鉛等に関する規制値の変更について
2024年03月19日、EU理事会は鉛及びその無機化合物並びにジイソシアネートの規制値を改正する指令(EU)2024/869を公布しました。最新の科学的・技術的進歩を考慮し、より厳格な規制体制を構築します。
背景
指令(EC)2004/37は発がん性物質等による健康や安全のリスクから労働者を保護するための最低要件を定めています。
その後、指令(EU)2022/431によって、性機能及び受胎可能性並びに子孫への発生毒性に悪影響を与える生殖毒性物質として知られる鉛及びその無機化合物が指令の対象に含められ、作業曝露限界値や生物学的限界値などを設けられました。
しかし、その数値は、最新の科学的・技術的な発展や知見を踏まえたうえで定められたものではありません。
また、ポリウレタン製品の製造に使用されるジイソシアネートは喘息や皮膚疾患などを引き起こす可能性があります。しかし、EU規模で拘束力のある作業曝露限界値や短期曝露限界値は存在しません。
そのため、最新の情報や社会経済的な影響評価などを踏まえ、改めて限界値を設定する必要があると欧州委員会は判断しています。
概要
■ 鉛及びその無機化合物
リスクアセスメント委員会(RAC)および労働安全衛生諮問委員会(ACSH)の勧告に基づき、吸入暴露の限界値は08時間の時間加重平均を基準期間として設定されます。しかし、特定の物質については短期曝露から生じる影響を可能な限り制限するため、15分の時間加重平均との関係でも限界値が設定されます。
また、鉛及びその無機化合物の経口・吸入による曝露に関して、生物学的限界値の血液鉛濃度は15μgPb/100mlに改訂され、作業暴露限界値も8時間時間加重平均(TWA)において0,03mg/m3に改訂されます。
ただし、短期間での遵守が困難である可能性に配慮し、生物学的限界値が血中鉛濃度30μg Pb/100 mlに設定される移行期間が2028年12月31日まで導入されます。
なお、職業曝露限界値の50%、生物学的限界値の60%を超える場合に医学的サーベイランスが行われる必要があります。また、血中鉛濃度が4,5μgPb/100mlを超える出産適齢期の女性労働者についても、医学的サーベイランスを実施することが定められています。
雇用主は、技術的に可能な場合には物質の置換を行ったり、技術的に可能な限り曝露を低減したりするなどの措置を行う義務を課されます。
■ ジイソシアネート
また、すべてのジイソシアネートについて、6μg NCO/m3の職業暴露限界値および12μg NCO/m3の短期暴露限界値が設定されます。
建設、修理、繊維、家具、自動車、その他の輸送手段、家庭用電化製品、機械、コンピュータの製造などの活動を伴うセクターにおいては、測定とリスク管理対策の準備に時間がかかると想定されています。そのため、経過期間が設定され、2028年12月31日までは10μgNCO/m3の職業暴露制限と20μg NCO/m3の短期暴露制限が適用されます。
参考情報
鉛及びその無機化合物、ジイソシアネートの規制値に関する指令2004/37/EC及び指令98/24/ECを改正する指令(EU)2024/869
注目情報一覧
新着商品情報一覧
調査相談はこちら
概要調査、詳細調査、比較調査、個別の和訳、定期報告調査、年間コンサルなど
様々な調査に柔軟に対応可能でございます。
- ●●の詳細調査/定期報告調査
- ●●の他国(複数)における規制状況調査
- 細かな質問への適宜対応が可能な年間相談サービス
- 世界複数ヵ国における●●の比較調査 など