EU|GHG排出量取引指令に基づく無償割当許可に必要な気候変動中立性計画の内容や形式を定める実施規則の公布
気候変動中立性計画の内容や形式:他法令との整合性確保も
2023年11月03日、欧州官報にて、GHG排出量取引指令に基づく無償割当許可に必要な気候変動中立性計画の内容や形式を定める実施規則が公布されました。GHG排出量取引指令では、特定の事業者に対し、気候中立性計画の策定を義務付けています。
概要・背景
■ GHG排出量取引指令では、GHG排出レベルが、関連する製品ベンチマークの特定の排出レベルより高い施設の事業者による条件付き無償割当を受けるために、気候中立性計画の作成を要求している。
■ 気候中立性計画は、特定の加盟国における地域暖房設備のための任意の追加無償割当を申請する地域暖房事業者によっても作成される。
■ 気候中立性計画は、施設レベルで作成され、第10b条(4)で規定される情報を含む必要がある。加盟国の地域暖房設備については、企業レベルまたは施設レベルでの作成が必要。
■ 当該指令に基づき、欧州委員会は、EU法に規定される同様の計画との相乗効果を図りつつ、気候変動対策計画の最小限の内容と形式を規定する実施法を採択することが規定されている。
■ 欧州気候法EU) 2023/955など関連法令との一貫性を確保するため、気候変動対策計画の中で、定性的な達成度(マイルストーン)のモニタリングと、定量的な排出削減達成度(ターゲット)のモニタリングとを区別する必要がある。
■ 委任規則 (EU) 2019/331と整合させるために、製品ベンチマークサブ施設(product benchmark sub-installations)またはフォールバックサブ施設(fall-back sub-installations )の活動レベルに固有の目標を定義することは、関連する生産単位あたりのトンCO2換算値として表現されるべき。
■ 事業者の事務負担を軽減するため、同計画は、委任規則 (EU) 2019/331で定められた既存の無償割当手続きに統合されるべき。
参考情報
■ Commission Implementing Regulation (EU) 2023/2441
GHG排出量取引指令とは?
GHG排出量取引指令(Directive 2003/87/EC)は、「EU域内の温室効果ガス排出権取引制度を確立する指令」として、2003年に公布された指令で、EUにおける排出量取引制度(EU-ETS)を確立することを規定する法令です。
指令は都度の改正が重ねられ、本稿執筆時点では第4フェーズ(2021~2030年)の目標設定がなされています。
■ GHG排出量:62%削減(2005年比)
■ 対象:
- エネルギー集約型の幅広い産業部門
- EU域内および欧州経済領域(EEA)内のフライト、スイスおよび英国への出発便
- 海上輸送(2024年から2026年にかけて、順次投降義務が導入予定)
- 建物、道路交通、燃料(新規追加)
■ 排出
- 二酸化炭素(CO2)
- 亜酸化窒素
- ペルフルオロカーボン
- メタン
■ 適用される事業者への排出割当の規定
目次
※2023年06月05日統合版
第1章 一般条項
第1条 主題
第2条 適用範囲
第3条 定義
第2章 航空・海洋輸送
第3a条 適用範囲
第3b条 航空活動
第3c条 航空向け総割当量
第3d条 オークション方式の航空向け割当量割当方法
第3g条 モニタリングと報告計画
第3ga条 海洋輸送活動への適用範囲
第3gb条 海洋輸送向け要件の段階的導入
第3gc条 船舶会社から他の事業体へのEU排出権取引費用の移転に関する規定
第3gd条 海上輸送からの排出量のモニタリングと報告
第3ge条 海上輸送からの排出量に関する検証および認定規定
第3gf条 船舶会社に関する管理当局
第3gg条 報告およびレビュー
第3章 固定施設
第3h条 適用範囲
第4条 GHG許可
第5条 GHG許可の申請
第6条 GHG許可の条件と内容
第7条 施設に関係する変更
第8条 指令2010/75/EUとの調整
第9条 EU域内の割当量
第9a条 EU域内割当量の調整
第10条 割当量の入札
