タイ|保健省、向精神物質に関する告示を2件発出

タイ王国通過禁止の向精神薬、薬に調合される麻薬に関する規定

保健省は2023年1月23日、「保健省告示 通過を禁ずる向精神薬名とその分類 仏暦2565年(西暦2022年)」および「保健省告示 第3類麻薬に関する規定 仏暦2565年(西暦2022年)」を官報公示しました。これら2つの告示は官報公示の翌日である1月24日より施行されています。

タイにおける向精神物質の分類

タイでは向精神物質(Psychotropic substances)を向精神薬(Psychotropic drug)と麻薬 (Narcotic drug)の2のカテゴリで管理しています。

向精神薬(Psychotropic drug)

多くの身体及び精神的機能をコントロールする神経伝達物質を持つ中枢神経に作用する薬で、タイでは下記4類に分類しています。

■ 第1類向精神薬:
法律により固く所持が禁止されている薬。健康上のリスクが非常に高く、医療上使用しない。また、薬物乱用を引き起こす危険性がある薬。
(例:メスカリン、サイロシビン、DMT、DETなど)

■ 第2類向精神薬:
誤用の可能性が高く、専門家の監督が無いなど、不適切な使用により多くの健康被害が生じるが、医療上の有効性が認められるもの。法律では保健省もしくは保健省が指定した者以外のタイ国内における第2類向精神薬の製造、販売、輸入、または輸出を禁じている。
(例:フェンテルミン、ミダゾラム、ゾルピデム、メチルフェニデート、ケタミン、プソイドエフェドリンなど)

■ 第3類向精神薬:
医療上の有効性がある薬。ただし中程度の誤用性があるもの。タイでの生産・販売・輸入・輸出または通過には許可証の取得が求められ、同時に輸出、輸入の際は届け出が必要となる。処方箋があれば店頭での販売も可能。
(例:アモバルビタール、ペントバルビタール、ペンタゾシンなど)

■ 第4類向精神薬:
医療上有効性があり、誤用の可能性も低い薬。タイでの生産・販売・輸入・輸出または通過には許可証の取得が求められ、同時に輸出、輸入の際は届け出が必要となる。
(例:ジアゼパム、ロラゼパム、クロラゼペート、クロルジアゼポキシドなど)

麻薬 (Narcotic drug)

精神と中枢神経に同様に作用しますが、その作用は痛みの箇所のみに効くなどの局所的なものです。激しい痛みなどには著しい効果を発揮しますが、一方で中毒になりやすく、使用をやめると禁断症状が見られたりすることも特徴です。タイでは下記5類に分類しています。

■第1類麻薬:
非常に強く、医療上の有効性がないもの。大臣の許可に基づき政府がその必要性により所持する以外の、タイ国内での生産・販売・輸入・輸出および所持が禁止されているもの。
(例:ヘロイン、メタンフェタミンなど)

■ 第2類麻薬:
いわゆる一般的に使用される麻薬で、医療上有効性があるもの。保健省により生産、輸入され、第2類麻薬の販売、もしくは所持許可証を持つ医学、薬学、歯科学、獣医学の専門家に販売される。
(例:モルヒネ、コカイン、コデイン、オピオイドなど)

■ 第3類麻薬:
第2類麻薬や他の薬と調合し、医薬品製剤として供給される。医療従事者を除き生産・販売・輸入・輸出には許可証の取得が必要となる。

■ 第4類麻薬:
第1類ないし第II類の麻薬を製造するのに用いられる化学物質のこと。
(例:ヘロインの製造に使用される無水酢酸、アントラニル酸など)

■ 第5類麻薬:
第1~第4類に該当しない麻薬。そのほとんどが中毒性のある植物で、タイ国内での生産・販売・輸入・輸出が禁止されているもの。
(例:マリファナ、クラトムなど。大麻(カンビナス・ヘンプ)は2021年2月より、葉・茎・幹・根が第5種麻薬から除外)

告示2件の内容

今回の告示内容は以下の通りです。

「保健省告示 通過を禁ずる向精神薬名とその分類 仏暦2565年(西暦2022年)」

この告示により、第2類向精神薬に分類されているプソイドエフェドリン(pseudoephedrine)がタイの通過禁止の向精神薬となりました。

「保健省告示 第3類麻薬に関する規定 仏暦2565年(西暦2022年)」

この告示により規定された原則に則って調合された第2類麻薬を含むもので、且つ麻薬調合登録許可証があるものに関しては、第3類麻薬に分類されることとなりました。

その原則の例は以下の通りです。

■ 以下のいずれかの麻薬1種類以上を他薬剤と調合し、主要成分とした医薬製剤で、主要成分が調合成分全体の2.5%を超えないもの、かつ投薬1回の服用量のうち、主要成分が100mgを超えないもの

アセチルジヒドロコデイン (Acetyldihydrocodeine)
コデイン (Codeine)
ジヒドロコデイン (Dihydrocodeine)
エチルモルフィン (Ethylmorphine)
ニココジン (Nicocodine)
ニコジコジン (Nicodicodine)
ノルコデイン (Norcodeine)
フォルコジン (Pholcodine)

■ プロピラム(Propiram)がメチルセルロース(Methylcellulose)と調合され、その割合が同等、もしくはメチルセルロースの方が多く、且つプロピラムの服用量が投薬1回につき100㎎を超えないもの

■ ジフェノキシン(Difenoxin)とアトロピン硫酸塩(Atropine sulfate)が一緒に調合された医薬製剤で、投薬1回の服用量においてジフェノキシンが0.5㎎を超えず、且つ調合されているジフェノキシンの量に対しアトロピン硫酸塩が少なくとも5%は含まれているもの

■ ジフェノキシレート(Diphenoxylate)と硫酸アトロピン(Atropine sulfate)が一緒に調合された医薬製剤で、投薬1回の服用量において、塩基類として計算した時ジフェノキシレートが2.5㎎を超えず、且つ調合されているジフェノキシレートの量に対し硫酸アトロピンが少なくとも1%は含まれているもの

「保健省告示 第3類麻薬に関する規定 仏暦2565年(西暦2022年)」より引用、仮訳

各事業関係者はこれらの告示にご留意ください。

参考

「法に則った重要管理事項:向精神薬及び麻薬」 食品医薬品委員会事務局(FDA)麻薬取締当局 (タイ語)

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