世界有数のセルバッテリーメーカーに対する投資誘致の促進を目的としたもの
2024年05月03日、特定産業競争力強化政策委員会は電気自動車およびエネルギー貯蔵システム向けバッテリーセル生産への投資奨励に関する告示を官報公布しました。この告示は即日発効となっています。
この告示発出の背景
タイでは電気自動車産業のサプライチェーン支援を目指し、高度な技術を持つ世界有数のセルバッテリーメーカーを誘致し多額の投資を呼び込む形でタイでの生産拠点を設立、引いては世界の潮流に追随する形で、クリーンエネルギーという環境的なメリットのあるエネルギー貯蔵システム(Energy Storage System: ESS)への使用にまで展開することを目指しています。
この告示はその動きに伴う対象となる投資奨励の基準を定めたものとなっており、電気自動車およびエネルギー貯蔵システム向けバッテリーセル生産投資奨励を受ける事業者が受ける恩典は「特定産業競争力強化法」に基づく恩典、もしくは「投資奨励法」に基づく恩典のいずれかひとつであること、そしてその内容が明記されています。
この告示の内容
この告示で定められている主な内容は以下の通りです。
■ 投資奨励を受ける事業者の資格
▪電気自動車製造者が認め、使用しているバッテリーのトップ生産者であること
▪電気自動車用のバッテリーセル生産をしており、そのバッテリーセルはエネルギー貯蔵システム用にも使用できること
▪エネルギー密度が150Wh/kg以上であること
▪ライフサイクルが1,000回以上(公称容量の70%、20-25℃で検査した場合においてDOD(放電深度)80%で割り出した場合)
▪2027年の最終事業日までに投資計画を提出すること
■ 投資奨励を受ける事業者が受ける恩典(いずれかひとつ)
A) 特定産業競争力強化法に基づく恩典
A-1)基金による支援金(投資、研究とイノベーションの推進、もしくは専門人材の育成に係る費用となるもの)
A-2)最長15年の法人税の免除(免除額の上限を設けない)
A-3)投資奨励の対象事業から受け取る配当金に係る所得税の免除
B)投資奨励法に基づく恩典
B-1)機械に対する輸入関税の免除
B-2)検査を含む、研究開発のために輸入される物に対する輸入関税の免除
B-3)輸出製品の製造を目的とし、輸入する主要原材料に対する輸入関税の免除
B-4)国内販売製品の製造を目的とし、輸入する主要原材料に対する輸入関税を90%まで軽減(5年間。一度の許可につき1年の許可を与える)
B-5) 外国人のタイ国内への入国および証人を得た職種の就労許可
B-6)投資奨励を受ける事業のための土地所有権を有する許可
B-7)タイ国外への外貨の持ち出し、送金に対する許可
この告示の根拠となる法令
タイ投資委員会(BOI: Board of Investment)では国の産業高度化に結びつく付加価値のある事業に対して厚い恩典を付与する「投資奨励法」に基づく投資奨励政策を設けていますが、自国の技術力および国際競争力強化となる高度技術導入や研究とイノベーションの推進、もしくは専門人材の育成に関与する事業を対象とする各種優遇制度を定めた「特定産業競争力強化法」が2017年に新たに施行されています。
この告示は上述の「仏暦2560年(西暦2017年)特定産業競争力強化法」第6条、第16条、第23条、第24条、第25条および第26条に基づき発出されたものです。
参考情報
「特定産業競争力強化政策委員会告示第1/2567号 電気自動車およびエネルギー貯蔵システム向けのバッテリーセル生産投資奨励について」 2024年05月03日官報公布、即日発効(2024年04月11日発出)
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