歯科用アマルガム等の水銀転嫁製品の禁止について
2024年07月10日、欧州委員会は歯科用アマルガムや特定のランプの使用禁止を目的として、水銀規則(EU)2017/852を改正する規則2024/1849を欧州官報にて公布しました。
背景
■ 水銀は、
- 長距離に及ぶ大気への拡散
- 人為的に環境に持ち込んだ後の残留性
- 生態系を通した生物体内への濃縮性
- 胎盤や母乳を通じて母親から子供に移行し、人間の健康にも重大な悪影響を及ぼす
など環境への悪影響をもたらす化学物質です。
■ 水銀規則(EU)2017/852に基づき、欧州委員会は、
- 火葬場から排出される水銀および水銀化合物を規制する必要性
- 歯科用アマルガム(う蝕治療を充てんするための治療材料)の長期的な使用禁止の実現可能性
- EU内市場への輸入が禁止されている、その他の水銀添加製品の製造および輸出の禁止
がもたらす環境上の利点や実現可能性について、評価および報告をすることになっていました。
■ 近年、水銀の代替品が経済的・技術的に実現可能になり、容易に入手できるようになったと考えられています。
■ 欧州委員会は2020年8月17日付の報告書による結論を受けて
- 歯科用アマルガム使用の段階的廃止
- 歯科用アマルガムおよび特定の水銀含有ランプの製造・輸出の禁止
に関する立法案を提示しました。
■ 電気電子機器の有害物質含有指令(RoHS指令)(EU)2011/65では、水銀を含む特定電気電子機器のEU市場における流通および輸入が禁止されています。
■ しかし、既に期限を切れている製品や、期限が迫っている製品が存在します。また、一般照明用の特定の線形蛍光ランプは、水俣条約の第5回締約国会議で、段階的廃止が決定されています。また、一部のランプは水銀規則(EU)2017/852に含まれていないため、規則と実情の整合性を取る必要があると考えられています。
概要
■ 2025年01月01日から、歯科用アマルガムは歯科治療における使用が禁止されます。ただし、歯科医が患者の特定の医療ニーズに基づいて必要であると判断した場合は除きます。
■ 歯科用アマルガムを国内法に基づいて少なくとも90%の割合で治療費の払い戻しを行っており、2025年01月01日時点において水銀を含まない代替品の活用が現実的ではない加盟国は、当該日までに歯科用アマルガムを廃止するという本規則の要件を免除され、段階的廃止を行うことになります。また、新技術に適応するために、適切な場合においては、歯科医師に対して専門的な研修を伴う必要があります。
■ 火葬場は大気中への水銀排出の大きな源であるため、人間の健康と環境への影響を緩和する必要があるとされています。欧州委員会は火葬場からの水銀および水銀化合物の排出の抑制技術に関するガイダンスを開発し、それに基づいて各加盟国で実施された措置について、2029年12月31日までに欧州議会および理事会に報告することとされています。
■ 欧州委員会は、水俣条約に基づいて化粧品等における違法な水銀使用の段階的廃止に関して、条約に基づいて進展状況を報告するとしています。
■ 輸出入および製造が禁止されている製品を記した水銀規則(EU)2017/852付属書IIのパートAに以下の内容が追記されます。
| 水銀添加製品 | 水銀添加製品の輸出、輸入、製造が禁止される日 |
|
‘3b. 項目3および3aに含まれない、一般照明用のその他のすべての小型蛍光ランプ(CFL) |
2025年12月31日’ |
| 水銀添加製品 | 水銀添加製品の輸出、輸入、製造が禁止される日 |
|
‘4a. 一般照明用3波長形蛍光ランプで、項目4の(a)に含まれないもの |
2026年12月31日 |
|
4b. 一般照明用のハロリン酸塩蛍光体ランプで、項目4の(b)に含まれないもの |
2025年12月31日 |
|
4c. 非直線性3波長蛍光体ランプ |
2026年12月31日 |
|
4d. 非直線性ハロリン酸塩蛍光体ランプ |
2025年12月31日’ |
| 水銀添加製品 | 水銀添加製品の輸出、輸入、製造が禁止される日 |
|
‘5a. 一般照明用の高圧ナトリウム(蒸気)ランプ(HPS)で、以下の条件を満たすもの: (a) 16mgHgを超えるP≦105W; (b) 105 W < P ≤ 155 W で 20 mg Hg を超える; (c) P>155W 25mgHgを超える |
2025年12月31日’ |
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