炭素国境調整メカニズム(CBAM)の本格適用に伴うCBAM宣言者の認可手続きの詳細の確立及びCBAMレジストリの確立が目的
2024年10月30日及び10月31日に、欧州委員会は、炭素国境調整メカニズム(CBAM)に関する2つの実施規則案について意見募集を開始しました。
CBAM規則 (EU) 2023/956は、2023年05月17日に発効し、2023年10月から2025年12月31日までの移行期間を経て、2026年01月01日から本格適用される予定となっています。
この2つの実施規則案は、CBAM規則の本格適用に必要な実施規則の一つです。
1つ目は、CBAM宣言者を認可するための手順と条件を定める実施規則案です。2024年10月30日から11月27日までが意見募集期間です。
2つ目は、CBAM申告の提出と管理のための電子データベースとしてのCBAMレジストリ(登録簿)の確立に関する実施規則案です。意見募集期間は、2024年10月31日から11月27日までです。
背景
CBAMは、欧州グリーンディールとして2030年までに温室効果ガスを1990年比で55%削減するという目標を達成するための包括的な政策パッケージ「Fit for 55」に含まれる政策の1つです。
Fit for 55 の一環としてEU排出量取引制度(EU ETS)の改正などと共に、新たに導入された規則が炭素国境調整メカニズム(CBAM)です。
CBAMは、EU ETSに基づいて域内で生産される対象製品に課される炭素価格に対応した価格(カーボンプライシング)をEU域外から輸入される対象製品に課す制度です。
CBAMは、カーボンリーケージ(炭素漏出)と言われる企業が温室効果ガス(炭素)の排出規制の厳しい国や地域から厳しくない国や地域に拠点を移転し、その結果、世界全体の温室効果ガス排出量が増加してしまうことへの対応措置として制定されました。
CBAM制度では、義務を負う対象製品を輸入するEU域内の輸入事業者は、対象製品の輸入に先立って「認可 CBAM 宣言者(authorised CBAM Declarant)」の地位を得るため認可を申請する必要があります。そして、認可されたCBAM宣言者は、輸入量と体化排出量を記載したCBAM報告書を、欧州委員会が設ける登録システム「CBAM 登録簿 (CBAM registry)」を通じて提出することとなります。
概要
- CBAM 宣言者を認可するための手順と条件を定める実施規則案
この実施規則案では、以下の内容が定められています。
- 申請書の提出手続き:CBAMレジストリ経由で電子形式で、CBAM 規則 (EU) 2023/956の5条にある情報を提出します。
- 管轄当局が従うべき手順と申請処理の期限:申請書は120暦日以内に認可が決定されます。
- 保証金:認可申請した事業者が、設立から申請の年までに会計年度を終えていない場合、保証金の支払いを認可決定が降りてから15営業日以内にする必要があります。
- 認可宣言者の認可情報:CBAMレジストリに登録されます。
- 認可宣言者の認可取り消しについての詳細
- 適用は、2024年12月31日からとなります。
2. CBAMレジストリ(登録簿)を確立に関する実施規則案
- CBAMレジストリは、CBAM宣言のデータ、CBAM宣言者の地位取得を目的とした申請のデータ、オペレーターと施設の登録、認定されたCBAM検証者、およびアクセス、事件の処理、機密保持の提供を含む標準化された安全な電子データベースです。
- CBAMレジストリは、委員会、管轄当局、認可されたCBAM宣言者、申請者、認可されたCBAM宣言者の地位が取り消された事業者、およびオペレーターの間の通信、通知、登録、チェックおよび情報交換を可能にするものとします。さらに税関当局との情報交換も可能になります。
- CBAMレジストリには以下構成があります。
(a) CBAM 宣言者ポータル (CBAM DP)
(b) CBAM 国家管轄当局ポータル (CBAM NCA)
(c) CBAM 欧州委員会ポータル (CBAM COM)
(d) CBAM オペレーター ポータル
(e) 欧州連合の Web サイト、つまり Europa Web サイト上の公開 CBAM ページ
- 2024年12月31日から適用されます。
参考情報
注目情報一覧
新着商品情報一覧
調査相談はこちら
概要調査、詳細調査、比較調査、個別の和訳、定期報告調査、年間コンサルなど
様々な調査に柔軟に対応可能でございます。
- ●●の詳細調査/定期報告調査
- ●●の他国(複数)における規制状況調査
- 細かな質問への適宜対応が可能な年間相談サービス
- 世界複数ヵ国における●●の比較調査 など