ユーロ建ての即時支払いに関する政治的な合意について
2023年11月07日、欧州理事会と欧州議会は、EUおよびEEA加盟国の消費者および企業がユーロ建ての即時決済を可能にする提案について政治的合意に達したと公表しました。この新たなルールは第三国の金融機関や金融インフラに対する依存の軽減によって欧州の経済・金融部門の自律性向上をうながし、市民や企業に利益をもたらすことを目的としています。
背景
この取り組みは、欧州単一の市場としての資本市場同盟の形成に向けた動きを背景としています。2021年3月および2022年4月、欧州理事会はユーロ建ての即時支払いが幅広く使用できる環境の形成を重要視し、競争力のあるEU全体の市場にかかわる決済ソリューションを開発するという目標を掲げました。
また、2022年10月26日には、欧州委員会はユーロでの即時信用送金にアクセスしやすくすることで、普及促進を目指すための現行規則の改正案を提出しています。
同改正案では、主に下記の4点を事業者に対して義務付けています。
■ユーロでの即時信用送金を既に提供しているEUの事業者に対して、ユーロでの即時支払いを普遍的に利用可能を提供する義務
■ユーロでの即時支払いの価格がユーロでの伝統的で非即時支払いの価格を上回らないようにする義務
■銀行口座番号(IBAN)と支払い人が提供した受取人が一致するか確認し、必要に応じて支払い人に対して間違いや不正の可能性があることを警告する義務
■また、即時ユーロ支払いの処理における摩擦を取り除きつつ、EUにおおける制裁対象である人物を発見可能な体制を維持するために、決済サービスプロバイダーが少なくとも毎日、EU制裁リストと顧客を照合する義務
概要
新たな合意は、EUおよびEEA加盟国の消費者および企業における第三国の金融機関や金融インフラに対する依存の軽減を通して、欧州の経済・金融部門の自律性向上をうながし、市民や企業に利益をもたらすことを目的としています。この合意によって、キャッシュフローを活用できる可能性が向上するため、革新的な付加価値のあるサービスが登場する可能性が高まります。
なお、即時支払いは、ビジネス時間外を含む任意の時間において、国内のみならず他のEU加盟国において10秒以内でお金を送受信できる仕組みになる予定です。
EUにおいて標準的な即時信用送金を提供する銀行などの支払い事業者は、ユーロでの即時支払い送受信サービスの提供が求められます。また、適用される料金は、標準的な即時信用送金とのバランスを考慮しなくてはなりません。
なお、欧州理事会と欧州議会は新しいルールのEU内における迅速な発効を目指しています。しかし、非EUにおける調整にかかる時間を考慮し、過渡期を設けることについても合意しています。
また、決済・電子マネーの機関にも決済システムへのアクセスを認めるため、経過措置期間を経た後、決済・電子マネーの機関も即時信用送金の送受信サービスを提供する義務を負います。
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