プラスチック廃棄物の基準について
2025年12月23日、プラスチック廃棄物が一定の条件を満たした場合に「廃棄物でなくなる」(エンド・オブ・ウェイスト)ための共通基準をEU全域で定める実施規則案の意見募集が開始されました。本実施規則案はリサイクル工程、製品品質、事業者の管理体制を明確化し、再生プラスチックの市場流通における信頼性と法的確実性を高めることを目的とするものです。期限は01月26日までとなっています。
背景
■ EUでは、循環型経済の推進とプラスチック廃棄物削減を重要政策課題としてきましたが、リサイクルされたプラスチックが「廃棄物」なのか「製品」なのかの判断は、加盟国ごとに運用差があり、市場の分断や事業者の法的不確実性を生んでいました。
■ このため、どのような投入廃棄物、どのような処理工程、どの水準の品質を満たせば廃棄物の地位を終了できるのかを、EU法として統一的に定める必要があり、特に機械的リサイクル及び溶剤ベースリサイクルを対象とし、再生プラスチックの安全性、品質、トレーサビリティを確保する枠組みを構築することが求められていました。
概要
■ 本規則案では、プラスチック廃棄物がエンド・オブ・ウェイストの地位を取得するための要件を明確に定められています。まず、投入されるプラスチック廃棄物は、規則案附属書Iに定められた品質及び受入条件を満たしていなければなりません。次に、実施されるリサイクル処理は、規定された機械的又は溶剤ベースの工程及び技術に適合している必要があります。さらに、処理後に得られる出力プラスチックは、追加処理なしで新たなプラスチック製品の製造に直接使用でき、所定の製品品質要件を満たしていることが求められます。
■ 加えて、製造者又は輸入者には、適合宣言書の発行義務が課されます。これは、各ロットの再生プラスチックがエンド・オブ・ウェイスト基準を満たしていることを証明するもので、規則案附属書IIに定める様式に従い作成し、一定期間保存しなければなりません。
■ また、製造者には品質管理システムの導入が義務付けられます。このシステムでは、投入廃棄物、処理工程、出力プラスチックの品質監視、記録保持、不適合時の是正措置、職員訓練などが包括的に管理される必要があります。品質管理システムは、認定又は許可を受けた第三者機関による検証を定期的に受けなければなりません。
■ 第三国から再生プラスチックを輸入する場合も同様の要件が適用され、輸入者は、海外の供給者が本規則に適合した品質管理体制を有していることを確保する責任を負います。これらの要件を満たさない場合、当該出力物は廃棄物とみなされ、廃棄物移動に関する規則が適用されます。
■ この改正により、リサイクル事業者、製造者、輸入者は、単にリサイクルを行うだけでなく、工程管理、品質保証、文書化、第三者検証といった体制整備が不可欠となります。一方で、基準を満たした再生プラスチックは「製品」として円滑に市場流通できるようになり、循環型経済の実現が促進されることになります。
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