修理権:修理する権利
2024年02月02日、EU理事会と欧州議会がそれぞれの修正案を携えて、第一読会審議における事前の暫定的な合意を目指す非公式会合において、消費者製品の修理促進指令(修理権指令)案についての暫定合意がなされたことが報じられました。暫定合意は、欧州議会本会議での承認・採択、そしてEU理事会での承認・採択がなされれば、署名・官報での公布がなされる流れとなります。
概要・背景
■ 2023年03月22日、欧州委員会が本指令の草案を発表した。案は、エコデザイン規則(ESPR)やグリーン転換のための消費者エンパワーメント指令(消費者が販売時点でより良い情報に基づいた購買決定を行えるようにする)など、持続可能な消費を促進するための最近の他の法的イニシアチブを補完するものとして位置付けられている。
■ 提案の目的には、高水準の消費者保護および環境保護を提供しつつ、域内市場の適切な機能に寄与することを目的として、商品の修理を促進する共通規定を定めることが挙げられている。
■ 背景となる問題意識としては、主に次の2点が挙げられている:
― 修理なしの廃棄への懸念・法的保証の欠如:
消費者製品に欠陥が生じた場合、消費者は修理しようとせず、修理して長く使うことができるにもかかわらず、早々に廃棄してしまうことが多い。これは、消費者が修理ではなく交換を選択する場合に、法的保証の外では、最適とは言えない修理の選択と条件のために消費者が修理を思いとどまる場合に起こる。
ー 早期廃棄の弊害:
消費者が購入した修理可能な商品の早期廃棄は、廃棄物の増加、温室効果ガスの排出、新しい商品の生産における貴重な資源の需要増につながる。
注目すべき内容
適用範囲
■ 暫定合意では、指令の適用範囲をEU法令が修理可能要件を定めている製品(洗濯機、食器洗い機、冷蔵庫、掃除機など)に限定している。
■ 他方で、欧州委員会が、エコデザイン規則を通じて、新製品に修理可能性要件を導入することができ、その場合、指令附属書2の対象製品リストに追加される見込み
主な要件
■ 欧州委員会案では、次の要件が含まれていた:
― 加盟国は、消費者の要求に応じて、生産者が附属書IIに特定されるようなEU法によって修理可能性の要件が規定されている商品を、無償でまたは価格もしくは他の種類の対価を支払って修理することを保証すること
ー 生産者は、独立修理業者が、附属書IIに記載されたEU法に従って、スペアパーツ、修理関連の情報およびツールを利用できるようにしなければならない など
【暫定合意】
■ 必要な修理を合理的な時間内に行うこと、また、サービスが無料で提供される場合を除き、合理的な価格でも修理を行うことを義務付け
ただし、保証に含まれる販売者の責任期間内であれば、消費者が欠陥製品の修理と交換のどちらかを選択する権利も維持される。
■ 消費者が製品の修理を選択した場合、販売者の責任期間は、製品が適合するようになった時点から12ヶ月延長される。この期間は、加盟国が希望すればさらに延長することができる。
■ 欧州修理情報フォーム ー 修理サービスの契約前に消費者に情報を提供する修理業者の情報提供に関する様式
→ 暫定合意では、フォームに記載された主要情報は30暦日有効であるが、消費者と修理業者はこの期間を延長することに合意することができるとしている。
■ 欧州オンライン修理プラットフォーム
→ 合意では、27カ国のプラットフォームではなく、欧州レベルで設計・運営される欧州オンライン修理プラットフォームの創設が提案されている。
参考情報
■ 消費者製品の修理促進指令(修理権指令)案:EU理事会修正案(交渉姿勢)
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