米国|商業ビル、高層集合住宅および低層住宅を含む連邦建物の新規建設に対するエネルギー性能基準改定を確立するための規則案作成補足通知(SNOPR)を公示
化石燃料生成エネルギー消費量要件
2022年12月21日、米国エネルギー省(DOE)は、規則案作成補足通知(SNOPR)を公示し、省エネルギー・生産法(ECPA)に基づき、商業ビル、高層集合住宅および低層住宅を含む連邦建物の新規建設に対するエネルギー性能基準改定の意図を示しました。
連邦機関の化石燃料(石炭、石油、天然ガス、 オイルシェール、ビチューメン、タールサンドおよび重油を含む)のオンサイト使用をECPAなどが定める目標に一致するように削減することを求める連邦建物エネルギー性能基準に関係しています。意見募集は、2023年02月21日までとなっています。
改正提案の概要
■ 「化石燃料生成エネル ギー消費量」の定義と適用範囲
これまで存在しなかった「化石燃料生成エネルギー消費量(fossil fuel-generated energy consumption)」という用語に定義を設け、建物の運用を支援するために設計された機器およびシステムにより使用される(=「スコープ 1 使用」)オンサイト化石燃料からのエネルギー消費のみとして適用することを提案しています。
最初の適用基準としては、特定のプロセス負荷、製造/産業活動、独自の研究活動、またはバックアップ用非常用発電機を対象としていないこと、および電力網から供給されオフサイトで化石燃料を使用して発電された電気またはその他の購入電力消費量を対象としないことを提案しています。
改正箇所
10 CFR Subpart B—スコープ1化石燃料発生エネルギー消費量の低減(Reduction in Scope 1 Fossil Fuel-Generated Energy Consumption)
435.200 スコープ1化石燃料発生エネルギー消費量要件(Scope 1 Fossil fuel-generated energy consumption requirement.)
435.201 スコープ1化石燃料発生エネルギー消費量決定(Scope 1 Fossil fuel-generated energy consumption determination.)
435.202 下方調整に関する請願(Petition for downward adjustment.)
スコープ1化石燃料発生エネルギー消費量決定
スコープ1化石燃料生成エネルギー消費量=提案された建物の直接化石燃料消費量/床面積
435.201より一部引用・仮訳
ここで、提案された建物のスコープ1直接化石燃料消費量/床面積は、IECC2021(国際省エネルギーコード)の405項の性能代替シミュレーションに従って計算された、提案された建物のスコープ1化石燃料生成エネルギー消費量の合計であり、年間千英熱単位(kBtu/yr)で測定されます。
事業者は、バックアップ発電機(ピークカットやピークシフト用など)による非緊急発電に関連するすべてのオンサイト化石燃料使用量またはScope1排出量を含めなければなりません。バイオマス燃料に関連するエネルギー生成やScope1排出量は除外されます。
また、床面積は、外壁で囲まれた構造物の床面積であり、完成または未完成の地下室、屋根裏の完成または加熱された空間、住宅と共通の非断熱壁がある場合の車庫を含みます。クロールスペース、小屋、その他住宅に付属していない建物は含まれません。
スコープ1化石燃料発生エネルギー消費量要件
435.200で提案されている要件には例えば、次の内容が挙げられます。
2024年度から2029年度にかけて建設設計が開始されたもの
EISA対象建物における全ての化石燃料使用システムの新築または大規模改修のうち、建設または改修のための設計が2024年度から2029年度にかけて開始されたものについては、建物の設計に基づき、§435.201(a)に従って算出される提案建物のスコープ1の化石燃料生成エネルギー消費量は、スコープ1の化石燃料生成エネルギー消費量を超えてはならない。
435.200より一部引用・仮訳
エネルギー自立・安全保障法(EISA)は、ECPAを改正した法令であり、EISA対象建物が何なのかについては別途規定があります。
連邦建物の省エネルギー要件
ECPAは、第305条で連邦建物のエネルギー保全要件を定めており、特定の新規連邦建物および大規模改修中の連邦建物について、化石燃料生成エネルギー消費削減が義務付けられています。そこでは、「建物の化石燃料生成エネルギー消費量を、2003年度の類似建物のエネルギー消費量と比較して、2010年度比55%削減するように設計しなければならない」とされています。その目標値は2030年度まで段階的に設定されています。
| FY | 2010 | 2015 | 2020 | 2025 | 2030 |
|---|---|---|---|---|---|
| 削減割合 | 55 | 65 | 80 | 90 | 100 |
DOEでは、ECPAについて、連邦建物エネルギー効率コード(Federal Building Energy Efficiency Codes)と関連する法定要件として説明を設けています。
■ ECPA基準は、技術的に実現可能であり経済的に正当化されるエネルギー効率化対策を要求するものでなければならない
■ 確立された基準は、参照された自主的なコンセンサスエネルギー規範の省エネルギーおよび再生可能エネルギー仕様に適合または上回る省エネルギーおよび再生可能エネルギー仕様を含まなければならない
■ 商業ビル(多世帯高層住宅を含む)の参照自主的合意規範は ANSI/ASHRAE/IESNA 規格 90.1 で、低層住宅の参照規範は国際エネルギー保全規範(IECC)とする
■ 新しい連邦建物のエネルギー効率性能基準は、ライフサイクルの費用対効果がある場合、参照される規範で定められたレベルより少なくとも 30%低いエネルギー消費レベルを達成するよう建物を設計することを義務付ける必要がある
■ 現行の連邦建築物エネルギー効率性能基準は、連邦規則集第10編の第433部および第435部に規定(=10 CFR Part 433, 435)
参考
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