EU | 欧州委員会、通信速度が1Gbpsに対応した通信のインフラ整備に関する新たなイニシアチブを発表
EUのコネクティビティ分野の変革への新たなイニシアティブを発表
高速ブロードバンドに関するEUの規則(指令2014/61/EU)は、関連コストを削減することで、EU全域の人々に高速インターネット接続を可能にすることを目的としていました。
欧州委員会は、2021年9月15日、2030年までの欧州のデジタル化移行の実現を目指す「デジタル10年(Digital Decade)」において、EU全体での目標を定めた「デジタル・コンパス2030」の達成に向けた具体的なガバナンス枠組みとなる「デジタル化の10年間に向けた方針」に関する決定安を発表しました。
この決定案は、「デジタル・コンパス2030」で示されたデジタルスキルの育成、デジタルインフラの整備、ビジネスのデジタル化、公的サービスのデジタル化の各分野における数値目標を法制化するとともに、欧州委と各加盟国の協力メカニズムを規定するものです。
さらに、欧州委員会は2023年2月23日、通信速度が1ギガビット毎秒(Gbps)に対応した通信(ギガビット通信)のインフラ整備に関する新たなイニシアチブを発表しました。2014年にまとめたブロードバンドコスト削減指令を廃止するものです。手続きの簡素化などインフラ関連の法案をまとめるとともに、通信事業者への対応についてのガイダンスを各国に示しています。
ギガビット通信のインフラ整備の費用負担に関するパブリック・コンサルテーション(公開諮問期間:2023年2月27日~2023年5月16日)を開始し、その後採択して実施される予定です。
規定見直しの背景
EUは、接続性を向上させることで、雇用と成長を促進し、EU全域の市民や企業にとって革新的な製品、サービス、アプリケーションの開発という大きな社会経済的利益をもたらすため、さまざまな分野で行動を起こしてきました。
EUは、EU全域でのローミング料金を廃止し、地域社会に無料のWi-Fiホットスポットを設置するための資金を提供する「WiFi4EU」イニシアティブを立ち上げました。
また、EUは、欧州全域のネットワークカバレッジの改善と5Gネットワークの導入に取り組む行政機関や企業を支援するため、資金提供、技術指導の策定、専門家の結集を実施しています。そして、ブロードバンドネットワークのための国家補助に関するガイドラインの改訂版を採択しました。
さらに、6Gネットワーク開発のための大規模な研究イニシアチブである「Smart Networks and Services Joint Undertaking」を立ち上げ、6Gシステム向けの技術能力を開発するための戦略とツールを確立しました。
デジタル10年」の目標は、2030年までに欧州の全世帯をギガビットネットワークでカバーし、すべての人口密集地を少なくとも5Gの性能を持つネットワークでカバーすることです。通信市場に対するEUの投資促進規制の枠組みは、特に欧州電子通信規約、2020年関連市場勧告、接続性ツールボックスで規定されています。
接続性に関するイニシアチブの内容
2023年2月23日、欧州委員会は、「欧州デジタルの10年」の目標に沿って、2030年までにEU全域のすべての市民と企業がギガビット接続を利用できるようにし、EUにおける接続部門の変革を可能にすることを目的とした一連の行動を発表しました。
このイニシアチブは、以下の内容で構成されています。
第一に、欧州委員会は、EU全域でギガビットネットワークをより速く、より安く、より効果的に展開するための新たな規則を定める「ギガビット基盤法」の提案書を採択しました。第二に、欧州委員会は「ギガビット勧告」の草案を発表し、市場支配力が大きい事業者の通信ネットワークへのアクセス条件について、各国の規制当局に指針を与えることで、従来型技術の早期廃止とギガビット・ネットワークの展開加速を促進することを目指しています。
第三に、欧州委員会は、接続部門とそのインフラの将来について、探索的なコンサルテーションを開始し、接続性に対する需要の増大と技術の進歩が、将来の開発やニーズにどのような影響を与えるかについて意見を収集することにしました。
ギガビット基盤法(Gigabit Infrastructure Act)
高度なデジタル技術の導入が進む中、クラウド、人工知能(AI)、データスペース、仮想現実、メタバースなどの技術の開発と利用を原動力に、市民、企業、主要公共部門がよりスマートで柔軟、かつ革新的なサービスを実現し、欧州市民がデジタル権を享受するためには、より高速な帯域が早急に必要としています。
このような背景から、ギガビット基盤法は、より高速で信頼性の高い、データ集約型の接続に対する需要の高まりに対応するものです。これにより、ブロードバンドコスト削減指令(2014年)を廃棄することになります。
ギガビット基盤法は、高度なギガビットネットワークを支える基礎的な物理的基盤整備に時間がかかり、コストがかかるという課題を克服することを目的としています。ギガビットネットワークの展開に関連するコスト、行政負担を軽減するものです。特に、許認可手続きの簡素化とデジタル化が図られ、また、ダクトやマストなどの物理的なインフラを整備し、関係者がアクセスできるようにするため、ネットワーク事業者間の建設工事の調整を強化します。
このような工事は、ネットワーク展開のコストの最大70%を占めています。
さらに、市民が最速の接続サービスを享受できるように、正当な場合を除き、すべての新築または大規模改修の建物には光ファイバーを敷設が義務付けられます。新しいルールのおかげで、事業者は簡素化、デジタル化され、コストのかからない手続きによって、迅速にネットワークを展開することができます。
今後は、欧州議会と欧州理事会がこの規則案を検討することになる。欧州委員会の提案が共同立法者によって採択されると、新規則はすべての加盟国で直接適用されることになります。
ギガビット提案事項
ギガビット勧告案は、市場支配力が大きい事業者のネットワークにアクセスするための条件について、各国の規制当局(NRA)に指針を与えることを主眼としています。勧告案は、すべての事業者が適切な場合に、そのような既存のネットワーク・インフラにアクセスできるようにすることが目的です。
この勧告案は、適切な規制環境を確保し、2~3年以内という過度な遅延なくレガシー技術を切り捨てるインセンティブを与え、持続的な競争を可能にしつつ、規制対象ネットワークへのアクセスに対する価格設定の柔軟性を促進するなど、ギガビットネットワークの高速展開を促進できます。
また、この措置は、欧州における電子通信の単一市場の利点である、手頃な価格で高品質のネットワークを通じて提供されるより良いサービスを消費者が享受することに貢献します。
この勧告案は、欧州規制当局機関(BEREC)に送付され、2ヶ月間の協議が行われる予定です。BERECの意見を考慮した後、欧州委員会は最終的な勧告を採択する予定になっています。
参考情報
■ 欧州委員会、EUにおけるコネクティビティ分野の変革に向けた新たなイニシアティブを発表
■ ギガビット電子通信ネットワークの導入コストを削減するための措置および指令2014/61/EU(ギガビット・インフラ法)の撤廃について
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