米国|レクリエーションオフハイウェイ車両(ROV)の概念実証の研究レポートを公表

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米国|レクリエーションオフハイウェイ車両(ROV)の概念実証の研究レポートを公表

消費者製品安全委員会が「床板ガードの破片侵入の概念実証試験」に関するコメントを募集

2022年12月21日、米国消費者製品安全委員会(CPSC)は、SEA社が提出した研究レポートである「レクリエーションオフハイウェイ車両(ROV)の床板ガードの破片侵入の研究における概念実証(POC)」が終了し、実施された実証試験やその報告書に対するコメントを求めています。このレポートは、オフハイウェイ車両の破片侵入の危険性に関するCPSCの規則制定案(NPR)の基準になるテストを提案しています。

ここでは、「概念実証試験の背景」「概念実証試験の結果内容」について記事になっています。

概念実証試験の背景:

レクリエーションオフハイウェイ車両(Recreational Off highway Vehicle、ROV)は、狩猟業や農業、畜産、林業、キャンプ場運営、海水浴場運営、軍事、警備などの業務で移動手段として用いられるほか、アウトドアスポーツの移動手段やラリーなどのスポーツ走行にも用いられている車両です。

米国消費者製品安全委員会(Consumer Product Safety Commission、CPSC)は、このROVおよび Utility Task Vehicle/Terran Vehicle (多用途四輪車、UTV)の両車両について破片(折れた木の枝などの木片)侵入の危険性に対処するための規則制定に取り組んでいます。

2022年7月21日、委員会は連邦官報に、破片侵入ハザードの安全基準を改正する通知(Notice of Proposed Rule、NPR)を発表していました。その際に、ROVおよびUTV車両への破片侵入の危険性を試験する方法(実物のROV車両を用いた試験とスレッド(そり)システム)を提案していました。

これに対して、米国のROVおよびUTVメーカーを代表する2つの業界団体である屋外電力機器研究所(Outdoor Power Equipment Institute 、OPEI)とレクリエーションオフハイウェイ車両協会(Recreational Off-Highway Vehicle Association 、ROHVA)は、床板ガードに355ジュールの衝撃エネルギーを与える落下試験(355J落下試験)が破片侵入の危険性を試験できると主張し、それぞれ独自の破片侵入試験方法(ANSI / OPEI B71.9-202xとANSI / ROHVA-1-202x)を代替試験方法として提案しました。

このことから、CPSCはSEA社(オハイオ州、コロンバス)と契約し、床板ガードにおいてこれらの破片侵入試験を実施・比較検討していました。

概念実証試験の結果内容:

NPRに記載されているテスト方法に従って、床板ガードの破片侵入テストを実施しました。その上で、2つの自主基準草案(ANSI / OPEI B71.9-202xとANSI / ROHVA-1-202x)で代替案として提案されている355J落下試験とエネルギー量について比較しました。

NPRに記載されているテストでは、8つの床板ガードの破壊事故の状況を詳細に検討(In-Depth Investigation、IDI)し設定されています。

具体的には、直径2または3インチの木製のダボ(直径5センチ程度の木の棒)を斜めに立てかけた上を、自動運転で無人の実物大ROVを時速約16キロ(約時速10マイル)で動かすか、もしくはモデル車両をそりのように引っ張って時速16~26キロ(時速10~14マイル)で走行させ、木製ダボが床板のガードを破壊して車両の席まで達するかについてテストを行いました。

まず、直径2インチ(5センチメートル)長さ約1.9メートルの円柱型の木製のダボを斜めに立てかけた上に、自動運転の実物大ROVを時速約16キロ(約時速10マイル)で動かしました。その結果、木製のダボは前輪のサスペンションの隙間を通って、床板ガードを破損して突き抜け、運転席に至ることがわかりました。

この状況は、IDIによって報告されている事故の状況と非常に似ています。この実験を参考に、次にROVスレッド(そり)システムを用いた試験方法の開発を行いました。

次に、ROVスレッド(そり)システムにより試験を行いました。スレッドテストでは、車両時速16~26キロ(時速10~14マイル)で、直径2インチおよび3インチ(5~7.5センチメートル)の木製ダボに向かって直線的に動かし、床板ガードの強度を測定しました。

その結果、少なくとも0.125インチ(0.31センチメートル)の厚さを持つアルミニウム床板ガードはダボの侵入を阻止することがわかり、破片侵入しない床板ガードが設計できることがわかりました。

そこで、次にOPEIおよびROHVAにおいて355J落下試験方法に合格している2022年モデルのプラスチック床板を評価するスレッドテストを行いました。まず、衝撃について比較すると、時速時速約16キロで走行する満載車両が受ける衝撃は約10,000Jのエネルギーでした。

一方、355 J試験条件と同等のエネルギーレベルの衝撃を与えるスレッド速度は、時速約3.5キロメートルでした。時速3.5キロメートルのテスト条件では2022年モデルプラスチック床板は破損せず浸入を防止しましたが、時速16キロもしくは時速9.7キロメートルの試験条件では木製ダボが床板を破損しました。

時速16キロメートルの速度は、事故の可能性がある樹木が茂った場所でドライバーが出す速度としては想定内です。

したがって、このテストからOPEI / ROHVAが提案した355 Jエネルギー落下試験方法により合格した床板ガードは、想定される速度である時速16キロメートルで走行した場合に、木の枝などの破片の運転席への侵入を防ぐことはできず、ROVおよびUTVの乗員に重傷または死亡事故をを引き起こす可能性が高いことがわかりました。

この試験結果に関係する内容へのコメントは2023年1月20日まで受け付けられています。

SEAテクニカルレポートでは、試験や結果の詳細が写真を用いて詳細に記載されています。詳細はCPSCのウェブサイトで入手できます。

参考:

レクリエーションオフハイウェイ車両(ROV)の概念実証の研究レポートを公表

CPSCのウェブサイト

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