EU|鉛、ジイソシアネートへの曝露から労働者を保護するための指令改正案

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EU|鉛、ジイソシアネートへの曝露から労働者を保護するための指令改正案

EU加盟国の労働者の健康と安全を改善するEU指令の更新

2023年2月13日、EUの雇用・社会問題・包摂総局(DG EMPL)は、化学物質への曝露に関連するリスクから労働者を保護するためのEU指令(98/24/EC)の更新を発表しました。

この更新は、EU加盟各国で自主的に実施していた有害物質の鉛とジイソシアネート(lead and di-isocyanates)の制限値を拘束力のある共通の制限値を設定・改訂を実施して、EU加盟国の労働者の健康と安全を改善することを目的としています。この取り組みを推進して協議を行い、最終的な立法内容を決定する予定です。

改定の概要

労働安全衛生諮問委員会(ACSH)は、EU各国の政府代表、労働者代表、使用者代表で構成されています。拘束力のある制限値については、EUのソーシャルパートナーの正式な2段階協議が行われています。

2020年6月、鉛とジイソシアネートの危険性に関するRAC科学意見が採択されました。そして、2021年11月にはACSHの意見が採択され、EUの対策が必要であることが確認されました。

この採択された法律は、(2023年2月14日〜2023年4月26日の間、意見を募集しており、その結果は、欧州委員会が要約して欧州議会および欧州理事会に提出され、立法論議に反映されることになります。

対象物質の 鉛およびその無機化合物は、性機能や生殖能力、胎児の発育に影響を与え、その他の健康影響を引き起こす可能性のある再毒性物質です。

もう一つの対象物質のジイソシアネートは、主要な呼吸器喘息誘発物質で、職業上の曝露により労働年齢の成人の喘息患者の9%〜15%がこれに該当しています。

.本改訂は、鉛の規制値を見直し、ジイソシアネートの規制値を初めて導入することで、労働者の健康と安全を高いレベルで保護することを目的としており、発がん性物質、変異原性物質および生殖毒性物質指令2004/37/EC4(CMRD)と化学剤指令98/24/EC5(CAD)が中心となっています。

法的根拠

このイニシアチブの法的根拠は、欧州連合の機能に関する条約第153条です。この条文は、労働者の健康を守り、安全を確保するために労働環境を改善する各国の活動を支援・補完する権限をEUに与えています。

化学物質指令98/24/ECは、欧州委員会が職場における化学物質の暴露制限値の新設または改訂を提案する法的要件を定めており、雇用者が職場のリスク評価を実施し、リスク防止対策を実施する義務を課すとともに支援しています。

化学剤指令の第3条1項は、欧州委員会に対し、利用可能な最新の科学的データの自主的な科学的評価によって、危険な化学剤の健康影響と職業上の曝露レベルとの関係を評価することを求めています。

労働者の有害化学物質への曝露をさらに減らすためのイニシアチブは、欧州社会権の基本行動計画で発表されました。その後、2021年から2027年のOSH戦略枠組みの採択で確認され、2022年にこの分野での法的提案を提示することが決定しました。

これまでに欧州委員会は、利用可能な最新の科学的データを考慮して制限値の設定または改訂を実施しています。鉛とその化合物に関する拘束力のある制限値、および職業暴露制限値(OEL)の5つのリストを採択しました。これらの制限値は、あらゆる経済活動分野での化学物質の使用に適用されています。これらの値は、化学物質に関するEU法とも整合性があり、EUにおける一般・工業用化学品の基本法令であるREACH 規則を含む一般的なものです。

要点と重要情報

鉛とその化合物

鉛とその化合物は、i)性機能と生殖能力、ii)胎児や子孫の発達(発達毒性)に影響を及ぼす可能性のある重要な職業上の毒性物質です。

生殖毒性化学物質の曝露は、他の有害な影響を含めて、生殖能力の低下、流産、または重篤な先天性欠損をもたらす可能性があり、生殖毒性物質への職業上の曝露の約半分を鉛が占めています。

鉛とその化合物の工業的生産と使用に関わる主な部門は、一次および二次鉛生産、電池(リサイクルを含む)、鉛板、弾薬の生産、酸化鉛とフリットの生産、鉛ガラスとセラミックの生産です。

化学物質指令98/24/ECに基づく鉛およびその化合物のEU拘束力のあるOELおよび生物学的限界値(BLV)は、20年以上更新されていないため、最新の科学技術の発展や知見を考慮したものではありません。

その結果、各国の規制値は大きく異なり、その結果、環境負荷の大きさに格差が生じることになっています。

ジイソシアネート(di-isocyanates)

ジイソシアネートは、皮膚および呼吸器感作性物質(asthmagens)であり、職業性喘息や皮膚職業病(アレルギー反応)を引き起こす可能性があります。

ジイソシアネートは、肺が過敏になって、喘息発作を誘発する可能性があり、ポリウレタンフォーム、プラスチック、コーティング剤、ワニス、2液型塗料、接着剤などの製造に広く使用されています。

いくつかのEU諸国は、独自の、異なる、国内限界値を設定しています。これらの国のうち4カ国はジイソシアネートの一般的なOELを設定しており、他の数カ国は特定の化合物に関するOELを設定しています。

参考情報

■ インパクトアセスメントのエビデンス募集 – Ares(2022)1281076/労働安全衛生諮問委員会(ACSH: Advisory Committee on Safety and Health at Work)

■ 鉛およびその無機化合物、ジイソシアネートの規制値に関する欧州議会および理事会の指令98/24/ECおよび指令2004/37/ECの改正/雇用・社会問題・包摂総局(DG EMPL)

■ 鉛およびその無機物の規制値に関する影響評価報告書のエグゼクティブサマリー

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