第10a条 調和無料割当に関するEU域内移行規定
第10b条 炭素リーケージが発生した場合に特定のエネルギー集約型産業を支援するための経過措置
第10c条 エネルギー部門の近代化のための経過的無償割当オプション
第10ca条 エネルギー部門近代化のための経過的無償割当の早期期限
第10d条 近代化ファンド
第10e条 リカバリー・レジリエンス・ファシリティ
第10f条 「重大な損害を及ぼさない」原則
第11条 国家実施措置
第4章 航空、海上輸送、固定施設に適用される規定
第11a条 気候変動に関する国際協定発効前のEU-ETSにおけるプロジェクト活動によるCERsとERUの活用
第11b条 プロジェクト活動
第12条 割当の移転、放棄、取消し
第13条 割当の有効性
第14条 排出量のモニタリングと報告
第15条 検証と認定
第15a条 情報開示と企業秘密
第16条 罰則
第17条 情報へのアクセス
第18条 所管当局
第18a条 加盟国の管理
第18b条 欧州委員会、EMSA、その他の関連機関からの支援
第19条 登録簿
第20条 中央管理者
第21条 加盟国の報告
第21a条 キャパシティ・ビルディングの支援
第22条 附属書改正
第22a条 専門委員会手続き
第23条 委任の行使
第24条 活動およびガスを一方的に追加するための手順
第24a条 排出削減プロジェクトに関する調和規定
第25条 他の温室効果ガス排出量取引制度との関連
第25a条 航空による気候変動影響を軽減するための第三国対策
第26条 指令96/61/ECの改正
第27条 同等措置の対象となる小規模施設の除外
第27a条 排出量が2,500トン未満の施設の任意除外
第28条 気候変動に関する国際協定がEUにより承認された場合に適用される調整
第28a条 ICAOの国際市場ベース措置の義務的実施に先立って適用される免除措置
第28b条 ICAOの国際市場ベース措置の実施に関する欧州委員会による報告およびレビュー
第28c条 国際市場ベース措置のモニタリング、報告、検証に関する規定
第29条 炭素市場の機能向上のための報告書
第29a条 過度な価格変動が生じた場合の措置
第30条 パリ協定の実施と他の主要国の炭素市場の発展を踏まえた見直し
第4a章 建物、道路交通、その他の部門を対象とした排出量取引制度
第30a条 適用範囲
第30b条 GHG許可
第30c条 EU域内割当量
第30d条 附属書3で言及される活動に対する排出枠の入札
第30e条 割当の移転、放棄、取消し
第30f条 排出量のモニタリング、報告、検証と認定
第30g条 管理
第30h条 過度な価格上昇の場合の措置
第30i条 本章の見直し
第30j条 附属書3で言及されている活動を2章と3章の対象ではない他の部門に一方的に拡大するための手続き
第30k条 エネルギー価格が例外的に高騰した場合、2028年まで建築物、道路交通、追加部門の排出権取引を延期
第4b章 科学的助言と資金の視認性
第30l条 科学的助言
第30m条 情報、コミュニケーションおよび公共性
第5章 最終条項
第31条 実施
第32条 発効
第33条 宛先
附属書1 指令が適用される活動区分
附属書2 第3条および第30条で言及されるGHG
附属書2a 排出量を削減し気候変動の影響に適応するため、EUの連帯と成長を目的とし、第10条(2)(a)に従い加盟国が入札にかける割当割合の増加
附属書2b
Part A 第10条(1)第3副段落に対応する近代化ファンドからの資金の分配
Part B 第10条(1)第4副段落に対応する近代化ファンドからの資金の分配
附属書3 第4a章の対象活動
附属書3a 第30条c(2)に従った線形減額係数の調整
附属書4 第14条(1)のモニタリングおよび報告の原則
附属書5 第15条の検証基準
注目情報一覧
新着商品情報一覧
調査相談はこちら
概要調査、詳細調査、比較調査、個別の和訳、定期報告調査、年間コンサルなど
様々な調査に柔軟に対応可能でございます。
- ●●の詳細調査/定期報告調査
- ●●の他国(複数)における規制状況調査
- 細かな質問への適宜対応が可能な年間相談サービス
- 世界複数ヵ国における●●の比較調査 など