EU|ユーロ7(新自動車排出規制)に関する2つの実施規則を公布

ユーロ7の適用に必要な詳細要件を規定することが目的

2025年09月05日、欧州官報にユーロ7(新自動車排出規制)に関する2つの実施規則、(EU) 2025/1706が(EU) 2025/1707が公布されました。

この2つ実施規則は、2026年11月から順次適用となるユーロ7(新自動車排出規制) 2024/1257 の実施に必要な最初の実施規則となります。

官報掲載20日後に発効となります。

背景

ユーロ7とは、欧州連合(EU)が自動車の排出ガスや粒子状物質の削減を目的とした最新の排出ガス規制です。

最初の排出ガス規制となるユーロ1は1992年に始まり、2014年のユーロ6まで段階的に条件が引き上げられてきました。

2019年12月、欧州委員会は欧州グリーンディールと発表し、2050年までに欧州を世界で最初の気候中立大陸にすることを目指しています。その実現のため2030年までに温室効果ガスの排出を55%削減する「Fit for 55」と呼ばれる政策パッケージを提案し、多くの法案が採択されてきました。

その政策の一つとしてユーロ7は、2024年05月08日に(EU)2024/1257として公布されました。ユーロ7は従来の排ガス規制よりさらに厳格な基準で、電気自動車も含む乗用車から大型車まであらゆる種類の車両に適用されます。

ユーロ7では、従来の排気ガスに含まれる窒素酸化物などの有害物質をさらに削減するとともに、世界で初めてブレーキダストやタイヤの摩耗粉塵など排気ガス以外の排出物も規制対象にしています。

ユーロ7の公布以来、欧州委員会は詳細なテスト手順、テスト方法、管理手順などを規定するために必要な多数の実施規則の起草に取り組んできました。 

概要

1. 実施規則 (EU) 2025/1706

排出ガスおよび蒸発排出に関する型式認証手続きと試験方法を規定する実施細則です。EU内で排出試験方法を統一し、メーカーがどの国でも同一基準で認証を取得できるようになります。

対象車両:M1(乗用車)、N1(小型商用車)
主な規定内容:

  • 試験方法(WLTP、RDE=実走行試験など)
  • 蒸発排出の測定条件(燃料系統試験)
  • 排出制御装置の耐久性・故障時の対応
  • 実走行での排出基準維持
  • 不正な排出制御の禁止
  • 認証・報告書式の統一(EU 2020/683の改正)

2. 実施規則(EU) 2025/1707

実際の走行・使用段階での排出モニタリング機能の強化を支える制度を整える規則です。

車載燃料・電力消費量監視システム(OBFCM)および車載監視(OBM )システム、ドライバー警告システム、EVP(環境車両パスポート)データ、車内表示、操作戦略検証等 に関する手続・試験・技術要件を定めています。

対象車両:M1(乗用車)、N1(小型商用車)
主な規定内容:

  • OBM(車載排出モニタリング)の義務化
:車両が走行中に排出ガス関連データを自動的に監視・記録するシステムの要件を定義
  • OBFCM(車載燃料・電力消費モニタリング)の義務化:範囲拡大
実際の燃料・電力使用量を記録し、EU当局に報告できるようにする仕組みを規定
  • ドライバー警告システム:
排出異常や故障時に運転者へ警告を表示する方法を明確化
  • 環境車両パスポート(EVP)の義務化:
車両ごとの排出・燃費・環境性能データを電子的に記録・共有するルールを設定
  • 不正操作防止:
排出制御装置やモニタリング機能の改ざん・無効化を防ぐ仕組みを規定

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