米国|連邦航空局(FAA)と米国運輸省(DOT)、標準的な遠隔識別無人航空機の製造要件に関する施行方針を公布
無人機航空規制の一部緩和
2022年9月12日、連邦航空局(FAA)、米国運輸省(DOT)は、2022年12月16日以前に発生した無人航空機に適用される遠隔識別製造要件の準拠違反について、FAAが強制措置を取るかどうかの裁量を行使する際に、あらゆる状況、特にFAAによる適合方法の認可の遅れを考慮する旨の施工方針(発効日は2022年9月8日)を公布しました。
背景、経緯
2021年01月15日、無人航空機の遠隔識別最終規則(RIN 2120-AL31)が連邦官報86 FR 4390で公表されました。最終規則に従い、標準的な遠隔識別無人航空機及び遠隔識別放送モジュールは、連邦規則14 CFR Part 89の要件を満たすように設計及び製造されなければならないというものです。
米国内での運用を目的とした標準的な遠隔識別無人航空機または遠隔識別放送モジュールを設計または製造する者は、無人航空機または放送モジュールの適合方法がFAAの認可要件を満たす必要があります。この適合方法とは、遠隔識別に関する性能に基づく要件を遵守するための方法を記述したものです。
14 CFR Part 89では、標準的な遠隔識別用無人航空機または遠隔識別用放送モジュールについてFAAによる適合方法の認可を希望する者は、適合方法をFAAに提出する必要があります。FAAは、その適合方法が性能要件を満たし、Part 89に準拠した適切な試験及び検証手順を含むかどうかを判断するための審査を行います。
具体的には、適合方法の詳細な説明、14 CFR Part 89の性能要件にどのように適合するかの説明、及び申請書の一部としてFAAの考慮内容に対する立証資料を提出しなければなりません。
製造者が2022年9月16日の遵守期限日までに、標準的な遠隔識別無人航空機を製造するためのFAAが認めた適合方法に従ってPart 89の性能要件を満たさない限り、米国で運用するための無人航空機の製造を禁止しています。
適合方法は、行政官によって審査され、Part 89 Subpart D、Eの要件を満たしていることを実証したと行政官が判断し、行政官がそれを認可したことで申請者にFAAが通知するまではFAAの認可は完了していないとしています。
2022年5月13日、米国材料試験協会(ASTM)は、「連邦航空局規則14 CFR Part 89に対するリモートID適合の標準実施方法」(ASTM参照番号F3586-22)をFAAに提出し、受理されました。2022年8月11日、FAAはASTM規格F3586-22とその通知で指定された追加事項の両方からなる適合方法を認可することを発表する利用可能通知を公表しました。
従って、ASTM F3586-22の策定に携わった者は、FAAが承認した適合方法(ASTM F3586-22と利用可能通知に記載された追加事項)を用いて標準遠隔識別無人航空機を設計・開発する場合、より時間を節約できるとFAAは考えていますが、FAAの承認があるまでは無人航空機製造者はPart 89における標準遠隔識別無人航空機製造の規制要件への適合が完了していないとしています。
施行方針に関するFAAの声明
FAAは、ASTM F3586-22の適合方法を2022年9月16日の遵守日より1ヶ月以上前に受理したことを認識しています。FAAは、2022年9月16日の遵守日に間に合いそうな製造業者から、既に幾つかの適合宣言書※を受領しています。
しかし、FAAは、他のメーカーが、適合方法の認可が遅れたために、無人航空機を適切に設計、開発、試験を行っても、2022年9月16日以前にFAAに適合宣言書を提出するのに十分な時間がない可能性があることを認めています。
従って、FAAは、2022年12月16日以前に発生した不適合については、適切な処理を行っていれば執行措置を取らないという裁量を行使することを含め、明らかな不適合への処理方法を決定する裁量を行使することになります。本書による執行裁量権の行使は、個人の訴えを引き起こすものではなく、将来の判断のための前例となるものでもありません。
適合宣言書※とは、標準的な遠隔識別無人航空機又は遠隔識別放送モジュールの製造者がFAAに提出する、すべての要件を満たしていることを証明するための記録です。
14 CFR Part 89 Subpart D、Eの要件
標準的な遠隔識別用無人航空機または遠隔識別用放送モジュールの適合方法の申請に必要なSubpart D、Eの要件の一部を以下に示します(14 CFR Part 89より一部引用・仮訳)。
Subpart D
このサブパートは、標準遠隔識別無人航空機及び遠隔識別放送モジュールのメッセージ要素セット及び性能要件について規定する。
標準遠隔識別無人航空機は、以下の遠隔識別メッセージ要素の放送が可能でなければならない。(a) 以下の要素からなる、無人航空機の識別情報
(1) 標準遠隔識別無人航空機の製造責任を有する者が当該無人航空機に付与した通し番号
(2) セッションID(b) 管制局の緯度・経度の表示
(c) 管制局の幾何学的な高度の表示
(d) 無人航空機の緯度・経度の表示
(e) 無人航空機の幾何学的な高度の表示
(f) 無人航空機の速度の表示
(略)
Subpart E
このサブパートは、以下を規定する。(a) 本編のSubpart Dに適合方法に対する要件
(b) 標準的な遠隔識別無人航空機又は遠隔識別放送モジュールの設計及び製造に使用される適合方法の提出及び受入れに関する手続き上の要件であって、それらが本規則の性能要件を満たすことを確保するためのもの
(c) FAAの受入れのために適合方法を提出する者を管理する規則
14 CFR Part 89 よりCFR Subpart D、Eより一部引用・仮訳
(略)
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