米国|連邦航空局、輸送用カテゴリー航空機の設計基準に新しい荷重条件を追加

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米国|連邦航空局、輸送用カテゴリー航空機の設計基準に新しい荷重条件を追加

ラダーペダルの急速な反転による荷重に耐えられるように設計することを要求

2022年11月22日、連邦航空局は、輸送カテゴリーの飛行機の「ヨー操縦条件と舵反転」に関する設計基準に新しい負荷条件を追加しました。動力が付いたラダー操縦翼面を備えた輸送カテゴリーの航空機は、航空機の荷重が設計上の荷重を超えた状態で舵の反転を行うと航空機の舵自身と垂直尾翼が破壊される可能性があることがわかっています。

この最終規則では、このような破壊が起こらないように舵を負荷に耐えるように設計することを要求しています。ここでは、この最終規則の「補足情報の掲載事項」、「背景」、「概要」「14 CFRパート25における修正条項の概要」について記事になっています。

補足情報の掲載事項:

I.最終規則の概要

II.背景(A.問題の記述、B.国家運輸安全委員会(NTSB)勧告、C.航空規則制定諮問委員会(ARAC)の活動、D.NPRMの概要、E.欧州連合航空安全機関(EASA)による規則制定、F.アドバイザリー資料)

III.パブリックコメントと最終ルールの議論(A.複数の反転の必要性、B.適用性、C.負荷条件の要件、D.警告モニター、E.その他の変更)

IV.規制に関する通知と分析(A.規制評価、B.規制の柔軟性の決定、C.国際貿易影響評価、D.資金不足の委任状評価、E.事務処理削減法、F.国際的な互換性、G.環境分析)

V.大統領令の決定(A.大統領令13132、連邦主義、B.大統領令13211、エネルギーの供給、配電、または使用に重大な影響を与える規制、C. 統領令13609号、国際協力)

VI. 追加情報の入手方法(A.規則制定文書、B.ドケットに提出されたコメント、C.中小企業規制執行公正法)

背景:

ラダー(方向舵)は、ほとんどの航空機の尾部にある垂直操縦翼面であり、航空機の旋回を助けます。ラダー制御システムは、動力付きまたは非動力のいずれかで、コックピットにあるラダーペダルによって制御されます。

インターフルーク(モスクワ、1991年2月11日)とアメリカン航空903便(AA903、フロリダ州ウェストパームビーチの近く、1997年5月12日)の両事故、アメリカン航空587便(AA587、2001年11月12日にニューヨーク州クイーンズの近く))の墜落事故、プロヴィンシャル航空リミテッド(セントジョンズ、ニューファンドランド・ラブラドール、2005年5月27日)の事故、エア・カナダ190便(AC190、2008年1月10日、ワシントン州上空)の事故は、飛行中に荷重に対して不適切に舵の反転を行ったことによる事故と考えられています。

これらの事故情報や連邦航空局(Federal Aviation Administration、FAA)の調査・研究によると、パイロットの多くは訓練プログラムでは推奨されていないにもかかわらず、飛行中に頻繁に舵の反転を行うことがわかっていました。

連邦規則集(14 CFR)パート25セクション25.1583(a)(3)(ii)では製造業者に大規模かつ急なラダー制御の反転を行わないように警告する文書を提供すること、同じくセクション25.1583(a)(3)(ii)のではそのような舵の反転は不必要であることが記載されていますが、いまだ頻繁な舵の反転が行われています。

しかし、航空機の荷重が設計上の荷重を超えた状態で舵の反転を行うと航空機の舵自身と垂直尾翼が破壊される可能性があります。

現在の設計基準では飛行機の構造がそのような反転によってかかる負荷を考慮していないため、連邦航空局は、「ヨー(飛行機の左右方向の舵)操縦条件—規則制定案ラダー反転」として、2018年7月16日に通知(notice of proposed rulemaking、NPRM)を出し、国家運輸安全委員会(National Transportation Safety Board、NTSB)、Airline Pilots Association, International (ALPA)、Avions de Transport Régional(ATR)、Crew Systems、Textron Aviation、Airbus、The Boeing Company、Bombardier Aerospaceなどとパブリックコメントを介して議論していました。

最終規則の概要:

この最終規則は、連邦規則集 (14 CFR) パート 25 「耐空性基準:輸送カテゴリーの飛行機」のタイトル14における「飛行操作と突風の状態」という見出しの下に「§25.353ラダーコントロールの反転条件」として追加されました。

そして、この追加の部分で対象となる航空機を「動力付きラダー操縦翼面またはラダーペダルの急速な反転によって引き起こされる荷重」に耐えるように設計する必要があることを製造業者に求めました。

具体的には、航空機の製造業者は、対象となる飛行機のラダー制御システム設計において、最初のラダーペダル入力に耐えた後、最大横滑り角で3回のフルペダル反転に耐え、さらにラダーをニュートラルに戻すことができることを示す必要があります。

このような複数の反転はまれであるため、規則では新しい荷重条件が限界荷重条件ではなく最終荷重条件であることとなっています。よって、製造業者は計算された負荷レベルに追加の安全率を適用する必要はありません。

この最終規則で示された条件は、製造業者が最終規則の発効日以降に、輸送カテゴリーの飛行機の新しい型式証明を申請する場合に必要となります。加えて、最終規則の発効日以降に、製造業者が14CFR 21.101「適用規則の指定」に基づいて修正または補足した型式証明書を申請する場合にも必要となります。

一方、今後安全性を考慮し必要であると判断された場合以外は、この規則は動力のない操縦翼面を持つ飛行機には適応されません。その他、この最終規則では負荷条件の分析方法の明確化など、比較的細かい条件も追加されています。

連邦航空局は、この最終規則により、航空機の製造企業が最小限のコストを払うことによって航空機の舵反転事故のリスクを軽減できると考えています。

参考:

ヨー操縦条件と舵反転

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