米国|航空機で輸送されるリチウムイオン電池およびバッテリーの危険物規則を改訂

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米国|航空機で輸送されるリチウムイオン電池およびバッテリーの危険物規則を改訂

2022年12月21日、運輸省(DOT)のパイプラインおよび危険物安全局(PHMSA)は、航空機で輸送されるリチウム電池およびバッテリーの危険物規則を改訂し、最終規則としました。この最終規則は2023年1月20日に発効します。これにより、医療機器に使用されるリチウムイオン電池などの特定の条件を除き、リチウムイオン電池とバッテリーを旅客機の貨物として輸送することが禁止されました。

ここでは、「リチウムイオン電池」「最終規則の背景」「最終規則による改訂事項」について記事になっています。

リチウムイオン電池:

リチウムイオン電池は、リチウムイオンが正極と負極の間を移動することで、充電や放電が繰り返し行える、つまり充電が可能な二次電池に当たります。

1980年代、携帯電話やノートパソコンなどの携帯機器の開発により、高容量で小型軽量な二次電池のニーズが高まったのをうけ、旭化成工業の吉野彰(2019年ノーベル化学賞)らが、1983年にリチウムイオン二次電池の原型を創出しました。

その後、リチウムイオン電池は自動車用としての普及も進み、2009年頃から本格的にハイブリッドカーに利用され始めました。現在は自動車用リチウムイオン電池の市場が拡大しており、大容量で高出力が可能な全固体リチウムイオン電池が次世代二次電池として注目されています。

かつてリチウムイオン電池分野においては日本メーカーのシェアが高かったのですが、近年韓国(サムスンSDI、LG化学)、中国 (BYD、CATL)、台湾などで生産量が増えてきています。

最終規則の背景:

リチウムイオン電池は、アメリカ連邦航空局(Federal Aviation Administration、FAA)の技術センターの調査と学術的な研究により、その科学的および電気的な特性から一度発火すると航空機の消火能力を超える火災が発生する危険があると報告され、この電池の航空機での輸送が懸念事項となっていました。

そこで2019年3月PHMSAは米国議会の要請で暫定的な最終規則が発表し、その上で他の規則との調整、環境や経済への影響の分析、関係事業者との議論が重ねられていました。特に、国際民間航空機関(International Civil Aviation Organization, ICAO)の危険物の航空安全輸送のための技術指示書との整合性について議論が重ねられていました。

一方、暫定的な最終規則が発表された時点より、FAAが2018年に発表した再承認法(FAA Reauthorization Act of 2018)の333項の要件を満たしていることは確認されています。

最終規則による改訂事項:

米国運輸省(Department of Transportation、DOT)のパイプラインおよび危険物安全局(Pipeline and Hazardous Materials Safety Administration、PHMSA)は、航空機で輸送されるリチウム電池およびバッテリーの危険物規則(hazardous materials regulations)を改訂し、リチウムイオン電池とバッテリーを旅客機の貨物として輸送することが原則禁止となりました。

この最終規則は、2019年3月に発表された暫定的な最終規則に対して多くの賛同が得られたため、ほぼ同じ状態で最終決定されました。具体的にはこの規則では、リチウムイオン電池の飛行機での輸送において、以下のことが変更されています。

■ リチウムイオン電池およびバッテリーは、梱包の有無に関わらず、貨物専用航空機に搭載された充電状態の30%以下で輸送する必要があります。

■ 小さなリチウム電池またはバッテリーの出荷に関する代替規定の使用を、貨物もしくは預かり荷物ごとに1つと限定されます。

■ 暫定規則に対するコメントに応えて、この最終規則では、その他の要件(掲示の要件、コンプライアンス日の延長の要求、および承認を得た医療機器に使用されるリチウム電池またはバッテリーの例外など)について修正・改訂があります。掲示の要件についての項目では、旅客機への輸送禁止の通知やICAO掲示ラベル(貨物として運搬することを警告する掲示)の方法が含まれています。

■ ただし、この改正では、乗客または乗務員がリチウムイオン電池または電池を含む電子機器を航空機に持ち込むことを制限していません。また、リチウムイオン電池が機器に内包されている場合、航空輸送を制限していません。また例外として、医療機器に特に使用される交換用リチウム電池またはバッテリーについては、2つ以下で貨物として輸送できる規定となっています。

この改正により、主に航空会社(旅客と貨物の両方)と、航空機の貨物としてリチウムイオン電池とバッテリーを輸送する事業者が影響を受けます。

参考:

航空機で輸送されるリチウム電池およびバッテリーの危険物規則

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