宇宙活動の安全性、レジリエンス、持続可能性に関するイニシアティブの協議について
2023年09月13日、欧州委員会は2024年の優先事項を発表しました。その中にはEU宇宙法(EUSL)の構想も含まれています。EU宇宙法のイニシアティブは2024年第1四半期に採択される可能性があり、利害関係者との協議を実施する予定です。
背景
宇宙関連のサービスと宇宙から得られたデータは様々な経済分野で存在感を高めています。そして、公共政策の実施や企業による運用を通して、EU市民の生活と活動のクオリティを向上させる要因となっています。
今後はセキュリティや防衛の分野、政治的議題の達成、デジタル化などへの貢献度を高めていくでしょう。宇宙はEU加盟国の戦略的自立を支えるファクターであると言えます。
近年、再利用可能な打ち上げ機やマイクロランチャーの登場などにより、衛星を宇宙に打ち上げる費用は下がりつつあります。しかし、その弊害として軌道上の衛星数が増加しています。
その結果、宇宙サービスへの新たな参入者の登場や技術面及びサイバー面のリスク増加などの変化が生じています。それに併せて宇宙活動の安全性、衛星のレジリエンス、持続可能性に対する危機も発生しているため、一貫性のある手法によって宇宙インフラに関する総合的な対応を取る必要があります。
また、2021年に発表された「市民、防衛、宇宙産業間のシナジーに関する行動計画」では、宇宙交通管理に関する戦略の必要性が認められています。
2022年の「宇宙交通管理に関するEUのアプローチ」では、宇宙交通管理に関するグローバルな課題にEUが貢献するための手法が提案されています。
2023年03月10日に採択された「安全保障と防衛のためのEU宇宙戦略に関する共同声明」は、EUの宇宙システムとサービスにおけるレジリエンス強化の重要性を強調しています。
そのため、欧州委員会は宇宙における安全性、レジリエンス、持続可能性に関する共通規則となるEU宇宙法の立法を模索しています。
概要
本イニシアティブには加盟国間で議論された宇宙交通、安全保障、防衛に関するアプローチやアイデアを踏まえ、利害関係者との協議やワークショップを行い、その成果を反映させる予定です。
本イニシアティブの目標は、宇宙の安全環境を確保です。
具体的には下記のとおり設定されています。
■宇宙物体からの干渉リスクへの対応
■気候中立に基づく、宇宙の公正かつ均等な利用環境の維持
■EUの宇宙市場における存在感の向上
■産業と研究におけるEUの競争力の確保
本イニシアティブは社会と経済に大きな影響をもたらす宇宙インフラの構築を促進させるものです。また、宇宙市場の運営者に対して法的安定性をもたらし、欧州産業の競争力向上をサポートします。
具体的な内容としては、衛星に対する衝突回避およびデブリ除去などの安全確保措置、サイバーセキュリティの向上や物理的な保護など宇宙資産のレジリエンスに関する措置、宇宙活動がもたらす地球環境への影響測定など持続可能性に関する措置などが含まれます。
また、EU所有の資産だけでなく、EU内で宇宙サービスを提供する加盟国の資産に対しても適用する予定です。
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