サイト浄化NESHAPの免除規定を一部削除
2022年12月22日、米国環境保護庁(EPA)は、サイト浄化に関する有害大気汚染物質に関する国家排出基準(NESHAP)を改正する内容を官報で公布しました。この内容は、公布日より施行されています。
改正は、包括的環境対策・補償・責任法(CERCLA)の下で実施される浄化活動または非時限的除去活動、および資源保全再生法(RCRA)の下で実施される処理・貯蔵・処分施設での是正措置に関する規則からの適用除外を削除する内容となっています。
概要
EPAは、2003年にサイト浄化に係わるNESHAP規則を公布しており、そこでは、CERCLA権限の下で実施されるサイト浄化を、浄化活動または非時限的(non-time-critical)除去活動として、
またRCRA是正措置の下で処理・貯蔵・処分施設(TSDF)で実施されるサイト浄化は、次のいずれかで免除することができるとされていました。
■ EPAまたは EPAがRCRA第3006条に基づいて許可した州プログラムによって要求されている
■ RCRAで許可した命令によって要求されている
■ RCRA第7003条に基づいて許可した命令によって要求されている
今回の改正では、これらの免除規定が削除されています。削除された規定は次の通りです。
(2) サイト浄化が、CERCLAの権限に基づき、是正処置または非時限的除去処置として実施される場合は、本サブパートの対象にはならない。
(3) サイト浄化が、EPAまたは RCRA第3006条の下でEPAに認可された州プログラムにより発行された許可証で要求される、RCRAで認可された命令で要求される、またはRCRA第7003条で認可された命令で要求される処理・貯蔵・処分施設(TSDF)で行われるRCRAの是正措置に基づき行われる場合は本サブパートの対象にはならない。
40 CFR § 63.7881 (b) より一部抜粋・仮訳
今回の改正により、以前は免除されていたであろう新規排出源は、この文書が連邦官報に掲載された日にNESHAPを遵守しなければならない、ということになります。
有害大気汚染物質に関する国家排出基準(NESHAP)
大気浄化法(CAA)では、人の健康に悪影響を及ぼす恐れのある物質(発がん性、変異原性、催奇性、神経毒性、生殖毒性、急性または慢性毒性を有する物質を含むが、これらに限定されない)、または環境濃度、生物蓄積、沈着などによる環境への悪影響を及ぼす恐れのある物質を「有害大気汚染物質(Hazardous air pollutants; HAPs)」として特定・リスト化し、それらを一定程度以上排出する排出源を対象にカテゴリー別の排出基準を設定しています。
これは「国家有害大気汚染物質排出基準(NESHAP)」と呼ばれ、新規排出源および既存排出源のいずれに対しても適用されるものです。
主な要件
規制要件は、共通して適用される一般要件と、カテゴリー別に分かれている規則で規定される個別の要件があります。
一般要件(Part 61,63)
■ 禁止事項
・施設の所有者または運営者は、EPAから承認を得ることなく基準の対象となる固定排出源を建設または改修してはならない。など
【対象になるか判断に困る場合】
施設が当該規制の対象になるかどうか判断に困る場合は、EPAに判断を仰ぐことができる。EPAは施設の所有者あるいは運営者から、建設または改修の開始が規制対象になるかどうか判断を仰ぐ要請を受領した後、30日以内に回答することが規定されている。
■ 届出要件
・所有者または運営者は、新規排出源の建設または既存の排出源の改修の承認申請書をEPAに提出しなければならない。など
■ 排出試験
・所有者または運営者は、排出源からの排出試験を行わなければならない。
⇒規則の発効日後に初期稼働する新規の排出源:初期稼働日後90日以内 など
■ 記録・報告要件
・所有者または運営者は、各規則で指定されている内容で各モニタリングシステムを維持・運用しなければならず、要求される場合には、当該システムの性能評価を行い評価後60日以内にその結果の報告書を書面でEPAに提出しなければならない。など
■ 隠蔽行為
・適用される基準の違反となる排出物を隠蔽する物品、機械、装置、またはプロセスを建設、建設、設置、または使用してはならない。(例:ガス状希釈剤) など
対象施設
対象となる施設は、新規・既存を問わず大規模な産業排出源「主要排出源(major source)」とされ、単一の有害大気汚染物質(HAP)を年間10トン以上、あるいはHAPsを合計で年間25トン以上排出する、あるいは排出する能力を持つ施設を指します。 ※主要排出源の定義を満たさないがNESHAPの対象となる、より排出量の少ない排出源を「地域排出源(area source)」といい、それに対応する要件もあります。
対象物質
規制対象となるのは、有害大気汚染物質(HAPs)であり、EPAのウェブサイトで確認可能です。2023年01月時点では、188物質となっています。
対象カテゴリーとカテゴリー別規則
対象カテゴリーとそれらに適用される規則については、40 CFRの第61部と63部に置かれています。EPAのウェブサイトでも案内しているため、そちらのほうがわかりやすいかもしれません。
参考
■ 連邦官報
■ NESHAP/EPA
■ NESHAPコンプライアンスモニタリング/EPA
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