自動車運送業者安全局が商用車に関わる事故を削減するための規則を提案へ
2022年09月23日、自動車運送業者安全局(FMCSA)は、米国運輸省と共同で、商用車にワイヤレスで認識・通信できる電子識別ID技術を装備することを義務付けする連邦自動車運送業者安全規則案作成の事前通知を出し、コメント(2022年11月22日締切)を募集しました。
商用車安全同盟から規則の制定についての嘆願により、自動車運送業者安全局は運送業者の安全・管理のために、また道路脇の検査プログラムの効率と有効性を向上させるために、改正を検討しています。
この記事では、事前通知の「背景:電子識別ID技術と商用車安全同盟の規則制定請願について」と「事前通知が求めるコメントの概要」についてまとめています。
背景:電子識別ID技術とCVSA規則制定請願について:
ここでは、事前通知(Advance notice of proposed rulemaking、ANPRM)の「V.背景」にある3つの項目「電子識別ID技術」、「商用車安全同盟(CVSA)の規則制定請願」、と「電子識別ID技術の試験・調査結果」についてその概要を引用・記載します。
自動車運送業者安全局(FMCSA)の主な使命は、推定1200万台が登録されている大型トラックやバス(商用車、commercial motor vehicle、CMV)が関与する事故、怪我、死亡者を減らすことです。CMV業界は成長過程であるため、その規則の執行には大きなコストが使用されています。
そこで、CMVを容易に識別する電子識別ID技術の使用を、商用車安全同盟(Commercial Vehicle Safety Alliance 、CVSA)により嘆願されていました。この規則により、執行担当者がドライバーの安全のために効率的に規制を使用でき、瞬時に情報に基づいた業務を行うことができるようになると考えられます。
電子識別ID技術:
電子識別のための技術として、ナンバープレートリーダー(License Plate Recognition、 LPR)とワイヤレスモバイルデータサービスの導入が提案されています。米国企業では在庫と運送業務を管理するために既にナンバープレートリーダーが採用されています。
また、米国財務省が運送業者に発効するUSDOT (United States Department of Transportation)番号など既存の登録データと照合できる高度な光学式文字認識(OCR)ソフトウェアも組み合わせ様々な情報を記録・併用します。これにより、州の執行担当者は、安全に運行している優良な運送業者を特定します。一方、ワイヤレスモバイルデータサービスとしては、トランスポンダが取り上げられています。
トランスポンダは本来アカウント所有者に関連付けされ料金徴収に利用されているシステムで、データをワイヤレスで送受信することができます。既に、商用車情報システムおよびネットワーク(CVISN、Commercial Vehicle Information Systems and Networks)プログラムの一環として、商用車はトランスポンダ(短距離通信システムとセルラーモバイルラジオの組み合わせ)の使用が義務付けられています。
このような技術を用いて、FMCSAは商用車が安全に走行している優良運送業者を瞬時に認識・評価し、運送業者とサプライチェーンの混乱を最小限に抑え、全国の大型トラックとバスの排出量を大幅に削減することを目標としています。また、大型トラックやバスの衝突による負傷者や死亡者を減らすことを目標としています。
商用車安全同盟(CVSA)の規則制定請願:
2010年7月26日、CVSAは「道路脇の執行機関がリスクの高い運送業者だけ注目し優良な運送業者にインセンティブを提供することにより、道路脇の検査プログラムの効率性と有効性を促進する」と主張し、執行担当者が道路脇で電子識別ID番号を通信できる電子機器の使用を嘆願しました。
しかし、FMCSAは2013年5月24日、このシステムは実行可能であるがコストと利益を見積もるための情報が未だ不足していると指摘して、規則制定の請願を却下しました。ここで、FMCSAは以下の3点について検討が必要であるとしました。
(1)すべてのCMVに電子識別IDシステムの搭載を要求する規則策定に関連するコストと安全上の利点を十分に比較・検討する。
(2)現在利用可能な技術的選択肢を探る。
(3)連邦道路局(Federal Highway Administration)、CVSA、その他の利害関係者と協力して、費用対効果が高く長期利用できるCMVを特定するための技術を開発する。
これを受けて、2015年2月20日、CVSAはFMCSAに2013年5月24日に出された否認を再考するよう求め、前回の請願書で欠けていた情報を追加しました。その後、2015年11月2日にFMCSAは規則制定の請願を認めました。
CMV業界における電子識別IDの試験・調査結果:
2019年の報告書では、FMCSAは、LPR/USDOTナンバーリーダーとトランスポンダの両方が、道路脇の検査現場で行われる執行担当者の手動の検証と比較して、効率よく走行しているCMVを識別していることを報告しました。しかし一方で、検査員は依然として視覚的な手がかりやその他の要因に頼って検査を決定・通知することが多いことも報告されています。
事前通知が求めるコメントの概要:
ここでは、事前通知の「VI. 事前通知における討議と質問」項目について概説しています。
米国のCMVにおける電子識別IDシステムの掲載義務についての規則の事前通知が発表されました。
したがって、FMCSAは、この規則に関連する
・「関連するコストと利益」
・「プライバシー情報を含むセキュリティやその脆弱性」
・「その他の関連事項や運用後の影響」
・「技術的の問題」
など電子識別IDのさまざまな側面に関する詳細情報(コメント)を求めています。
具体的な質問は
・「1. 規則全体」
・「2. 電子識別IDシステムの機能性」
・「3. 影響を受ける人口」
・「4. 規則運用のコスト/メリット」
・「5. その他」
のトピック別に整理されています。
参考
■ Unique Electronic Identification of Commercial Motor Vehicles/連邦官報
注目情報一覧
新着商品情報一覧
調査相談はこちら
概要調査、詳細調査、比較調査、個別の和訳、定期報告調査、年間コンサルなど
様々な調査に柔軟に対応可能でございます。
- ●●の詳細調査/定期報告調査
- ●●の他国(複数)における規制状況調査
- 細かな質問への適宜対応が可能な年間相談サービス
- 世界複数ヵ国における●●の比較調査 など