眼鏡フレーム、眼鏡レンズ、既製老眼鏡の識別体形について
2025年09月23日、医療機器規則(EU)2017/745を改正する委任規則(EU)2025/1920がEU官報にて公布されました。本委任規則は、眼鏡フレーム、眼鏡レンズ、既製老眼鏡に対する固有機器識別子(UDI)の割り当て方法を見直し、類似製品間で過剰に細分化されていた識別番号体系を簡素化するものです。これにより、製造業者はUDI管理やデータ登録の方法を変更する必要が生じます。
背景
■ 医療機器規則(EU)2017/745では、すべての医療機器に対し、製造業者が市場投入前に固有機器識別(UDI)を割り当てることが義務づけられています。UDIは、機器識別子(UDI-DI)と製造識別子(UDI-PI)で構成され、UDI-DIは欧州医療機器データベース(Eudamed)に登録されます。
■ しかし、眼鏡フレームやレンズ、既製老眼鏡は、臨床的・非臨床的な設計パラメータや構造上の多様性から、非常に多くのバリエーションを有しています。その結果、ほぼ同一の製品であっても異なるUDI-DIが付与され、Eudamed上に膨大なデータが登録されるという問題が生じていました。この製品の安全リスクの低さに比して不釣り合いに煩雑によって、メーカー・当局双方の負担が増大していました。
■ このような背景を受け、国際的な動向や発行機関、業界、加盟国当局との協議を踏まえて、UDI付与方法の合理化が検討されてました。
概要
■ 本委任規則により、眼鏡フレーム、眼鏡レンズ、既製老眼鏡には「マスターUDI-DI」という新たな識別概念が導入されます。これにより、同一の設計パラメータの組み合わせを持つ製品群を1つのUDI-DIの下でまとめて識別できるようになります。
■ 具体的には、
- (1)眼鏡フレームは少なくとも水平ボックスレンズサイズを含む設計パラメータが同一のもの
- (2)眼鏡レンズは平均球面度・加入度数・類似視覚障害の組み合わせが同一のもの
- (3)既製老眼鏡は水平ボックスレンズサイズとレンズ球面度が同一のものについて、
それぞれ共通の「マスターUDI-DI」を使用できるようになります。これにより、製造業者が類似製品ごとにUDIを個別発行する必要がなくなり、データ登録・印字・スキャン工程が大幅に簡素化されます。
■ 一方で、設計パラメータの組み合わせが変更された場合には、新たなマスターUDI-DIを再発行する義務が生じます。そのため、製造業者や輸入業者などの経済事業者は、自社のUDI管理システムを更新し、印字やスキャン技術を新方式に対応させる必要があります。
■ 本規則は2028年11月01日から適用されます。ただし、製造業者はそれ以前でも改正後の規則に基づきマスターUDI-DIを付与することが認められています。したがって、企業は今後3年間でUDI運用体制を整備し、適切な識別・追跡システムを準備することが求められます。
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