7件の代替分析手法(分析及びサンプリング手順)を新たに承認
2022年8月17日、EPAは、飲料水中の汚染物質の濃度計測に関して従来の承認権限を簡略化し、飲料水基準(規則)への適合可否の判断のための7件の代替分析手法(分析及びサンプリング手順)を新たに承認しました。
この措置により、公共水道施設、研究所、及び主要機関が新しい測定技術をより迅速に導入することで、分析手法の選択において柔軟性を得ることができ、公衆衛生を担保しながらモニタリング費用も削減することが可能となります。
概要
公共水道施設は、飲料水試料中の汚染物質の測定が義務付けられている規制対象であり、安全飲料水法(SDWA)の下で公共水道に対する規制プログラムを管理する権限を有するEPAの管理地域及び州・地方政府は、飲料水試料中の汚染物質を測定することができます。
EPAでは、飲料水基準において特定の汚染物質に対する監視要件を設定する場合、その汚染物質の分析のための標準化された分析手法も確立しています。この措置により、特定の飲料水汚染物質に対して、既存の規制要件としての分析手法以外の代替分析手法も活用できるようになります。
EPAは、飲料水試料中の検査が必要な公共水道施設に対して、既存の規制承認済みの分析手法、あるいは本措置または以前の迅速承認措置で承認された代替分析手法のいずれかを使用する選択肢を提供することになります。
背景、経緯
この措置では、EPAは、以前の簡易審査で同様に承認された他の分析手法と共に、SDWAの下で採取された飲料水試料中の汚染物質濃度を決定するための7件の新規代替分析手法を承認しました。
EPA が、代替分析手法が「同等に有効」であると判断した場合(すなわち、代替分析手法が「同等に有効」であると判断した場合)、EPA は、代替分析手法に対する代替分析装置の使用を認めることになります。
すなわち、SDWA では、代替分析手法が「同等に有効」(既に規則に公布されている方法と同程度に有効)であると EPA が判断した場合、EPA が代替分析手法の使用を連邦官報に公示することを認めています。
SDWAでは、連邦官報への掲載を通じて、代替分析手法の使用を承認することを認めています。EPAは、この簡略化された承認権限を用いて、SDWAの下で採取された飲料水試料中の汚染物質濃度を測定するための7件の代替分析手法を追加で利用できるようにする予定です。
EPAは、表1に記載されている各汚染物質または汚染物質グループについて、本措置で承認される7件の代替分析手法は、これらの汚染物質に関する規制で既に承認されている分析手法の1件以上と同等の効果があると判断しました。
SDWA Sec.1401(1)では、新たに承認された方法は、「公共水道施設において、飲料水基準に記載された品質管理及び分析手法の代替手段として取り扱われるものとする。」と述べています。
したがって、この措置により、これら追加の7件の分析手法は、EPAのモニタリング要件を満たすための選択肢として合法的に利用できるようになります。
代替分析手法の概要
EPA は、規制に記載されている汚染物質の分析手法7件を評価し、これらの分析手法は、当該汚染物質に関する規制に既に確立されている方法と同等の効果があると判断しました。
EPAは、その簡略化された承認権限を用いて表1に示す7件のオプションの代替分析手法を、SDWAの下で採取された試料の汚染物質濃度の測定に使用できるようにします。
表1に示す各代替分析手法の概要は以下の通りです。
■ EPAが策定した分析手法
EPA手法904.0は、ラジウム-228の分析手法として 40 CFR 141.25(a) の飲料水基準で公表されています。収量測定として、重量測定と放射能測定のオプションが設定されています。前者では、硫酸バリウムとの共沈によってラジウム-228が試料から分離され、次にシュウ酸イットリウムとの共沈によって成長したアクチニウム-228が分離されます。
最終的には、ラジウムの分画収率を硫酸バリウム沈殿物の重量測定から求めます。後者の新手法では、放射化学的収量モニターとしてバリウム-133を取り入れるオプションが認められています。
バリウム-133は、ラジウム-228と共に錯形成と沈澱の過程をたどる非干渉のガンマ線放出核種であり、放射化学的収量モニターとして組み込むことで、質量ではなく放射能に基づいて収量を評価する高感度なオプションが提供されています。
■ 民間コンセンサス標準化団体が開発した分析手法
ASTM International手法では、分析手法の旧承認版に対して主に編集上の変更(参考文献、定義、用語の更新、手順の明確化、及び本文の再編成など)を行っています。改訂された手法は、試料採取及び取扱いの手順、試料調製、分析手法、及び性能データに関して承認済みバージョンと同じであるため、EPAは、承認済み方法と比較して同等の効果を有すると判断しています。
■ ベンダーが開発した分析手法
Lovibond TB 3500手法では、携帯型濁度計に白色発光ダイオード(LED)ネフェロメーターを使用して、飲料水の濁度を測定します。LEDは380nmから780nmの可視光線の白色光を発し、400nmから600nmの間にスペクトルのピーク応答があります。定義された条件下で飲料水試料によって散乱された光の強度を、標準の基準懸濁液によって散乱された光の強度と比較することで濁度を導出します。
Lovibond TB 5000手法では、携帯用濁度計に発光ダイオード(LED)ネフェロメーターを使用して、飲料水の濁度を測定します。LEDは660nmの光を照射し、溶存有機物や試料の色による干渉を低減します。本手法においも、定義された条件下で飲料水試料によって散乱された光の強度を、標準の標準懸濁液によって散乱された光の強度と比較することで濁度を導出します。
Lovibond TB 6000手法では、ピーク発光中心波長が650nm~690nmのレーザーダイオードを使用しますが、濁度の導出方法は、TB 3500及びTB 5000と同じです。
表1. EPA、民間コンセンサス標準化団体、及びベンダーが開発した代替分析手法
| 代替分析手法 | 汚染物質/パラメータ |
|---|---|
| EPA Method 904.0, Revision 1.0 | ラジウム-228 |
| ASTM D 4785-20 | 放射性ヨウ素 |
| ASTM D 4107-20 | トリチウム |
| ASTM D 5317-20 | 2,4-D;ペンタクロロフェノール; ピクロラム; 2,4,5-TP |
| Lovibond TB 3500 | 濁度 |
| Lovibond TB 5000 | 濁度 |
| Lovibond TB 6000 | 濁度 |
法令及び行政命令の見直し
SDWAの条件下では、この代替分析手法の承認措置は規則ではなく、SDWAに基づく監視の選択肢として代替分析手法を利用可能にするだけであるため、EPAは規則制定に一般的に適用される他の法令及び行政命令は本承認措置に適用されないと結論づけています。
参考
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