オゾン層破壊物質排出規制強化で、温室効果ガス排出量の削減を促進することが目的
2024年02月20日、欧州官報にてODS改正規則(EU)2024/590が公布されました。掲載後の20日後に発効します。この改正規則により、2009年09月16日付けのオゾン破壊物質規制(EC) No 1005/2009は廃止となります。
同日に公布されたフッ素化ガス(Fガス)改正規則と共に、2050年までに、更に5億トン近くのEUの温室効果ガス排出量(GHG)を削減する計画となっています。
この2つの改正規則は、排出量を少なくとも55%削減するというEUの2030年の気候目標、そして2050年までのEUの気候中立目標の達成に貢献します。
背景
同日に公布されたODS改正規則とFガス改正規則は、2050年までに気候中立を目指す欧州グリーン・ディールの一環として、EUの温室効果ガス排出量(GHG)を削減することを目的としたEUの気候目標を達成すること、およびオゾン層を破壊する物質に関するモントリオール議定書に基づく国際規則と整合させる目的があります。
フッ素化ガス (Fガス) とオゾン層破壊物質 (ODS) は、強力な人為的な温室効果ガスです。大気中に放出されると地球温暖化の原因となり、多くの場合二酸化炭素 (CO2) の数千倍強いものとされます。また、ODSは、発がん性のある紫外線から身を守る地球の大気の層であるオゾン層に穴をあけます。
FガスとODSは、冷凍、空調、断熱、防火、送電線、およびエアロゾル噴射剤などの日常的な用途に使用されてきました。FガスとODSは、現在のEUの温室効果ガス (GHG) 総排出量の3%以上を占めています。
概要
オゾン層破壊物質(ODS)に関する改正規制です。
廃止されたODS 規制:No 1005/2009 で、特定の用途での使用以外の大部分のODSの製造、取引、および使用は禁止されていました。
この改正規則により、従来ODSが使用されていた製品や用途により厳格な措置を導入することにより、EUは2050年までに約2億トン相当のCO2排出と3万2,000トンのオゾン層破壊の潜在的排出を防止することとしています。
要点
- ODS改正規則は、オゾン層を破壊する物質の生産、輸出入、販売、保管、供給、及びその使用、回収、リサイクル、再生、及び破壊に関する規則、そしてODSに関する及びODSを使用する製品および機器の輸入、輸出、市場投入、供給および使用に関する情報の報告に関する規則を定めています。
- 大部分のODSのオゾン層破壊物質(ODS)の生産、販売、使用は、従来のODS規制:EC No 1005/2009 を維持し禁止されています。
- 改訂規則では、従来の規則で特定の用途で免除されていたODSについて、以下のように更に厳しく規制しています。
免除対象
1)原料:他の物質を製造するための原料としてのODSの使用が限定的に認められています。
欧州委員会は、原料としての使用が禁止されているODSのリストを定期的に更新します。
原料の代替品の利用可能性の評価は、主にモントリオール議定書に基づいて国際レベルで行われることになっています。国際専門家委員会が一定の期限内に調査を実施できなかった場合、欧州委員会は実行可能な代替案を評価することになります。
2)加工剤:附属書IIIによって言及されている加工工程における加工剤として使用できます。
加工剤として使用できる最大量は921トン、関連する各事業による最大排出レベルは年間15トンと規定しています。
3)実験及び分析用途での使用:附属書 IVにある条件下でのみ
4)軍事装備や航空機などの特殊な用途での防火目的でのハロンの使用:より厳格な規制が課されています。
- ODSが使用されている既存の断熱材に関して、建物の改修、改装また取り壊し時にODSを回収、または破壊することが新たに義務付けられました。
- すべてのODSに、意図しないODS の放出を防止および最小限に抑えるための予防策を講じ、検出された漏れが不当な遅延なく確実に修復されるようにすることを約束する要件があります。
目次
第1章 一般規定
第1条 主題
第2条 範囲
第3条 定義
第2章 禁止事項
第4条 オゾン層破壊物質に関する禁止事項
第5条 オゾン層破壊物質を含む製品や機器、またはその機能がそれらの物質に依存している製品や機器に関する禁止事項
第3章 禁止事項の免除
第6条 原料
第7条 加工剤
第8条 必要不可欠な実験室でのおよび分析的使用
第9条 ハロンの重要な用途
第10条 臭化メチルの緊急使用
第11条 オゾン層破壊物質を含む、またはその機能がそれらの物質に依存している製品および機器に関する免除
第12条 破壊と再生
第13条 輸入
第14条 輸出
第15条 免除の条件
第4章 貿易
第16条 ライセンス体系
第17条 貿易規制
第18条 違法取引監視措置
第19条 モントリオール議定書非締約国および議定書適用外地域との貿易
第5章 排出規制
第20条 使用済みオゾン層破壊物質の回収及び破壊
第21条 オゾン層破壊物質の排出及び漏出チェック
第6章 オゾン層破壊物質のリストと報告
第22条 オゾン層破壊物質リストの改正
第23条 加盟国による報告
第24条 事業者による報告
第7章 執行
第25条 協力及び情報交換
第26条 チェック義務
第8章 罰則、委員会の手続きおよび委任の行使
第27条 罰則
第28条 委員会の手続き
第29条 委任の行使
第8章 移行及び最終条項
第30条 レヴュー
第31条 廃止及び移行条項
第32条 発効および適用
附属書1 第2条、ポイント (A)に言及されているオゾン層破壊物質
附属書2 モントリオール議定書で制限されていない第 2 条、ポイント (A)に言及されているオゾン層破壊物質
附属書3 加工剤
附属書4 第8条 (6) に言及されている、必要不可欠なの研究および分析用途のためのオゾン層破壊物質の市場投入およびその後の供給または利用可能にするための条件
附属書5 第9条 (1) に言及されているハロンの重要な用途
附属書6 第24条で言及されている報告
附属書7 ライセンス体系
附属書8 相関表
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