規則の規定は、水銀の取引に関する条約の義務のEU及び加盟国による履行を確保することを目的としています。

・ 水銀及び水銀化合物のEU域内及び全世界での使用に大きな割合を占める様々な水銀添加製品の輸出、輸入及び製造は禁止されるとしています。

・ 水銀含有量の上限を含め、水銀添加製品に対してより厳しい要件を定めている適用可能なEU加盟国の規定を害することなく適用されることとします。

・ 製造工程における水銀及び水銀化合物の使用を段階的に廃止し、そのために無害であるか、環境及び人の健康に対する危険性が低い特性を有する代替物質の研究に対するインセンティブを提供すべきとしています。

・水銀廃棄物は、一時保管に関する特定の要件が順守され、かつ当該保管が同廃棄物の一時保管専用で装備された地上設備で行われる場合に、液体状態で一時的に保管できるものとします。本要件は、2023年1月1日をもって適用を終了します。

改定の経緯

規則(EU)2017/852の11条では、純粋な形態であるか混合物であるかを問わず、同条に規定される4つの大きな発生源に由来する水銀及び水銀化合物は、欧州議会及び理事会指令2008/98/ECの定義における廃棄物とみなされ、最終処分されるよう定められています。

一方、規則(EU)2017/852の13条は、4つの大規模排出源によって生成された廃棄物を含む水銀廃棄物は、最終処分の前に、特定の処理作業、すなわち、転換及び地上施設での永久処分を意図する場合には転換及び固化処理を行うことを要求しています。

規則(EU)2017/852の13条(1)は、理事会指令1999/31/ECの5条、ポイント(a)からの免除により、転換と固化を待つ液体状の水銀廃棄物が、指令1999/31/ECに定められた環境と人間の健康保護に関する要件に従い、2022年12月31日まで専用の設備のある埋立地に一時的に保管することを許可しています。

2022年5月に加盟国から報告された情報によると、EU内で2,000トン以上の液体水銀廃棄物が一時保管されており、その廃棄物の転換と固化にはさらに時間が必要であることが示されました。

このような保管に許可される期間を2025年12月31日まで延長することは、埋立地での一時保管が指令1999/31/ECに定められた適用要件に従って行われ続けることを保証するために必要であると考えられています。したがって、規則(EU)2017/852は、新規則(EU)2022/2526 として一時保管の期限を修正して公布する必要があるとしています。

改定箇所

水銀廃棄物の保管に関する改定箇所は、以下の通りとなっています。

1条
規則(EU)2017/852の13条(1)において、第2サブパラグラフを以下に置き換える。
「1に定める軽減措置は、2026年1月1日から適用されなくなるものとする。」

2条
この規則は、欧州連合の官報に公示された日の翌日から3日目に発効する。
この規則は、その全体が拘束力を有し、すべての加盟国において直接適用されるものとする。

                                  規則(EU)2022/2526より引用・仮訳

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