NPDESに従いPFASの発生源を特定し減少させる措置を州や地域社会に推奨
2022年12月06日、米国環境保護庁(EPA)は、PFASの汚染に対処するため水質浄化法の許可プログラムを使用する方法について、州や地域社会に対してガイダンスを発表しました。ガイダンスでは、州がPFAS排出を監視し、発生源で排出を減らすための措置を講じる方法を概説しています。
ここでは、「PFASと米国PFAS戦略ロードマップ」「今回のガイダンスが示す内容」が記事になっています。
PFASとPFAS戦略ロードマップ:
PFASは、パーフルオロアルキル物質およびポリフルオロアルキル物質のことで、消費者製品や工業プロセスで使用される化学物質の群です。
比較的毒性の高いペルフルオロオクタン酸(PFOA)とペルフルオロオクタンスルホン酸(PFOS)を含むPFASは、熱、油、汚れ、グリース、水に耐性があるため1940年代から頻度高く使用されていました。しかし、近年河川などに排出されたPFASが環境中や体内で分解されずに残留し、ヒトを含めた生物に対して毒性を持つことがわかって来ました。
米国では多くの事業者はPFASを河川や小川に直接ではなく、都市下水処理プラント(Wastewater treatment plant)に排出します。そのため事業者が州や地域社会のWWTPに送るPFASの量を減らす、つまり州や地域社会がWWTPや河川などでPFAS量を監視することが重要であると考えられています。
EU地域ではすでにPFASの使用や排出が規制により制限されており、現在も規制が厳しくなっています。
一方米国では2021年にPFAS戦略ロードマップ(2021-2024版)を作成し、PFASに対処するアプローチを以下の5つの観点から続けています。
- PFASの分解サイクルを考慮
- PFASの発生源を特定する
- 汚染発生源の責任を追及
- 科学的な結果に基づく政府やEPAの決定や規制の作成
- 不利な立場にある地域社会を優先的に保護
2022年12月、EPAはこのロードマップの最初の年次進捗報告書を発表し、初年に開始または完了した措置内容を報告しています。今後も米国ではこのロードマップのマイルストーンに従ってPFASに対する規制が行われると考えられます。
今回のガイダンスが示す内容:
今回のガイダンスは、EPAが2022年4月にメモとして記載した内容に基づいて作成されています。廃水および雨水システムに入るPFASのレベルを減らすため、PFASの発生源を特定し、発生源での排出を制限することを目的とし、EPAが州や地域社会に対してこのガイダンスを提示・推奨しています。
つまり、事業者にとってもこのガイダンスにより、各州や地域社会でのPFASの排出制限に対処する方法がわかるようになっています。
米国では、廃水を排出する人は必ず水質浄化法許可プログラム(National pollutant discharge elimination system、NPDES)許可を取得する必要があります。今回のガイダンスでは特に、この水質浄化法許可プログラムを使用することで、州や地域社会へ以下の点をガイダンスしています。
■ 排水やバイオソリッド(下水道の処理過程で作られる汚泥)からの最新のサンプリングおよび分析方法、分析頻度を提示し、PFAS排出源(疑いが強い事業者)と量を監視・記録
■ 特定されたPFAS排出源のリストやそれに対する措置の概要を報告
■ PFASを排出する発生源を特定し、PFAS排出源(事業者)に操業の制限(例えば製品の代替・削減や管理体制・設備の強化指令など)や許可の取り消し
■ PFASに関する州機関間の調整(例えば、河川の下流地域への通知など)
■ EPSが排水ガイドラインの公布、複数の実験室で検証された分析方法の最終決定、およびPFAS化合物に対処する水質基準の公開など行い、州や地域社会をサポート
ちなみに、EPAはすでにガイダンスの内容を用いて、ミシガン州で地方自治体の廃水処理施設と提携して、PFASの上流の発生源を特定するのに役立つ監視アプローチを開発し、電気産業やめっき産業などの業界と協力して、PFAS排出量を大幅に削減したり、ノースカロライナ州でPFAS排出事業者に対して排水削減技術を開発しPFASの排出を削減したりすることに成功しています。
このガイダンスはこれらの経験に基づいて作成されています。
参考:
EPAが有害なPFAS汚染を減らすためにガイダンスを発行します
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